2025年11月、東京で開催された 東京 2025デフリンピック
聴覚に障がいのあるアスリートが世界中から集まり、競技・文化・コミュニティを通じて交流する国際大会として、日本で初めての開催となりました。
株式会社リコーは本大会の協賛企業として参画し、さまざまな形で大会運営と観戦環境のサポートを行いました。
デフリンピックの開催に向け、社内でもポスター掲示や社内告知を通じて情報発信を行い、多くの社員が大会の意義に触れる機会となりました。社内全体にも少しずつ浸透し、関心が広がっていく様子が印象的でした。

競技会場でのPekoe活用
デフリンピック期間中、Pekoeは展示だけでなく、実際の競技会場でも活用されました。
11月16日のバレーボール会場では日本代表戦、11月24日の陸上競技会場では400mリレー決勝に合わせ、実況アナウンスや解説をリアルタイムで文字化し、観客に向けて提供しました。
こうした取り組みの背景には、これまでスポーツ観戦でPekoeを利用された方々から寄せられた声があります。
特に多かったのが、
「字幕を見るためにスマートフォンへ視線を移すと、その間にプレーを見逃してしまう」
というものでした。
この課題に向き合うため、今回のデフリンピックでは、スマートフォンでの字幕表示に加えて、スマートグラス上にPekoeの文字を表示する実証実験を行いました。
プレーを見ながら、文字も同じタイミングで確認できる環境が作れるかどうかを確かめることが目的でした。
実際に利用された方からは、
「試合と同じ視界で文字が見られるのはとても助かる」
「周りの応援風景や選手の動きを見ながら文字を確認できるので、自然に観戦できる」
といった声が寄せられました。
プレーと情報がひとつの体験としてつながることで、観戦中のストレスが減り、試合に集中できるという感想もあり、これまでの課題に対し改善の手応えを感じる結果となりました。


見えてきた課題と今後の検討点
一方で、今回の実証を通じて、文字情報の受け取り方には個人差があることも改めて感じました。
同じ字幕でも「十分に読み取れる」と感じる方がいる一方で、「文字量が多いと追いきれない」「短くまとめた表示のほうが見やすい」といった意見もありました。
特にスポーツ観戦では、試合の展開やスピード、周囲の応援など視覚に入る情報が多くなるため、字幕の表示量やタイミングが観戦体験に大きく影響します。
そのため、情報をどこまで表示するか、どの瞬間に表示するかなど、利用する人の状況や好みに応じた調整方法が今後の検討課題として残りました。
今回得られた声は、単に文字を提供するだけではなく、
「どの人にも負担なく使える表示設計とは何か」
を考える手がかりとなりました。
11月16日のバレーボールの取り組みは朝日小学生新聞にも紹介されました。
「手話の応援が熱戦をもりあげる こども記者が見たデフリンピック」
https://www.asahi.com/asagakuplus/article/asasho/16168063
これからも、Pekoeはさまざまな場面で「聞こえる・聞こえない」を越えた共有体験を支えられるよう、取り組みを進めていきます。
■Pekoeについて
https://pekoe.ricoh/