聴覚障がい者への情報保障好事例
情報保障の方法には一長一短がありますが、状況に応じて適切な手段を選ぶことが重要です。一つの手段に頼るのではなく、手話、要約筆記、音声認識を組み合わせることで、より包括的な情報保障が可能になります。今回はその好事例として2つのケースを紹介します。

CASE1 要約筆記+手話通訳付きリアル会場イベント
ここでは、リアル会場で要約筆記と手話通訳による情報保障を行った事例をご紹介します。このイベントでは、登壇者が口話または手話で発表する形式となっており、手話通訳者と要約筆記担当者が連携して情報保障を実施しました。

ここがポイント!
①資料と要約筆記それぞれのスクリーン配置が近い
資料が表示されるスクリーンと、要約筆記による文字情報が表示されるスクリーンを近くに配置することで、聴覚障がい者が視線を移動しやすくなり、疲労を軽減できます。
②要約筆記と手話通訳の併用による情報保障
要約筆記と手話通訳の両方を準備することで、参加者は自分にとって理解しやすい方を選択できます。聴覚障がい者が必ずしも手話が得意であるとは限らないため、選択肢を用意することが重要です。
③登壇者が手話を使用する場合にも対応
口話の場合
手話通訳者が壇上で登壇者の話を手話で表現し、要約筆記担当者はその内容を文字に起こしてスクリーンに表示しました。
手話を用いた場合
手話通訳者が登壇者の手話を読み取り、内容を口話で会場に伝えました。要約筆記担当者は手話通訳者の読み上げた内容を文字に起こしてスクリーンに表示しました。
CASE2 音声認識+手話通訳付きリアル会場&オンライン配信イベント
ここでは、リアル会場+オンライン配信で音声認識と手話通訳による情報保障を行った事例をご紹介します。イベントは、登壇者が資料を表示しながら発表する形式行われ、手話を第一言語とする聴覚障がい者や補聴器を使用している難聴者などが参加していました。音声認識には、聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス「Pekoe」が利用されました。
会場での音声認識+手話通訳による情報保障
1.音声認識で登壇者の声をテキスト化
登壇者の音声をリアルタイムで文字化し、資料の真横にテキストを表示しました。
2.手話通訳者の配置
資料スクリーンの横に手話通訳者が立ち、登壇者の話を手話に通訳しました。
3.質疑応答への対応
質問者にマイクを渡して、音声認識で質問内容を文字化して表示しました。


ここがポイント!
①資料と同じスクリーンに音声認識テキストを表示
資料と音声認識テキストが同じスクリーンに表示されることで、視線の移動が少なくなり、文字を読む負担が軽減されます。長時間文字を読み続けることに対する配慮が、参加者の体力消耗を抑える効果を生みました。
②手話通訳者の背後にも音声認識テキストを表示
手話通訳者の近くにも文字情報を表示することで、手話の「読み漏らし」があった場合にも内容を補完できます。この工夫により、話の流れを追いやすくなります。
③音声認識の誤認識をその場で修正
音声認識の誤認識があった場合、迅速に修正し正確なテキストを表示しました。少しの誤認識でも情報が分かりにくくなるため、リアルタイムで正確な情報を提供することが重要です。質問者自身も音声認識結果を確認し、必要に応じて発言を繰り返すなど、全員が意識をもって行動していました。
オンライン配信での音声認識+手話通訳による情報保障
オンライン配信はZoomで実施され、視聴者は手話通訳者と発表者の映像にピン止めをして表示することで、手話と音声認識テキストの両方を見やすい形で閲覧できました。

ここがポイント!
①話している人の映像が見える
話者の映像が見えることで、表情やジェスチャーなどの視覚情報がつたわりやすくなります。聴覚障がい者にとって、映像と文字をセットで確認できることは、内容理解を深める大きな助けになります。
②手話通訳者の全体の動きが確認できる
手話通訳者の体全体を映すアングルがオンライン視聴者の方に好評でした。手や体の動き、表情など、手話に必要な要素をバランスよく見ることができる工夫が評価されました。
③資料と話者の双方のウィンドウに音声認識テキストを表示
会場と同様、オンラインでも音声資料横や話者の近くにテキストを表示することで、視線の移動を最小限に抑え、参加者の疲労感を軽減しました。複数個所にテキストが表示されることで、参加者がそれぞれの状況に応じて情報を取得できるようにしました。
まとめ
好事例で紹介したイベントでは、リアル会場とオンライン配信で音声認識と手話通訳を組み合わせて情報保障を行いました。資料と同じスクリーンに音声認識テキストを表示し、手話通訳者の後ろにもテキストを表示するなどきめ細かい配慮で情報を分かりやすく伝えました。
様々な情報保障の手段を組み合わせることで、より包括的な情報提供が可能になります。これらのテクニックを活用し、すべての参加者が平等に情報を得られる環境を整えることが求められます。誰もが参加できるイベントを目指していきましょう!
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