みなさんは普段からオンラインサービスを利用しているでしょうか?
実は、聴覚障がい者はオンラインでコミュニケーションが必要になるサービスの利用をためらってしまう人が多いです。
聞こえないので相手が何を話しているのかわからない、相手に聞こえないことを伝える方法がわからない、聞こえないことを相手に理解されないまま話を進められてしまうのではという様々な思いや困りごとがあるからです。
「オンライン薬局」もこの困りごとが起きるサービスのひとつ。
オンライン薬局で薬を処方してもらうためには、薬剤師さんの説明をビデオ通話で受ける必要があります。
リコーで働く聴覚障がい者から「オンライン薬局」でPekoeを使ったお話を聞けたのでご紹介します。

1. オンライン薬局指定のビデオ通話に音声認識機能がない
オンライン薬局は以下の方法で利用しました。
事前に利用するオンライン薬局へ登録して、診察後に病院からオンライン薬局に処方箋を連絡してもらうと、受付完了と服薬指導を行う日時がメールで送られてきます。時間になったら、直前に送られてくるビデオ通話のリンクを開いて薬剤師さんから服薬指導を聞くというかたちです。
残念ながら指定されたビデオ通話には音声認識機能はありませんでした。これでは相手の話すことが文字化できないため理解できません。こちらから伝えるためのチャット機能はありました。

2. お願いするのは心理的負担が大きい
服薬指導開始時に、「聞こえないので音声認識をするため記録させて頂きます」とお断りをしたところ、ちょっと戸惑った風でしたが了承いただけました。聞こえないから音声認識をすることをお願いするのはかなり心理的負担が大きく、それも使うのをためらってしまう原因のひとつになります。
(*)聴覚障がい者の多くは音声認識を利用する時、相手の理解を得るために事前に許可を取っています。

3. 薬局の方がわかりやすい言葉で話してくれた
服薬指導中に使ったPekoe の音声認識自体はさほどおかしな変換もなく、割とスムーズに受けられました。 薬の名前など誤変換が多いかなと思ったのですが、 「おなかのお薬」など分かりやすい言い方で説明して下さっていたので、誤変換は少なかったです。

4. オンライン薬局側にPekoeを使ってもらえるといい
一番心配だったのはお薬名の誤認識で何を説明されているのか分からなくなるケースです。今回は幸いそのようなことはなかったのですが、お互いに認識違いはないか確認するため、Pekoe のリンクをオンライン薬局の薬剤師さんに共有して、誤認識があったら薬局側で修正をしてくれると助かるなと思いました。
聞こえなくて使うことをためらっている人は多いと思うので、オンライン薬局側に Pekoe を使ってもらえるといいなと思いました。

聴覚障がい者の方が気負うことなくサービスを利用できるようにしたい
今回、このお話を聞いてPekoeチームとして気づいたことや再認識したことがありました。
オンラインサービス1つを利用しようにも、思っている以上に聴覚障がい者の方は気を遣うことが多いこと、オンライン薬局での薬剤師の方がしてくださったように分かりやすく話すことが大事だということです。
Pekoeは少しでも聴覚障がい者の方が気負うことなくサービスを利用していけるように、オンライン薬局といったシーンでの利用も考えていきたいと感じました。
お話しくださった方、ありがとうございました。
■Pekoe公式サイト
https://pekoe.ricoh/
■Pekoe公式動画
https://www.youtube.com/watch?v=BniY040B3_I