聴覚障害者の強みとは?活かせる仕事や強みになるスキル・接客業は難しいのかも解説!

障害者の雇用が進み、これから新しい仕事やスキルを身につけようと考える方が増えてきました。
聴覚障害者の方のなかには、
「自分の強みを活かして働ける仕事や活かせるスキルを知りたい」
「接客業はできないのか?」
などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、聴覚障害者の強みを活かせる仕事やスキル、仕事を探すうえでのポイントを解説していきます。
これから新しい仕事にチャレンジしたい方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
聴覚障害者の強みとは?
聴覚障害者の強みは、「集中力が高い」「コミュニケーション能力が高い」などがあり、多くの場面で発揮されるスキルです。
障害には特性や個人差があり、得意なことや苦手なこともあります。
自分に合った職業を見つけて、ひとつの職場で長く仕事を続けるためにも、聴覚障害の特性を把握しておくことが大切です。
まずは聴覚障害者の強みとなるふたつの特徴を詳しく解説していきます。
集中力が高い
聴覚障害者は、集中力が高いことを評価されることが多いです。
作業中に雑音や騒音、周囲の話し声などが耳に入ってくると、どんなに集中力が高い人であっても、集中力が途切れてしまいます。
聴覚障害者の方は、このようなことがない、もしくは起きにくいです。
ひとつの仕事に打ち込めるため、デスクワークなどの集中力・正確性が求められる仕事に適性があります。
コミュニケーション能力が高い
聴覚障害者は、「伝えること」と「聞くこと」に優れていて、コミニュケーション能力が高い方がとても多いという事実があります。
その理由は、自分が聞こえない、または聞こえにくいからです。
聞こえの具合によって、自分が情報を得にくい状況にあるからこそ、相手の目線に立って情報を伝えることができます。
情報を得ることに関しても、耳以外で正しい情報を得ようとする意識が自然と高まっているので、正しく情報を受け取ることに優れています。
正しい情報をわかりやすく伝えることができ、自分でも正しい情報を得ることができる、という強みを活かして仕事を探してみるといいでしょう。
聴覚障害者の強みが活かせる仕事やアルバイトは?
聴覚障害者の強みが活かせる仕事やアルバイトには以下のような職種があります。
- データ入力
- オフィス事務
- Webライター・Webデザイナー
- エンジニア・プログラマー
- 手話講師
どの仕事も集中力や高いコミュニケーション能力を活かしてできる仕事で、活躍している聴覚障害者も多くいます。
これから新しい仕事や活かせるスキルを探している方はぜひ参考にしてみてください。
データ入力
データ入力の仕事は、パソコンの知識やスキルが必要ですが、専門職ではないため聴覚障害者の方でもチャレンジできます。
仕事内容は比較的簡単で、大まかなやり方を覚えれば、同じような作業の繰り返しなので、聴覚障害者の集中力を活かせる仕事のひとつです。
これまでは社内のパソコンでおこなわれていたデータ入力ですが、リモートワークを導入する会社も増え、在宅ワーカーへ外注委託することも多くなってきました。
データ入力の仕事は、働ける幅が広がっているので、会社にとらわれずにフリーで働きたい方にもおすすめです。
オフィス事務
事務の仕事は、接客や電話対応などをしなければいけないイメージがありますが、現在はパソコンの使用が中心となる業務も増え、聴覚障害のある方も多く活躍しています。
オフィス事務は内勤なので、コミュニケーション能力の高さを活かせる仕事です。
パソコンでの入力作業、郵便物や印刷物の受け渡し、資料の作成や仕分けなど、同僚や上司とコミュニケーションをとりながら仕事を進めます。
筆談や手話など、どのようにやり取りをするのかは事前に決めておく必要があります。
自分の障害特性を説明し理解してもらうことで、コミュニケーションもスムーズにとれるでしょう。
Webライター・Webデザイナー
Webに掲載する記事を執筆するWebライター、Webサイトを制作するWebデザイナーも聴覚障害者におすすめの仕事です。
パソコンの使用がメインとなるため、聴覚に頼らず業務を進められます。
ライターやデザイナーとして企業に就職して働くこともできますが、フリーで仕事を委託することもできます。
どちらにもメリットやデメリットがあるので、希望に合った働き方を選ぶといいでしょう。
在宅で働く際には、オンラインでの打ち合わせが多いので、参加方法などは事前に打ち合わせが必要です。
エンジニア・プログラマー
コンピュータ上で動かすソフトウェアなどのプログラムを組み立てるエンジニア・プログラマーとしても聴覚障害者が多く活躍しています。
基本的にパソコンに向かってコーディングをする作業やシステム構築などをおこなう作業になります。
そのため、他者とのコミュニケーションが少なく、人と関わることが苦手で、コミュニケーションが難しい方にはおすすめです。
スキルが必要ですが、一度スキルを身につければ長く仕事を続けられます。
手話講師
普段から手話を使っている方は、それ自体が強みとなって仕事につながります。
手話講師をしている聴覚障害者は多く、生徒の目線に立って教えることができるという点も強みのひとつです。
聴覚障害者のコミュニケーションをサポートする専門家として、聴覚障害者の社会参加を支えることができます。
聴力障害者情報文化センター主催の「手話通訳技能検定試験」に合格すると、手話通訳士としても活躍できるので、スキルアップも目指せる仕事です。
このように聴覚障害者でも、集中力や高いコミュニケーション能力を活かしてさまざま仕事で活躍できます。
このほかにも、聴覚障害者の方におすすめの仕事は多くあります。
聴覚障害者や難聴の方におすすめの仕事や資格は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:聴覚障害者におすすめの仕事11選!難聴でもできるパートや役立つ資格もチェック!
聴覚障害者に接客業は難しい?

飲食店やコンビニ、スーパー、ホテル、企業受付など、接客業には数多くの種類があり、文字どおりお客さまと接する仕事です。
多くのコミュニケーションをとらなければいけないので、聴覚障害者に接客業は難しいとお考えの方も多いかもしれません。
障害の程度やサポートツールの有無にもよりますが、実際には接客業で活躍する聴覚障害者の方は増えています。
例えば、飲食店の店員として働く場合、耳が不自由なことを示すバッジを付けるなど、聞こえないことをお客さまに早い段階で知ってもらうことが大切です。
「この店員さんは耳が聞こえないんだな」とお客さまに知ってもらうことで、メニューを指差しで注文したり、呼びかけを無視されたと誤解されることもなくなるでしょう。
コミュニケーションの手段を工夫することで、接客業など人と関わる仕事にも就けるようになります。
聴覚障害者の就職率は?
2021年の厚生労働省が発表している資料では、聴覚障害者の就職率は40.3%です。
これは、求職申し込み件数7,523件に対し、就職件数3,035件から算出された数値で、新型コロナウイルスの流行によって聴覚障害者の雇用率は一時的に減少しましたが、徐々に戻りつつあります。
障害者雇用促進法では、一定数の従業員数を超える企業に対し、法定雇用率を定めています。
法定雇用率を達成していない企業に対しては、罰金や罰則があるので、企業も障害者雇用には積極的です。
障害者雇用枠を設けている企業も増えてきたので、正社員として働くチャンスも増えています。
参考記事:(厚生労働省)第122回 労働政策審議会障害者雇用分科会議事次第
入社後のギャップやコミュニケーションをうまくとれないなどの理由から、障害者の離職率は高い傾向にあります。
就職した企業に求められる配慮や、聴覚障害者の離職率や定着のポイントは以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:聴覚障害者の雇用率は?離職理由や定着のために企業に求められる配慮も徹底解説!
聴覚障害者が身につけると強みになるスキルは?
聴覚障害者の方が就職や転職をする際に身につけておくと強みになるスキルもあります。
入社面接で、「このようなスキルがあります」と口頭で伝えるよりも、資格を持っていることで、説得力が強まり、アピール材料になるでしょう。
医療・福祉関係の仕事をしたい方は、薬剤師や社会福祉士・介護福祉士、教育関係の仕事では、発達障害学習支援サポーターや児童指導員などのスキルが役立ちます。
このほかにも、事務職を希望する方は日商簿記やMOSなどもおすすめです。
障害者の方の強みになるスキルや資格取得で役立つ支援サポートは以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:障害者の方の資格取得でおすすめは?就職や転職に役立つ資格や支援サポート制度もご紹介!
聴覚障害者が仕事で困ることとは?
聴覚障害者が仕事をするうえで困ることを4つご紹介します。
- コミュニケーション
- 電話での対応
- 音による状況把握ができない
- 体調不良が起こりやすい
仕事で悩みやストレスを抱えると体調不良となり、長く勤められずに退職の原因にもなるかもしれません。
実際の職場ではどのような困りごとがあるのか、詳しく解説していきます。
コミュニケーション
聴覚障害者にとってコミュニケーションでの困りごとは多く、ストレスに感じる場面もあります。
上司や同僚にわからないことを聞くのにもタイミングをはかれなかったり、会議や複数人での会話についていけないなどの問題もあります。
聴覚障害者は相手の口の動きを読んだり、なんとなく聞き取れた言葉から話の内容を読んで会話をしています。
会話のスピードが速いと話についていけないこともあり、疎外感を感じることもあるかもしれません。
筆談や手話、口話など、どのような方法でコミュニケーションをとるのか、あらかじめルールを決めておくことが大切です。
必要があればコミュニケーションツールなどを導入するのも効果的です。
電話での対応
オペレーターやコールセンターなどのように電話での対応がある仕事は、聴覚障害者にとって困難に感じる場面が多いです。
音声会話が中心となる業務はストレスの要因になりかねません。
社内での伝達事項は電話ではなくメールやチャット、コミュニケーションツールを使うのが効果的です。
聴覚障害者は、緊急の対応が必要な状況となっても、110番・119番などへの電話による通報ができません。
非常時に緊急ボタンは押せても、音声応答が必要なケースではその後の対処が困難になるため、あらゆるケースを想定して準備しておくことが必要です。
音による状況把握ができない
聴覚障害者は音による状況把握ができないので、その場に応じた適切な対応ができないことがあります。
職場では口頭の伝達や呼びかけが聞こえなかったり、全体の朝礼やミーティングの内容がわからないこともあるでしょう。
通勤時にも、交通機関のアナウンスや、車や自転車の音など、聞こえる人にとってはあたり前の情報が入ってきません。
音による状況把握ができないことで、周囲と同じように行動できなかったり、電車の緊急アナウンスが聞こえないため、遅延に気付かず遅刻するなどのトラブルが起こる可能性もあります。
体調不良が起こりやすい
体調不良が起こりやすいのは、聴覚障害者が仕事をするうえで困難なことのひとつです。
内耳に障害のある方は、めまいや吐き気などの不調が多いという特徴があります。
また、気圧や天候の変化の影響も受けやすく、体調不良になることも珍しくありません。
仕事で休みが続いたり早退が多くなると、体調不良を報告しにくくなり、我慢しているうちに悪化してしまう可能性もあります。
このように、聴覚障害者が仕事で抱える困りごとやストレスは数多くあるので、離職率を減らすためにも、職場ではさまざまな配慮が必要です。
具体的な対策などは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:聴覚障害者が抱える仕事のストレスや悩みは?離職理由や対策も解説!
聴覚障害者が仕事を探すうえで大切なポイント

聴覚障害者が仕事をするうえで大切なポイントは以下の6つです。
- 自分のスキルや能力を理解しておく
- 自分の障害の特性を相手がイメージしやすいように伝える
- 障害を理解してくれる企業を探す
- 障害者向けの支援機関を利用する
- 障害者への理解や設置状況について確認する
- 自ら働きやすい環境をつくることも大切
準備が不十分な場合は、企業側も効果的な配慮ができず、聴覚障害者が仕事をするのが困難な状況になります。
働き始めてから困らないように就職、転職前にしっかり準備していきましょう。
自分のスキルや能力を理解しておく
まずは、仕事をする際の自分のスキルや能力を理解しておきましょう。
入社面接では、企業が求めている人物像に沿った形で、仕事に直結するスキルや知識があれば積極的にアピールしていくことも必要です。
自分では何となく得意なことを理解しているつもりでも、実際に他者に伝えるとなると難しいものです。
まずは、これまでの自身の経歴をすべて洗い出してみましょう。
就職経験がある方は、これまでに勤めた企業や担当した業務、取得した資格や免許、実績などを振り返ります。
就職経験がない方の場合は、これまでの人生を振り返り、部活動や習い事、趣味などもふくめ、やってきたことや取得した資格などをあげてみます。
このステップをきちんとおこなうことで、自分でも見逃していた意外な長所や強みが出てくることがあります。
自分のスキルや能力を理解して、正しく他人に伝えられるように一度整理してみてください。
自分の障害の特性を相手がイメージしやすいように伝える
一般的に、聴覚に障害のない人は聴覚障害についてまったく知識のない人が多く、その人なりの偏ったイメージをもっている可能性もあります。
食い違いがあるまま過ごしてしまうと、少しずつコミュニケーションがとれなくなってしまうかもしれません。
自分の聞こえ方やコミュニケーションで配慮してほしいことは、なるべく具体的に説明し、事前に共有しておきましょう。
同僚や上司には、自分の障害の特性を相手がイメージしやすいように伝えておくことが大切です。
聴覚障害には等級が定められていて、それによって障害者手帳の種類が変わってきます。
詳しい内容を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:聴覚障害には等級がある?障害者手帳にも関わる判定基準や程度を詳しく解説!
障害を理解してくれる企業を探す
障害を理解してくれる企業を探すことで、入社後も安心して仕事ができます。
例えば、聴覚障害者が会議や打ち合わせに積極的に参加できるように、手話通訳者をつけたり必要なツールを導入するなどコミュニケーションの支援をしてくれる企業です。
このほかにも、バリアフリーな職場環境、通勤時間や在宅ワークでの配慮など、障害に応じて柔軟に対応してくれる企業が好ましいでしょう。
すべて要望どおりの配慮がかなわなくても、一部だけでも実現することで、聴覚障害があっても一人の社員として尊重され、それぞれの能力を最大限に発揮できるようになります。
多様性を尊重し、包括的な職場環境を整える努力をすることで、すべての従業員がより満足感をもって働くことができます。
入社を希望する企業が障害をどのくらい理解してくれるのか、会社訪問や情報収集をして事前に確認しておくことが大切です。
障害者向けの支援機関を利用する
ハローワークや障害者就業センターには、障害者の就職活動を支援する専門の職員がいるので、きめ細かい相談に応じてくれます。
就職や転職では、これらのような障害者向けの支援機関を利用するのがおすすめです。
求職者と企業の間に入って、入社後の企業に求める具体的な配慮を相談してくれたり、入社までのプロセスもサポートしてくれるので、選考中や入社後も安心です。
就労移行支援事業所や地域障害者職業センターでは、職業訓練や就職後の職場定着支援まで、障害者一人ひとりのニーズに応じた職業リハビリテーションを実施しています。
障害者の就業向けの支援機関は全国にも複数あるので、詳しい内容は以下の記事でご確認ください。
関連記事:聴覚障害者の働き方は?就職の支援機関や向いている仕事・必要な心構えも徹底解説!
障害者への理解や設置状況について確認する
聴覚障害者がストレスなく働くためには、周りの配慮やサポートが欠かせません。
職場での障害者への理解や設置状況について確認することで、入社後の誤解やトラブルを減らすことができます。
多くの聴覚障害者が必要とする支援はコミュニケーションに関するものです。
障害への理解を深めるために社内研修を実施したり、必要なときには機器や設備を導入してくれるのかなど、企業の配慮は事前に確認しておきましょう。
自ら働きやすい環境をつくることも大切
上司や同僚などには積極的に相談して、自ら働きやすい環境をつくることも大切です。
本人でなければわからないことも多いため、よかれと思ってしてくれた職場からの配慮が自分には合わない場合もあります。
気になることや改善してほしい点は申し出て、自分が働きやすい環境をつくりましょう。
例えば、来客に気付きやすいよう入口に近い席にする、雑音で聞こえづらくならないように音があまり反響しない場所を選ぶなどです。
ホワイトボードや掲示板などで情報を視覚化してもらうなどの日常的な協力を仰ぐことも必要です。
会議や打ち合わせ、大勢での会話ではコミュニケーションツールを使うことも検討してみてください。
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まとめ
今回の記事では、聴覚障害者の強みを詳しく解説しました。
集中力が高く、コミュニケーション能力に優れているという聴覚障害者の強みを活かして、仕事やアルバイトなど多くの場面で活躍できます。
便利なコミュニケーションアプリを使用したり、やり方を工夫することで接客業で働く聴覚障害者も増えています。
障害者雇用が促進され、職場ではさまざまな配慮を受けながら働くことも可能です。
今後も、自分のスキルや能力を活かした聴覚障害者の活躍が期待されます。
