障害者の方の資格取得でおすすめは?就職や転職に役立つ資格や支援サポート制度もご紹介!

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障害者の資格取得をイメージした画像

障害者の方が就職や転職をする際には、資格があると有利になる場合があります。

これから、資格取得を目指そうとしている障害者の方のなかには、

「障害者におすすめの資格や支援サポートを知りたい」

とお考えの方もいるかもしれません。

今回の記事では、就職や転職に役立つおすすめの資格や、資格取得のための支援サポートを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

障害者の方の就職や転職に役立つおすすめ資格

資格を持った障害者の方は、就職や転職において優遇される場合があります。

障害者雇用は全国的に広まりつつありますが、受け入れる企業によっては、障害者への理解が十分ではないことがあるかもしれません。

そのため、入社試験で自身の能力が正確に伝わりづらいこともあります。

口頭で「このようなスキルがあります」と言うよりも、資格を持っていることで、説得力が強まり、アピール材料になるでしょう。

これから就職活動をする障害者の方には、就職や転職に役立つ資格を取得することをおすすめします。

実際に、障害者の方が取得している資格には以下のようなものがあります。

  • 社会福祉士

社会福祉士とは、身体障害や精神障害のある人、日常生活を送るのが困難な人を支援する国家資格です。

日常生活のどのような場面で困っているか聞き取り、解決するためのアドバイスやサポートをします。

その過程で、関係機関と連携して仕事をおこなうこともあります。

社会福祉士は、障害者施設や医療機関など、福祉関係の施設への就職に有利になることが多く、福祉分野で仕事をしたい方におすすめです。

ただし、資格取得までにある程度の期間が必要なので、取得を検討している方は、早めに動き出すことが大切です。

  • 精神保健福祉士

精神保健福祉士は、社会的な問題や生活での不便、雇用問題などで困っていることを聞き取り、解決するためのアドバイスやサポートをおこないます。

社会福祉士と異なる点は、相談を受ける相手が、精神障害の当事者とその家族などに特化していることです。

精神障害を抱える人は増加傾向にあり、精神保健福祉士の需要は年々高まりつつあります。

精神保健福祉士も国家資格ですが、合格率は社会福祉士よりも精神保健福祉士の方が高い傾向にあります。

  • 公認心理士

公認心理士は、2017年に創設された比較的新しい資格です。

心の悩みを抱える人やその家族から悩みをヒヤリングし、解決に向けて支援策を模索したり、アドバイスやサポートをおこないます。

その人に合った解決方法を見出すために、面談や観察の過程で最適なサポートをするための分析も必要です。

資格の内容は、民間資格の臨床心理士とほぼ同じとされていますが、公認心理師は国家資格なので、より強くアピールできるでしょう。

新しい資格なので就職先は未知数ですが、現在の民間の臨床心理士と同じような職場への就職が期待されています。

  • 介護福祉士

介護福祉士は、日常生活に支障がある人の介護をおこなう専門職です。

試験に合格し、介護福祉士登録をすることで取得できる国家資格です。

介護福祉士は、サービス利用者が日常生活を送るために必要なサポートをするため、知識だけでなく、体力も必要とされています。

  • 薬剤師

国家資格である薬剤師は、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などをおこないます。

医師が出した処方を確認して正確に薬を調合するだけでなく、薬の副作用や併用薬など、患者の体質やアレルギー歴と照らし合わせ、問題なく服用できるかを確認する場合もあります。

個々の患者に合わせて、薬の効果や服用方法をわかりやすく説明する服薬指導も薬剤師の大切な仕事です。

  • 臨床発達心理士

臨床発達心理士は、発達的観点をもって、発達心理学をもとに支援をおこなう専門職です。

子どもから大人まで全世代を対象とし、発達に関する問題に取り組みながら、自立的な生活をサポートしたり、社会への参加をあと押しします。

職域は幅広く、地域に根差した活動もおこなっており、地域の人的な社会資源として活躍している職種です。

  • 発達障害学習支援サポーター

発達障害学習支援サポーターは、福祉施設職員・教師・保育士・臨床心理士・フリースクール教員・保護者などのさまざまな方が取得している資格です。

発達障害への関心の高まりとともに、発達障害者への専門的支援のニーズが急速に増大しています。
しかし、発達障害支援の専門知識を学べる機会や場は十分ではありません。

学校や障害者の受け入れを推進している企業では、対応に苦労している状況です。

この資格だけで、有利に就職するのは難しいかもしれません。

しかし、知識として身につけておくことで、ダイバーシティを推奨している企業などでは優遇される可能性があります。

  • 発達障害コミュニケーション指導者

発達障害コミュニケーション指導者は、発達障害入門講座とも呼ばれる資格です。

発達障害の基礎的な知識を習得し、具体的な支援計画の作成、相談や指導までおこないます。

難易度は、初級・中級・上級の3段階に分かれており、初級と中級であればオンライン講座による資格取得も可能です。

  • 特別支援教育士

特別支援教育士は、発達障害に関する分析・研究、指導計画の立案をおこなうための専門資格で、発達障害の心理的問題への対応力を備えることができます。

他の資格と違い、主に教育の現場で活用されている資格です。

資格を運営する、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会が独自に求人情報を公開しています。

  • 児童指導員

児童指導員は、児童福祉施設で生活する18歳以下の子どもを、保護者の代わりに面倒をみたり、健全な成長を促すサポートをする仕事です。

児童相談所や学校との連絡、保護者との面接、周囲との調整などをおこなうこともあります。

少子化の影響を受けているとはいえ、共働き家庭の増加により、放課後等デイサービスでは高い需要がある注目の職業です。

児童指導員は、任用資格といって、専用の資格試験を受けて取得するものではなく、「児童指導員として働いてよい」と公的機関が認めることで与えられる資格です。

一般的に、履歴書の資格欄には記載せず、資格よりも職種としての要素が強いものとされています。

  • 産業カウンセラー

産業カウンセラーは、職場で精神的な問題を抱えている人の相談や、解決にむけたアドバイスやサポートをおこないます。

精神面での相談だけでなく、キャリアカウンセリングや人間関係の構築などの相談を受けることもあります。

一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格ですが、知名度が抜群で、近年、企業からの需要が高まっている注目の資格です。

  • MOS

業種や職種を問わず人気の資格が、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)。

MOSは、ワードやエクセル、パワーポイントなどの、マイクロソフト社のパソコンスキルがどの程度あるのかを証明する資格です。

特にパソコンのスキルが問われるオフィスワークを希望している方が積極的に取りたい資格のひとつです。

  • 日商簿記検定

事務職の中でも専門性が高いのが経理職です。

経理職はどの業種にも必要とされる職種で、簿記のスキルは営業事務や一般事務職でも必要とされることがあります。

簿記スキルの証明として取得したいのが日商簿記検定です。

中小企業の場合、2級以上の取得が望ましく、一般企業だけでなく会計事務所への就職や転職に有利である点もポイントです。

  • 公務員

履歴書の資格欄に書く資格とは異なりますが、既定の試験を通過することで就職できる公務員という選択肢もあります。

公務員は、雇用や収入面で一般企業よりも安定しているイメージがあるため、人気のある職業です。

国の仕事に関わる国家公務員と、地域の仕事に関わる地方公務員とでは採用条件などの詳細が異なるため、あらかじめ詳細を確認しておくことをおすすめします。

  • ITパスポート

ITパスポートは、ITに関する基礎的知識を証明する経済産業省認定の国家試験です。

ITの知識は、技術者だけではなく幅広い層に必要であることから、2009年4月に新設されました。

今後ますます需要が高まるとされているIT業界で働きたい方には、ITパスポートはおすすめの資格です。

  • 普通自動車第2種免許

タクシーなど旅客の運送を目的として運転するためには普通自動車第2種免許が必須です。

普通車の運転教習では学べない知識を身につけられます。

例えば、介護が必要な方や目の不自由な方が乗車する際には、どのような配慮が必要なのかなどの専門的な知識を学ぶことができます。

資格取得には、運転歴が3年以上あることが条件で、知識だけでなく運転のスキルが求められる資格です。

障害者だと取れない資格がある?

障害者が取得できない資格をイメージした画像

以前は、視覚や聴覚の障害があると資格取得の試験を受けられない、すでに取得した資格でも、障害が発覚した場合は無効とされるなどの決まりがありました。

耳が聞こえない・知的障害がある・心の病にかかっているなど、障害や病気を理由に免許を交付しなかったり取り消すことができると定められたものが「障害者欠格条項」です。

しかし、障害者だと取れない資格があるのは、社会進出への妨げになるとされ、これまで度々問題視されています。

そのため、各省庁では欠格条項の見直しを進めてきました。

対象に指定した63制度について見直し作業を進め、約半分にあたる制度の見直し法案が2001年の通常国会で成立しています。

63制度のうち「免許を与えない」としていた資格は、「免許を与えないことがある」に変更されました。

参考記事:ふらっと相談室

知的障害者だと取れない資格は?

知的障害者だと取れない資格、または制限がある資格には以下のようなものがあります。

  • 自動車などの運転免許
  • 猟銃免許
  • 薬剤師免許
  • 医師免許
  • 獣医師免許
  • 火薬類取扱い

このような資格は、知的障害がある場合に取得できないことがあります。

精神障害者だと取れない資格は?

精神障害者だと取れない資格、または制限がある資格はこのようなものがあります。

  • 自動車などの運転免許
  • 警備員などの検定資格
  • 猟銃免許
  • 薬剤師免許
  • 栄養士免許
  • 理容師免許
  • 美容師免許
  • 製菓衛生士免許
  • 医師免許
  • 獣医師免許

参考記事:障害者に係る欠格条項の見直しについて

障害者でも資格取得して就職している実例

障害があっても、資格取得をして企業などに就職し活躍している方が大勢います。

特に障害者の方が活躍する職種や役立つ資格をご紹介します。

  • 事務職

仕事内容は多岐に渡りますが、決められた内容をルーティンでこなすものも多く、障害者の方でも自分のペースで働きやすいことがメリットです。

事務職の求人は未経験でも応募できるケースが比較的多いので、データ入力や経理業務、書類整理など、仕事内容を見て自分の得意な仕事かどうかを確認するとよいでしょう。

なかでも、多くの人手を欲している金融・保険業界やIT・通信業界などは、未経験者を受け入れていることが多く、障害があっても働きやすい環境が整っています。

また、事務職では、ほとんどの場面でパソコン操作が必要です。

高度なスキルが求められることはほとんどありませんが、タイピングのスキル、ワードやエクセルなどのマイクロソフト社のソフトが使えると選考でもアピールできるでしょう。

事務職は、その仕事が単体で完結するような仕事ではありません。

他の部署で働く人のサポートとして動いたり、会社とお客さまとの間に立って働くことが多い仕事です。

よって、コミュニケーション能力や柔軟性、積極性も求められます。

  • 開発・エンジニア職

IT業界の職種は多岐に渡りますが、未経験からでも活躍できるのが、IT技術を支える開発・エンジニア職です

ITは、Webやプログラミング、スマートフォンやアプリケーション、ビッグデータやAIなど、私たちの生活にも深く関係しています。

プログラマーやWebデザイナー、システムエンジニアなど、技術者としてのスキルは、就職には大変役立つ資格のひとつです。

さらに、障害者雇用枠でもIT人材の需要がおおいにあります。

スキルがあれば、一般的な障害者雇用の給料水準より高い収入を得やすく、将来性もあるので、未経験者であってもこれから目指すのにおすすめな業界です。

このように、障害があっても、スキルを身につけることで、企業で活躍する方は増えてきました。

どんな資格を選べばいい?

どんな資格を選べばいいのか迷ってしまう方も多いかもしれません。

資格には、どのような職種でも役立つ資格と、目指したい職種や業種で役立つ専門的な資格の2種類があります。

特にやりたいことが決まっていなければ、就職に役立つ資格を取得するのがいいでしょう。

今後は、IT業界や介護業界、運送業界などで人手不足が懸念されています。

しかし、資格を持っていれば必ず就職や転職に役立つわけではないのでご注意ください。

このような点を考慮して、自分の得意なことや特性を活かせる資格を探してみてください。

精神障害に関する資格も取れる?

障害をもっていても、精神保健福祉士・公認心理士などの精神障害に関する資格を取ることは可能です。

精神障害には症状が変動しやすく、一定の状態が保ちにくいという特徴があり、気分の浮き沈みが激しく、日常生活にさまざまな支障が生じることもあります。

仕事にも大きな影響が出る可能性があるため、精神障害者の就労では多くの懸念点があるとされ、就職に不利な状況が続いていました。

しかし、2018年に法定雇用率の計算に精神障害者もカウントされたことにより、精神障害者の雇用に積極的な企業も増えてきています。

それにともなって、職場の受け入れ態勢を整え、障害を理解するため、社員の精神障害に関する資格への関心も高まってきました。

精神障害に関する資格を取得したり、知識を深めておくことで、ダイバーシティに積極的に取り組む企業などから、セミナーや講習会の講師として依頼があるかもしれません。

障害者の資格取得には支援サポート制度がある?

障害者の資格取得の支援サポートをイメージした画像

障害者の資格取得にはさまざまな支援サポート制度があります。

そのひとつが、ハローワークが運営するハロートレーニング(障害者訓練)です。

ハロートレーニングでは、国、都道府県、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、民間教育訓練機関などが必要な連携を図りながら、職業訓練の実施、訓練技法の向上に取り組んでいます。

障害のある方を対象にして、その状況に配慮したきめ細かい訓練を実施しているので、受講を希望する方は、お近くのハローワークへお問い合わせください。

参考記事:厚生労働省「ハロートレーニング」

障害者職業能力開発校

資格を取得したいけれど何から始めたらいいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

そのような方には、障害者職業能力開発校がおすすめです。

障害者職業能力開発校は、障害者の方が社会で活かせる技術の習得を目的として国が設置している公共機関で、全国に設置されています。

通常、3ヵ月〜1年程度の通学が必要ですが、在職者向けの無料講習会が開催されることもあり、スキルアップのために活用できます。

開講されている科目は多種多様で、東京都の場合は全12科目を設置。

設置科目のなかには、ワードやエクセルなど実務で必要となるパソコンスキルや経理の知識を身に付ける「オフィスワーク科」や、広告や印刷関連の企業で役立つDTPの画像処理スキルが身に付く「グラフィックDTP科」などがあります。

最近では、プログラミング知識やアプリケーションの開発知識が学べる「ビジネスアプリ開発科」も人気です。

参考記事:障害者職業能力開発の概要

就労移行支援事業所

国の支援制度に、障害のある方の社会参加をサポートする障害者総合支援法があります。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。

一般企業への就職を目指す65歳未満の障害者を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートをおこないます。

就労移行支援事業所は、学校のように通いながら就職に向けた準備ができる施設です。

個別の支援計画に沿って、他の利用者と一緒に就職に役立つ知識や必要なスキルを学ぶこと、就職の準備、就労支援員に就職や体調に関する相談をするなど、必要なサポートを受けることができます。

参考記事:就労移行支援事業

まとめ

今回は、障害者の方におすすめの資格や支援サポート制度をご紹介しました。

スキルを身に付けることで、就職や転職で有利になることも多く、面接でのアピールポイントになります。

支援サポート制度も充実しているので、資格取得する際には、そちらの情報もあわせてご確認ください。

近年、障害者雇用を積極的に推進している企業が全国的に多くなってきているので、これから就職を希望する障害者の方の選択肢も広がりつつあります。

今回の記事が、就職や転職に向けて、資格取得を目指すきっかけになれば幸いです。