ファシリテーター資格のおすすめ3選!難易度や会議に役立つ研修・養成講座も紹介!

会議を円滑に進めるために注目されているのがファシリテーターという役割です。
プロジェクトリーダーを任せられ、多くの意見をまとめたり、コミュニケーション能力を磨きたいと思っている方のなかには、
「ファシリテーターのスキルをどうやって学べばよいのか?」
「どのような種類の資格を取得すればよいのか?」
などの疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
本記事では、ファシリテータースキルを学ぶための資格や難易度、研修や養成講座を詳しく解説します。
仕事でファシリテーションを活かしたい方は参考にしてみてください。
目次
ファシリテーターの資格とは
ファシリテーターの資格は、会議やワークショップ、グループディスカッションで、発言を引き出したり、問題解決や意思決定をおこなうためのスキルを持つことを示すものです。
一般的に特定の機関や団体が提供しているトレーニングコースや認定プログラムを修了することで資格を取得できます。
このようなプログラムでは、コミュニケーション能力、問題解決能力、ファシリテーションの役割や倫理規定などを学ぶことが一般的です。
資格を持つことで、組織やコミュニティ内でリーダーシップを発揮し、効果的な意思決定や問題解決プロセスを促す能力を高められるでしょう。
ファシリテーターには国家資格や公的資格がある?
ファシリテーターには、国家資格や公的資格などありません。
ただ、民間団体や企業が、独自の審査基準をもうけて任意で認定する民間資格はいくつか種類があります。
ファシリテーション資格を取得するための学びは、スキルを習得するのはもちろんのこと、会議や意見交換の場で積極的に活躍することにもつながります。
ファシリテーターには資格が必要?
ファシリテーターには特定の資格が必要というわけではないですが、適切なトレーニングや認定を受けることが一般的です。
ファシリテーションは、会議やワークショップを効果的に導くスキルなので、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力、問題解決能力や時間管理能力などが求められます。
このようなビジネスにおける重要なスキルを保有していることの証明にもなるので、ファシリテーターの資格は注目されています。
ファシリテーター資格のおすすめ3選
ファシリテーターにおすすめの民間資格講座は以下の3つです。
- 認定プロフェッショナル・ファシリテーター
- FITファシリテーター資格認定講座
- キャリアトランプ ファシリテーター資格認定講座
このような資格は、ファシリテーターのスキルの証明に役立つ可能性があるため、取得しておくとよいでしょう。
認定プロフェッショナル・ファシリテーター
「認定プロフェッショナル・ファシリテーター」は、IAF(The International Association of Facilitators)という国際団体が認定している、ファシリテーターのプロフェッショナルを認定する試験です。
資格取得は、ファシリテーターとしての基本的な適性能力の各要素を満たしていることを示す主要な指標です。
さまざまな状況で効果的なファシリテーションをサポートするためのスキル、知識、行動など幅広い分野を学ぶ必要があります。
国際試験のため、基本的に試験は英語で実施されていますが、開催されている国で受験ができます。
取得の流れと難易度
認定プロフェッショナル・ファシリテーターは、エントリーから資格取得まで5ヵ月ほどかかります。
- エントリー
ホームページで受験日程を決めたら申請書の提出と検定料の支払いをします。
- Stage1(書類選考)
書類審査用の申請書と経歴書を提出します。
- Stage2(面談2回・実技試験)
書類選考通過者は、1対2の面談がおこなわれます。
実技試験では、実際に自分の評価担当者をクライアントに見立て、テーマに沿ったクライアントとのやりとりを実践する試験です。
認定プロフェッショナル・ファシリテーターは、プロとしてクライアントから依頼を受けてファシリテーションを実践できる人材を目指しているので難易度は高いです。
書類選考では、これまでの実績や経験を問われるので、ファシリテーターの実績も重要となります。
これからプロフェッショナルのファシリテーターとして活躍したい方におすすめの資格です。
FITファシリテーター資格認定講座
一般社団法人日本プロカウンセリング協会が主催する講座に「FITファシリテーター資格認定講座」があります。
組織内のメンバーがそれぞれの役割や能力を発揮しチーム力を高めるプログラム「FIT(Facilitation Integrated Training)」の技法の習得を目指します。
行動科学の心理学理論に基づいた組織づくりを学ぶことで、自然な合意を引き出し、高いチーム力の形成に役立つでしょう。
ファシリテーションの基礎や理論、グループの問題点を瞬時に発見したり、自身の所属する組織に即運用できる実践的な内容を学べる講座です。
取得の流れと難易度
FITファシリテーター資格認定講座は、最短2日で取得できる資格です。
一般社団法人日本プロカウンセリング協会主催の、全9単位の2日間の講座に出席すると資格認定されます。
ファシリテーター基礎や理論の座学を学び、グループワークでは、ケーススタディや情報交換を通して広い視野を養えるでしょう。
学ぶ過程で資格が認定されるので、難易度は低く、ファシリテーター入門の方におすすめです。
参考記事:FIT ファシリテーター資格認定講座
キャリアトランプ ファシリテーター資格認定講座
Lifestyle Womanが主催するキャリアトランプ ファシリテーター資格認定講座では、人材支援の基礎を学べます。
キャリアトランプと呼ばれる特殊なカードを使うことで、ゲーム感覚で楽しみながら、コミュニケーション力、キャリアデザイン、モチベーションアップなどの実践ができます。
人の成長と可能性、肯定的な未来を描く支援を学ぶキャリアトランプの最もベーシックな講座です。
オンラインでも受講可能で、人材育成やキャリアの支援について基礎から体系的に学ぶことができるので、満足度が高く人気の講座となっています。
取得の流れと難易度
キャリアトランプが主催する基礎講座のカリキュラムを2日間受講すると、ファシリテーター資格を取得できます。
自己肯定感を上げていく未来を描くキャリアプランを学び、演習では自己理解と他社理解のグループワーク、ファシリテーションの基本などをゲーム感覚で学びます。
講座を受講するとファシリテーター資格が認定されるので、幅広い世代や職業の方が楽しみながら参加しています。
ファシリテーションの研修や養成講座もある?

会議を円滑に進めるファシリテーターの役割は、多様性が認められる現代ではとても重要とされています。
そのため最近では、ファシリテーションの研修や養成講座などが増えてきました。
ファシリテーションスキルの基礎から実践まで学べる研修を提供している企業も多く、集合研修やオンライン研修、1時間〜数日単位のものまで形態はさまざまです。
ファシリテーションスキルを社員に身につけてほしいと考えている研修担当者、チームをまとめる管理職など多くの人が参加しています。
ここからは、人気の研修や養成講座をご紹介します。
国際ファシリテーション協会
特定非営利活動法人「国際ファシリテーション協会」は、2003年に創設されました。
ファシリテーションの概念、ファシリテーションスキルや技術の普及促進のために、一般向けだけでなく、地方自治体や会社、各種公的団体などでワークショップを開催しています。
ファシリテーションは、大人だけの学びではなく、これから話し合いの経験が増える学生にも必要なスキルです。
そこで、国際ファシリテーション協会では、中学生でも理解できるファシリテーション研修のプログラムを1年かけてつくってきました。
「中学生でもわかるファシリテーション研修プロジェクト」とし、ファシリテーションの基本や本当に大切なものを抽出し、だれもが納得できる土台づくりを目指しています。
研修の答えは何かを示すよりは、参加者全員で研修をつくっていく、共通認識を持って取り組み解決することを目指しています。
参考記事:NPO法人 国際ファシリテーション協会
日本ファシリテーション協会
日本ファシリテーション協会は、ファシリテーションの普及を目的としたNPO団体です。
会議の進行で悩んでいる方向けに、「ファシリテーション公開セミナー」講座を開催しています。
ファシリテーション基礎講座は、公式サイトに公開されている開講予定の案内ページから予約して受講できます。
会議の事前準備から開始の場づくり、意見の引き出し方やまとめ方、合意形成に至るまでのファシリテーションプロセスを1日で学べる講座は、受講者数6,000名以上の人気の講座です。
基礎講座の受講生を対象に、継続的な学びの場を提供することを目的とした「アフターミーティング」を不定期に開催したり、より実践的な演習をおこなう「実践講座」も用意されています。
さらに、会議の進行やコミュニケーションに課題を抱えている企業からは、「ファシリテーションサポートプログラム」も人気です。
企業の研修や地域の課題解決、災害救援活動など多くの活動でファシリテーションが活かされるようにサポートしています。
参考記事:FAJ|特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会
その他のファシリテーター養成講座
日本能率協会(JMA)が主催している「ファシリテーション・スキル修得セミナー」は、会議やプロジェクト進行を効率的に管理するための講座です。
常に、中立的な立場でメンバーや参加者に適切に働きかけ、よりよい意見にまとめたり、問題解決を図ったりするための、組織活性化スキルを習得します。
企業の管理職やリーダーの方、部門間の調整を担う方など組織運営を効果的におこなうことを必要としている方から人気の講座です。
スキルを自己診断し、グループ演習を通して、自分のスキルに対するフィードバックを受けられるので、今後のアクションも明確になります。
参考記事:JMAマネジメントスクール
ファシリテーターには種類がある?
ファシリテーターは多くの意見を引き出しながら議論を進め、最終的に合意形成に導く存在です。
活躍の場は広がっていて、さまざまな分野でファシリテーターが活用されています。
会議などの組織活動では、雰囲気づくりや意見出し、結論づけまで会議ファシリテーターの存在が重要です。
社内にスキルを身につけた人がいなければ、外部から派遣することもあります。
教育などの公共機関で、参加者の学習を促進し、知識やスキルの獲得をサポートする「学習ファシリテーター」、チームの連携を高め、相互作用を向上させるために「チームビルディングファシリテーター」なども活躍しています。
最近では、対面だけでなくオンラインでの会議や商談が増えているので、今後もファシリテーターの活躍は期待されるでしょう。
ファシリテーターに必要な力とは
ファシリテーターにはさまざまな力が必要で、以下のようなスキルが求められます。
- コミュニケーション能力
参加者との効果的なコミュニケーションができることが重要です。
クリアで明確なメッセージを伝える能力や、参加者の意見や感情に耳を傾ける能力が必要になります。
- リーダーシップスキル
ファシリテーターは、議論を進行し、参加者を目標に向かって導く役割を果たします。
リーダーシップスキルを駆使してグループを誘導し、問題解決や意思決定をサポートする必要があります。
- 問題解決能力
ファシリテーターには、会議やワークショップで発生する問題や課題に対処する能力が求められます。
柔軟性を持ち、クリエイティブな解決策を見出す能力が必要です。
ファシリテーターに向いている人の特徴などは、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
関連記事:ファシリテーターとは?向いている人や役割・障がい者がいる場合のコツも徹底解説!
ファシリテーターとコーディネーターの違いは?

ファシリテーターとコーディネーターは共通する点も多いですが、コーディネーターは「調整役」、ファシリテーターは「議論を導く人」という異なる役割があります。
ファシリテーターは、グループの議論を促進し、中立的な立場を取り、参加者の対話を促し、参加者が自ら解決策を見つけることを支援します。
一方、コーディネーターは、活動やプロジェクトの全体的な計画や実行を管理し、組織やチームのメンバーが協力して、プロジェクトがスムーズに進行するように調整する役割です。
それぞれが、多くの場面や業界で活躍しています。
ファシリテーターと司会の違いは?
ファシリテーターと司会は、どちらとも会議やイベントの進行を支援する役割を果たしますが、そのアプローチや責任にはいくつかの違いがあります。
ファシリテーターは、会議を価値あるものにするため、参加者が意見を出しやすいように質問をしたり、ゴールに向けてアイデアを出すことも必要です。
司会者は、会議やイベントの進行を管理し、プログラムを時間通りに進行させる役割が大きいです。
イベントの開始や終了、話題の導入、参加者への案内、スピーカーの紹介など、イベント全体を進行しながら、観客との良好なコミュニケーション能力や、スムーズなプログラムの調整能力が求められます。
オンラインでのファシリテーターにはコツがある?
オンラインでのファシリテーターにはコツがある?
会議を有意義なものにするためには、会議の形式に合わせたファシリテーターのコツを理解しておく必要があります。
オンラインの環境では、画面越しの参加者に説明や指示を明確に伝えることが重要です。
さらに、参加者が自分の意見を会議に反映できるように、オンライン投票やチャット機能を使うことで、質問や意見を共有しやすくなります。
以下の記事では、オンライン会議の進行に必要なスキルを詳しく解説しています。
関連記事:ファシリテーターのコツは?オンラインの会議進行に必要な4つのスキルや工夫の事例も紹介
まとめ
今回の記事では、ファシリテーターにおすすめの資格をご紹介しました。
国家資格や公的資格はありませんが、民間団体や企業が認定する資格は多くあります。
資格取得のために、講座や研修に参加することは自身のビジネススキルアップにもつながります。
自信を持って会議を進めたり、コミュニケーションを円滑にとるためのスキルにもなるので、ファシリテーターの学びに興味のある方は資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
