聴覚障害者のいる職場で起こりやすいトラブルとは?企業ができる防止策や配慮を解説!

聴覚障害者を雇用するとき、職場では聴者とのコミュニケーションでどのようなトラブルが起こりやすいのかが気になる方も多いと思います。
聴覚障害者と聴者とのコミュニケーションで、トラブルを避けるために企業ができることはあるのでしょうか?
この記事では、聴覚障害者のいる職場で起こりやすいトラブルや、回避するために企業ができる防止策、配慮をご紹介します。
また、聴覚障害者が抱えやすいストレスや、聴者が感じる問題点などもご紹介するので参考にしてください。
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目次
聴覚障害者のいる職場で起こりやすいトラブルとは?
障害者雇用が進むなかで、職場に聴覚障害者を雇用する企業も増えています。
聴覚障害者を雇用する場合、職場で起こりやすいトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。
聴覚障害とは、耳が聞こえない(聞こえづらい)状態のことです。
聴者同士であれば、口での会話によってコミュニケーションをとることができますが、聴覚障害者とのコミュニケーションでは工夫が必要になります。
聴者と聴覚障害者との間でトラブルが起こりやすいのは、コミュニケーションをとりづらいことが原因のひとつです。
聴覚障害者のいる職場では、具体的にどのようなトラブルが起こりやすいのかをご紹介します。
気になる点を注意しづらい
たとえば、遅刻が多かったり予定通りに仕事が終わらないなど、勤務態度に気になる点がある場合は、改善するように指導をするのが一般的です。
障害の有無に関わらず、気になる点は注意する必要がありますが、障害者にはなんとなく注意しづらいと感じる人も少なくありません。
しかし、障害者にだけ特別な対応をすると、障害者自身も周囲もストレスを感じる傾向があります。
また、いざ注意しても、なかには都合が悪いことは聞こえないふりをする人もいるため、聞こえづらい相手にどう伝えればよいのかためらってしまうこともあるようです。
評価するのが難しい
通常、聴覚障害者は障害者雇用の規定に基づいて雇用されますが、通常の雇用とは異なるため、評価をするのが難しい傾向があります。
仕事をするうえでの特別な配慮も必要ですし、本人の希望や適正を考慮したうえで、配属先を決めるのが一般的です。
しかし、社会人としての仕事能力の観点から評価すると、障害者の能力を高く評価できない場合もあります。
仕事における能力での適正な評価であっても、耳が聞こえないことで差別されていると不満を感じる聴覚障害者もいるようです。
配慮することがあたり前と思われてしまう
企業が障害者を雇用する場合は、障害者一人ひとりにあった合理的配慮をおこなうことが義務付けられてきます。
例えば、耳が聞こえづらい聴覚障害者が会議に参加する場合は、聴覚障害者も会議の内容を理解できるような配慮が必要です。
企業側は雇用する障害者ごとに、合理的配慮をおこなう義務がありますが、その配慮をあたり前だと感じている障害者もいるようです。
しかし、企業側の配慮は、事業主が「過重な負担を感じない範囲で配慮する」と決められており、当然ながら障害者の要望がすべてかなう制度ではありません。
参考記事:(厚生労働省)合理的配慮指針(概要)
採用後に配属先が決まらない
障害者雇用率制度によって、従業員が一定数以上の規模の事業主は、法定雇用率として定められている2.3%以上(民間企業の場合)の障害者を雇用する義務があります。
法定雇用率を満たすために雇用したものの、採用後に配属先が決まらないケースも少なくありません。
障害者には、さまざまな配慮が必要なため、受け入れ体制が整えられなかったり、過去に障害者とトラブルになった前例から、配属予定先から断られてしまうのが主な原因です。
参考記事:(厚生労働省)障害者雇用のルール
聴覚障害者の行動は非常識なの?
耳に障害がない聴者にとって、とっさに聴覚障害者がとる行動を、理解できないこともあるかもしれません。
人によって捉え方はさまざまですが、聴覚障害者の行動は非常識なのでしょうか?
例えば、耳が聞こえづらい人が音声言語を話す場合は、話すときのボリュームが大きくなりがちです。
聴者は、その場の状況に合わせてボリュームを調節しながら話しますが、状況を判断しづらい聴覚障害者は発話のボリュームを調節できません。
周囲の状況に関係なく、大きな声で話してしまうため、非常識だと思われてしまうことがあります。
普段、音声言語を使っていると、耳が聞こえづらいことに気付いてもらえないのも理由のひとつです。
聴者には普通にできることも、聴覚障害者には簡単にはできないことがあり、そのために見た目には非常識と思われるような行動をとってしまう場合があります。
下記のリンク先では、聴覚障害者と聴者との行動様式の違いについてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:聴覚障害者は非常識?聴者との行動様式の違いについてまとめてみた
聴覚障害者が職場で困ることは?

聴覚障害者を雇用する場合、雇用する側だけでなく、雇用される聴覚障害者自身も困ることが多くあります。
雇用する側の合理的配慮によって、環境が改善されている部分もありますが、仕事やコミュニケーションにまったく支障がなくなるくらいに環境を整えるには時間がかかります。
仕事をしていくなかで何か問題があれば、その都度、双方が意見を交わして改善していくのがベストです。
職場で、聴覚障害者が具体的に困ることについてご紹介するので、参考にしてください。
必要な情報が入手できない
私たちは、日常的に多くの情報を聴覚によって得ています。
聴覚障害者の場合は、音による情報を入手しきれません。
障害の程度によって、補聴器をつければほとんどの音を聞き取れる人もいれば、補聴器をつけてもクリアに音を聞き取れない人もいます。
また、ろう者の場合はまったく聞こえませんし、音声言語を発話できない人もいます。
職場では会議に限らず、日常的に会話によるやり取りがあります。
しかし、聴覚障害者にとって周囲の会話を聞き取ることは困難です。
周囲で急な出来事や会話によるやり取りがあっても、気付くことができません。
必要な情報を入手できないため、聴覚障害者は、状況に応じた臨機応変な対応が苦手です。
コミュニケーションがうまくとれない
すべての人が聴覚障害について正しく理解しているわけではないため、コミュニケーションがうまくとれないことがあります。
聴覚障害者には、音が聞こえない「ろう者」と音を聞き取りづらい「難聴者」がいて、難聴者の音の聞こえ方は一人ひとり違います。
聴者のなかには、耳に障害があっても補聴器を使えば普通に会話できると思っている人もいます。
実際には、補聴器をつけたとしてもクリアに音を聞き取れない場合も多く、雑音の多さなど周囲の環境によって聞こえづらくなることがあります。
難聴者は補聴器だけに頼らず、話す相手の口元の動きを読む「口話」を使うなど、複数の方法を併用して言葉を読み取る努力をしています。
聴覚障害は、障害があることを、見た目からは気付かれづらい障害です。
聴覚障害者の困りごとや、聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑におこなうために、私たちができる配慮をご紹介している記事もありますので、そちらも参考にご覧ください。
関連記事:耳が不自由な人が困ることとは?聴覚障害者への必要な配慮も詳しく解説!
職場で必要な聴覚障害者への配慮
職場で必要な聴覚障害者への配慮をおこなう際に重要なのは、聴覚障害者をひと括りにせず、個々の障害の程度に合わせた配慮をおこなうことです。
ひと口に聴覚障害といっても、障害の原因・発生時期・生育環境などによって、聞こえ方やコミュニケーション方法に違いがあります。
聴覚障害者を雇用する際は、面接時には就労支援機関の職員などにも同席してもらい、意思疎通を図りながら、どんな配慮が必要かを把握することが大切です。
指示や連絡はメールや筆談にする
聴覚障害に程度の違いがあっても、基本的には音声言語によるやり取りは苦手です。
音声言語によるやり取りは、時間がかかるうえに誤解や間違いを起こしやすく、トラブルの原因にもなりかねません。
仕事の指示や連絡はメールでおこない、会話する際も筆談にするとコミュニケーションをとりやすくなります。
きちんと意思疎通できるため勘違いも減り、文字として記録も残せるので、あとからのトラブル防止にも役立ちます。
聴覚障害者との筆談の方法などについてご紹介している記事がありますので、参考にしてください。
関連記事:聴覚障害者との筆談で大切なことは?筆談の方法やメリット・デメリットも解説!
危険なことは視覚で確認できるようにする
私たちは日頃、想像以上に多くの情報を耳から得ています。
例えば、道路を歩いているとき、背後から近づく車や自転車なども、音によって判断していませんか?
聴覚障害者の場合、音による状況判断が難しく、災害時のサイレンの音なども聞こえづらい状況です。
職場や職種によって、その他にもさまざまな危険が身近にあると思います。
安全を確保するためには、危険なことは聴覚障害者自身が視覚で確認できるような配慮が必要です。
大切な情報をしっかり伝える手段を考える
聴覚障害者を雇用する際は、緊急時や災害時に限らず、社内の大切な情報もしっかりと伝える手段を考える必要があります。
例えば、何かあったときに情報を伝える担当者や伝える方法を決めておくのがおすすめです。
特に災害などで避難する必要が出た場合の対策は、サポートする側もされる側も、スムーズに動ける体制を準備しておきましょう。
トラブルを防ぐためにできる対策
聴覚障害者を雇用することによって生じるトラブルは、いろいろとありますが、防ぐための対策を講じることで未然に防ぐことができます。
障害の有無に関わらず、みんなが気持ちよく仕事をできる環境が理想的です。
できるだけトラブルを防げるようにできる対策をご紹介するので、参考にしてください。
心身の状態を把握する
聴覚障害者は、周囲とのコミュニケーションをとりづらいため、思うように業務が捗らない場合があります。
また、周囲の会話にも気軽に参加できないため、疎外感を感じる場合もあると思います。
聴覚障害者の不安や疎外感を取り除くために、定期的な面談の場などを設け、心身の状態を把握することが重要です。
また、聴覚障害者本人だけではなく、サポートを担当する社員の負担が大きい場合もあるので、担当者が気軽に相談できる環境を整えておくのもおすすめです。
社員全員が障害について理解する
聴覚障害者に配慮したりサポートするうえで大切なのは、事業主や担当者だけではなく、社内で関わる可能性がある社員全員が障害について理解することです。
社員全員が聴覚障害の特徴や不自由な点を理解することで、サポートがしやすくなるうえに聴覚障害者に対する偏見や勘違いもなくなります。
偏見や勘違いがなくなれば、コミュニケーションもとりやすくなるため、トラブルも減ります。
支援してくれる機関やサービスを利用する
社内でトラブルを防ぐための対策を講じても問題が改善しない場合は、障害者雇用を支援してくれる機関に相談するのがおすすめです。
地域のハローワークにも障害者雇用に関する専門職員や職業相談員がいるので相談できます。
また、職場でのトラブルを防ぐ方法として、聴覚障害者とのコミュニケーションをサポートするアプリを導入するのもおすすめです。
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聴覚障害者が職場で抱えやすい悩みやストレスって?
聴覚障害者が職場で抱えやすい悩みやストレスには、どのようなものがあるのでしょうか。
聴覚障害者は音による情報を得られないため、視覚による情報を頼りに生活しています。
公共の場所では、音声によるアナウンスが多く、聴覚障害者はリアルタイムの情報が得られないことが大きなストレスになります。
職場においても、周囲の音が聞こえづらいと雑談などにも入れないので孤立しがちです。
聴覚障害に対しての理解が足りない社員が多いと、社内での合理的配慮への意識も低くなり、不便を感じたり心ない言葉を投げかけられる場合もあります。
また、コミュニケーションをとれる十分な環境が整っていないと、気になることがあっても意見を述べられません。
下記の記事では、聴覚障害者の離職理由について書いていますが、約30%にあたる人が職場の雰囲気や人間関係が原因で離職しています。
聴覚障害者が継続して就労するためには、ストレスの少ない環境をつくることが重要です。
関連記事:聴覚障害者が抱える仕事のストレスや悩みは?離職理由や対策も解説!
職場で起こるコミュニケーションの問題はどんなもの?

聴覚障害者がいる職場では、聴者も聴覚障害者もそれぞれがコミュニケーションに問題を感じています。
聴者が聴覚障害者に対して正しく理解して、問題を回避する方法を講じていくことができればトラブルを避けられることがほとんどです。
まず、聴者・聴覚障害者ともに、どんなコミュニケーションの問題を抱えているのかをご紹介します。
聴者が感じるコミュニケーションの問題
聴覚障害者は、聴者と同じようにはコミュニケーションをとれません。
しかし、仕事を指示する側の聴者(上司や担当者)は、ほかの社員よりも反応が薄い聴覚障害者に対して、本当に理解しているのだろうかと不安になります。
また、聴者のように話しかけてこないことを不満に感じたり、やる気がないととらえる人もいるようです。
聴覚障害者とのコミュニケーション方法は、聴者とは違い、工夫が必要だったり時間がかかったりします。
それをわずらわしく感じる聴者もいて、わずらわしさが態度や言葉に現れてしまう場合もあり、余計にコミュニケーションがとりづらい環境をつくっている可能性もあります。
聴覚障害者が感じるコミュニケーションの問題
聴覚障害者が感じるコミュニケーションの問題は、私たちが想像するよりも複雑です。
例えば、聴覚障害者は、背後など自分の視覚の範囲外から呼びかけられても気付くことができません。
コミュニケーションをとる場合も、相手の言葉が聞き取れないと何度も聞き直しが必要になるため、自分から話しかけることを躊躇する傾向があります。
社内では、仕事の会話以外に雑談なども交わされますが、聴覚障害者は雑談に積極的に参加できません。
いざ雑談の輪のなかに入っても、複数人の会話を聞き取ることが苦手なためです。
このように、聴覚障害者は職場のコミュニケーションにおいて、さまざまな壁を感じています。
聴覚障害者が感じるコミュニケーションの問題について、さらに詳しくご紹介している記事がありますので、そちらもぜひ参考にしてください。
関連記事:聴覚障害者が職場で抱えるコミュニケーションの悩みは?理解しておきたい3つのポイントも解説!
トラブルの起こりにくいコミュニケーション環境をつくれる「Pekoe」
職場でのコミュニケーション問題を解決するために、聴覚障害者に対する理解や配慮を職場全体に浸透させるには時間がかかりますよね。
聴覚障害者とのトラブルが起こりにくい環境をつくるひとつの方法として、聴覚障害者向けのコミュニケーションサービスがあります。
聴覚障害者向けコミュニケーションサービス「Pekoe(ペコ)」は、会話をリアルタイムで文字化する音声認識ツールです。
複数人での使用にも適したツールで、共有URLがあれば誰でも参加できます。
音声認識で問題になる誤変換も、参加している全員がその場で修正対応できるのが最大の特徴です。
チャット機能もあり、質問や意見もその場で書き込めるため、聴覚障害者もミーティングに参加しやすくなります。
また、「いいね」などの機能も備わっているので、気軽にコミュニケーションがとりやすいのもポイントです。
Pekoeは無料のトライアル期間があり、公式サイトからアプリをダウンロードすれば、すぐに試すことができます。
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まとめ
職場での環境を整え仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーションは欠かせません。
この記事では、聴覚障害者を雇用する職場でのコミュニケーションの問題や、聴覚障害者と聴者の悩みなどをご紹介しました。
聴覚障害者を雇用するうえでの合理的配慮には、コミュニケーションをとるための環境整備も含まれます。
聴覚障害者や聴者のストレスを減らし、仕事の効率を上げるための方法として、聴覚障害者向けのコミュニケーションツールを活用してみてください。
