聴覚障害者との会話を支援する方法は?上手に活用してコミュニケーションを円滑に!

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聴覚障害者の会話支援をイメージした画像

聴覚障害者と一緒に働く際、どのようにコミュニケーションをとれば良いのか、お困りではないでしょうか。

会話が難しい場合、仕事での連携がうまくとれず、作業効率が低下する場合もあります。

本記事では聴覚障害者との会話を支援する方法や、聴覚障害者のためのツールやアプリもご紹介するので、上手に活用して円滑にコミュニケーションをとりましょう。

\聴覚障がい者向け音声認識ツール/

聴覚障害者はコミュニケーションにストレスを感じている?

耳が聞こえなかったり聞こえづらい聴覚障害者は、耳が聞こえる健聴者に比べ、日常生活のなかでストレスを感じやすいです。

そのなかでも、人とのコミュニケーションがうまくとれないことは、ストレスの原因の上位に該当します。

聴覚障害者が感じているコミュニケーションに関するストレスを、具体的にいくつか例に挙げました。

  • お店の店員に話しかけられてもわからない
  • 複数人の会話に参加しづらい
  • 電話ができない
  • 聴覚障害者であることを説明しなければならない

健聴者が当たり前にできることが聴覚障害者には困難であり、ストレスになってしまいます。

聴覚障害者の家族や会社の同僚など身近な方は、聴覚障害者が感じるこれらのストレスを理解し、どのような対処をとるべきなのかを考えなければなりません。

聴覚障害者との会話を支援する方法について

聴覚障害者は相手の声が聞こえない、または聞こえづらいため、音声での会話が困難です。

「補聴器をつけているから会話できるだろう」と思われがちですが、聴覚障害の状態によって聞こえ方は人それぞれであり、なかには補聴器をつけていても十分に会話ができない方もいます。

聴覚障害者とのコミュニケーション方法には主に手話、筆談、口話などがありますが、手話や口話は簡単にできるものではないため苦戦してしまう方も多いです。

そのような方のために、聴覚障害者との会話を支援する方法や支援機器があります。

聴覚障害者と会話をする機会のある方は、ぜひ支援方法を理解し活用してみてください。

意思疎通支援とは?

「意思疎通支援」とは、障害者総合支援法の地域生活支援事業に基づき、各自治体がおこなっている支援です。

聴覚障害者や言語機能障害などの障害者、難病をもつ方が周りの方との意思疎通をとれるよう支援するために、手話通訳者や要約筆記者などの派遣や、代筆・代読などあらゆるサービスをおこなっています。

意思疎通支援者はいずれも厚生労働省に基づく認定資格に合格した方や、指定された養成カリキュラムを受けた方なので、安心して意思疎通の役割を任せられます。

役所や病院での手続きや、講演会に参加する際など、あらゆる場面で利用でき便利です。

利用する場合は、役所の障害福祉課または福祉事務所などで登録が必要になります。

参考記事:意思疎通支援|厚生労働省

職場で使用できる支援機器は?

聴覚障害者のいる職場で使用できる支援機器をいくつかご紹介します。

機器名用途
ヒアリングループ磁気を利用し、雑音を除いて目的の音や声を音声信号として聞き取れるループ
会議用拡聴器話者がマイクに通した声を、難聴者が受信機で聞き取りやすくする補助器
筆談器磁気ボードや電池を使用するものなどさまざまな形状がある
呼び出し器単方向・双方向で呼び出しができる機器

会議の声を聞き取りやすくしたり、用事がある際に呼び出しができる機器など、さまざまなものが用意されています。

支援機器のなかには、職務に必要と認められた場合に貸出しているものもあるので、興味のある方はお住まいの市区町村にお問い合わせください。

参考記事:障害者支援機器の活用ガイドブック

聴覚障害者の主なコミュニケーション手段は?

聴覚障害者のコミュニケーション方法をイメージした画像

聴覚障害者の主なコミュニケーション手段は、以下のとおりです。

  • 手話
  • 指文字
  • 口話
  • 筆談

聴覚障害者には生まれつき耳の聞こえない「ろう者」、音声言語を獲得したあとに聴覚を失った「中途失聴者」、補聴器を使用して会話ができる「難聴者」などがおり、それぞれコミュニケーション方法も異なります。

聴覚障害者だけど手話ができない人、ある程度なら電話での会話ができる人などさまざまなので、初めは相手とどのような手段でコミュニケーションをとればよいか困ってしまうかもしれません。

まずは相手が普段どのような方法でコミュニケーションをとっているのかを理解し、できる限り合わせて対応するのがベストです。

手話や口話などは簡単に習得できるものではないので、すぐにできる筆談を使用するとよいでしょう。

関連記事では聴覚障害者とのコミュニケーション方法を詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:耳が不自由な人とのコミュニケーションは?大切ポイントを押さえ便利なツールも活用しよう!

聴覚障害者とコミュニケーションをとるポイントは?

聴覚障害者とコミュニケーションをとる際には、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 話す前に注意を引く
  • 相手の真正面から話す
  • ゆっくり丁寧に話す
  • 伝わりやすいように言い回しを工夫する
  • わかりやすいように身振り手振りを加える

イヤホンやヘッドホンをつけて耳が聞こえない状態を疑似体験してみると、どれくらいの速さや大きさで話せばよいのかがわかるので、ぜひ試してみてください。

関連記事でさらに聴覚障害者とのコミュニケーションのコツを理解できるので、こちらも併せてご覧ください。

関連記事:難聴者とコミュニケーションをとる際のコツは?すれ違う原因や難聴者の悩みも解説!

聴覚障害者が職場で抱えやすいコミュニケーションの悩みは?

聴覚障害者は日常生活のなかであらゆる悩みを抱えていますが、職場では特にコミュニケーションの悩みを抱えやすいです。

  • 大人数での会議に参加しづらい
  • 電話応答ができない
  • 呼ばれても反応できない
  • 同僚や上司との関係性が深められない

これらのように、職場でコミュニケーションがうまくとれないと、周りの雰囲気に溶け込めず孤立してしまう場合もあります。

身近にいる聴覚障害者の方も、コミュニケーションをとりたいのに思うようにいかず寂しい思いをしているかもしれません。

聴覚障害者とコミュニケーションを深めるためには、まず職場でどのような悩みを抱えているのか、何を援助すればよいのかを理解しましょう。

関連記事:コミュニケーションバリアフリーとは?聴覚障がい者の悩み・困りごとに寄り添える具体例も紹介!

関連記事も参考にして、聴覚障害者のために私たちにどのようなことができるのかを考えてみてください。

\聴覚障がい者向け音声認識ツール/

職場でできる聴覚障害者への配慮とは?

職場でできる聴覚障害者への配慮をいくつか例に挙げました。

  • できる業務とできない業務を理解する
  • 会議や打ち合わせの場では「チャット機能」や「文字起こし機能」のついたツールを利用する
  • 大人数での会議やプレゼンテーションの場合は前方の席を確保したり照明を調整する
  • メモ用紙や筆談器などを手元に置いておき、いつでもすぐに使用できるようにする

少しの配慮で聴覚障害者の働きやすさが大きく変化するので、取り入れられるものから始めていきましょう。

職場でできる配慮を詳しく知りたい方は、関連記事も併せてご覧ください。

関連記事:聴覚障害者に職場でできる配慮とは?障害者雇用への理解を深めて働きやすい環境作りを!

聴覚障害者との会話を支援するアプリやツールがある?

聴覚障害者との会話支援アプリをイメージした画像

さまざまな企業から、聴覚障害者との会話を支援するアプリやツールが開発されています。

今回はそのなかから以下の5つをご紹介します。

  • こえとら
  • VUEVO
  • UDトーク
  • しゃべり猫き
  • SureTalk

気になるものがあればぜひチェックしてみてください。

こえとら

こえとらは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発したスマートフォン向けのアプリです。

音声認識技術や音声合成技術を駆使し、聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションを円滑にしてくれます。

主な機能は以下のとおりです。

  • 日常会話で使用される単語やフレーズの文字変換
  • 生成されたテキストの音声変換
  • 絵や地図にピンをさして伝える機能

情報通信分野が得意な国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)によって開発された音声認識技術を利用しているので、より精度の高い文字や音声変換を体験できます。

こえとらは無料で提供されているので、誰でも気軽に始められるのもうれしいポイントです。

参考記事:聴覚障がい者等支援アプリ「こえとら」

VUEVO

VUEVO(ビューボ)は、ピクシーダストテクノロジーズの先端技術を生かして開発された聴覚障害者と健聴者のためのコミュニケーションサービスです。

主な機能は以下のとおりです。

  • 専用ワイヤレスマイクで360°全方向からの音声を集め発話者を特定する文字変換
  • AIを用いた自動要約
  • 記録が残る会話メモ機能

聴覚障害者はもちろん健聴者も使用できるサービスで、実際に使用している96%の方が役に立つと答えています。

有料ですがお試しで使用もできるので、試しに使用してみたい方はぜひ検討してみてください。

参考記事:VUEVO

UDトーク

UDトークはコミュニケーションのUD(ユニバーサルデザイン)を支援するために開発されたアプリです。

UDトークでは以下の3つのコミュニケーションの支援を実現します。

  • 音声認識、音声合成機能を使用した視聴覚障害間のコミュニケーション
  • 多言語音声認識、翻訳機能を使用した多言語コミュニケーション
  • 漢字かな変換、手書き機能を使用した世代間コミュニケーション

1対1の直接の会話から大人数の会議まで、さまざまな場面で使用できます。

無料で使用できますが、音声認識向上のために音声データの収集と再利用に協力する必要があるので注意が必要です。

参考記事:UDトーク

しゃべり描き

しゃべり猫きは、三菱電機が開発した外国人や聴覚障害者との円滑なコミュニケーションをねらいとしたタブレット・スマートフォン向けのアプリです。

話した言葉が自由に絵を描く感覚でリアルタイムで画面に表示され、筆談より手軽に操作できるのが魅力です。

また、描いた絵や画像と組み合わせて表示ができるため、文字だけでは伝えづらいことも表現しやすくなります。

CEATEC AWARD 2016でのグランプリ、グッドデザイン賞・ベスト100を受賞するなど評価が高い商品です。

参考記事:しゃべり描き®UI | 三菱電機

SureTalk

SureTalkはソフトバンクが開発した手話ユーザーと音声ユーザーの円滑なコミュニケーションを実現するためのサービスです。

手話と音声をその場でテキストに変換しながら画面越しで会話ができます。

端末のカメラを通し、AIが手話の動作を認識してテキストに変換してくれるため、話したい人といつでもコミュニケーションをとれるのがうれしいポイントです。

使用料は無料でソフトバンクユーザー以外の方も利用できるので、どなたでも気軽に始められます。

参考記事:SureTalk

さらに関連記事では無料で使用できる音声文字変換アプリをくわしくご紹介しています。

聴覚障害者とのコミュニケーションを深めたい方はぜひご参考にしてください。

関連記事:聴覚障害者向けの音声文字変換アプリ【無料】をご紹介!チームのコミュニケーションにもおすすめ!

職場で聴覚障害者との会話を支援する「Pekoe」

株式会社リコーは、職場で聴覚障害者との会話を支援する「Pekoe」を開発しました。

Pekoeは主に聴覚障害者と同じチームの方がともに働くシーンで活躍する、コミュニケーションサービスです。

Pekoeの主な機能は以下のとおりです。

  • 会話や些細な言葉を音声認識して文字化
  • リアルタイムでできる誤変換の修正
  • 過去の研修動画やプレゼンテーションなどへの字幕表示

会話の文字化だけでなく、誤変換があった際にはツールを利用しているすべての方が修正できるのが特徴です。

その場ですぐに修正できるため、誤認識の心配もなく1回で会話の内容を共有できます。

インターネット環境があればどなたでもすぐにセットアップできるのもPekoeのメリットです。

「Pekoe」の導入事例

Pekoeを導入している「株式会社オカムラ」様の事例をご紹介します。

株式会社オカムラ様は、聴覚障害者とのコミュニケーションをより深めることを目的にPekoeを導入されました。

以前は、

  • タイピングのみでは些細な会話や笑い声まで文字化できない
  • 文字起こし機能の誤変換で話の趣旨がそのとおりに伝わらない

などのお悩みを抱えられていましたが、Pekoe導入後は

  • 些細な会話もすべて文字化された
  • 文字起こしの誤変換がなく1度で趣旨が伝わった

と効果を感じていただいています。

音声認識の精度の高さや、誤変換があった場合でもその場で修正できる点にも評価をいただいています。

個人ではもちろん、チームでの利用にもぴったりのツールですので、興味のある方はぜひご検討ください。

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まとめ

聴覚障害者との会話を支援する方法やツール、アプリなどをご紹介しました。

耳の聞こえない聴覚障害者とのコミュニケーションは苦手意識を感じやすいですが、会話支援のサービスやツール、アプリなどを活用するだけでスムーズになります。

本記事でご紹介した支援方法を参考に、聴覚障害者との円滑なコミュニケーションを目指していきましょう。