難聴者とコミュニケーションをとる際のコツは?すれ違う原因や難聴者の悩みも解説!

聴覚障害に関すること
#難聴者
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難聴者とのコミュニケーションのすれ違いをイメージした画像

難聴者との会話で、なかなか言いたいことが伝わらなかった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。

難聴者の音の聞こえ方の程度は人によって違いますが、難聴者とコミュニケーションをとる際のコツを知っていれば、スムーズに会話したり、サポートの機会も増えます。

そこで、この記事では難聴者とコミュニケーションをとる際のコツをはじめ、会話がすれ違ってしまう原因や難聴者の悩みもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

\聴覚障がい者向け音声認識ツール/

難聴者のコミュニケーション方法には何がある?

難聴は音が聞こえづらい障害です。

人によって音の聞こえ方が異なるため、難聴者のコミュニケーションには主に5つの方法があります。

筆談文字を書いて会話する方法
口話聞こえる音声とともに相手の口の動きから言葉を読み取る方法
補聴器耳に装着することで声の音量や音質を調整して聞こえやすくする方法
音声認識ツールスマートフォンやパソコンの音声文字変換アプリなどのツールを活用して会話を文字化しながらしてやりとりする方法
手話手の動きを使って会話する方法

難聴者のなかで手話を使う人は限られていますし、すべての難聴者が補聴器を使っているわけでもありません。

人によって聞こえ方の程度はさまざまですが、多くの難聴者はまったく音が聞こえないわけではないので、音による情報の取得を自分の聴力に頼っています。

聞こえ方が十分ではないときは、筆談・口話・音声文字変換アプリなどを併用してコミュニケーションをとります。

音声文字変換アプリは、ダウンロードするだけで無料で使えるものも多く、複数人での会話にも活用できて便利です。

あらかじめインストールしておけば、街などで聴覚障害者が困っているときにも利用できます。

聴覚障害者向けの音声文字変換アプリは、下記のリンク先でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:聴覚障害者向けの音声文字変換アプリ【無料】をご紹介!チームのコミュニケーションにもおすすめ!

難聴者がコミュニケーションで困っていること

コミュニケーションに困る難聴者をイメージした画像

ほとんどの難聴者は、周囲とのコミュニケーションのとりづらさに困っています。

難聴者は音声言語を話せることが多いため、外見から障害があると気付かれづらい傾向があります。

背後などから声をかけられても気付かず、無視されたと誤解されるケースもあるようです。

難聴について理解がある相手の場合は、コミュニケーションの方法にも配慮してもらえるため、スムーズなやりとりが可能です。

しかし、職場や学校または公共の場などでは、面識のない相手ともコミュニケーションをとらなければなりません。

難聴者は会話する環境などによって、話をうまく聞き取れなくなる可能性が高くなります。

複数人での会話の場や騒々しい場所など、音がいくつも重なってしまう場所での聞き取りはとても困難です。

また、難聴者に限らず聴覚障害者全般に共通する困りごともあります。

共通する困りごとや、聴覚障害者に必要な配慮については下記の記事も参考にご覧ください。

関連記事:耳が不自由な人が困ることとは?聴覚障害者への必要な配慮も詳しく解説!

難聴者への電話はできる?

難聴の程度によりますが、難聴者が聴覚障害向けの福祉電話を利用している場合は、電話できます。

聴覚障害向けの電話機には、骨伝導によって聞き取る方式のものや、受話音量や話の速度を調節できる機能が備わったものがあります。

難聴者との通話での注意点は、はっきりとした口調でゆっくりと話すことです。

参考記事:(NTT東日本通信機器)耳のご不自由な方向け福祉電話

また、聴覚や発話に困難のある方向けの「電話リレーサービス」を利用して通話することも可能です。

電話リレーサービスは、公共インフラによって2021年7月よりサービスが始まりました。

聴覚障害者(聞こえない人)と聞こえる人の間に通訳オペレータが入り、通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を即時通訳するサービスです。

聴覚障害者は電話リレーサービスに利用登録すると、050からはじまる電話リレーサービス用電話番号の付与を受けます。

かける側は、相手が持つ電話リレーサービス用の電話番号にかければ、通訳サービスを介して電話できます。

参考記事:(一般財団法人日本財団)電話リレーサービス

コミュニケーションのすれ違いが起こる原因

難聴者と周囲とのコミュニケーションで、すれ違いが起こる原因は、お互いをよく知らないためです。

聴覚の有無に限らず、顔見知り程度の人とあいさつを交わすとき「自分はあいさつしたのに、相手からあいさつを返してもらえなかった」と感じた経験はありませんか?

大抵の場合は、相手がこちらからの声かけに気付いてないことが原因です。

たとえば、こちらからあいさつしたり声をかけた相手が、音が聞こえづらい難聴者だった場合、あいさつに気付かない可能性が高くなります。

難聴者は外見からは障害があると気付かれづらいので、知らずに普通に声をかけてしまった場合、難聴者は気付けません。

結果的に無視をしてしまった状況になり、悪い印象をもたれ敬遠されてしまう原因になります。

難聴者とのコミュニケーションで、お互いにすれ違った解釈を防ぐためには、難聴について理解し、相手の聴覚に応じて配慮することが大切です。

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難聴者とコミュニケーションをとる際の5つのコツ

難聴者とのコミュニケーションのコツをイメージした画像

難聴者とコミュニケーションをとる際は、つぎの5つのコツが役立ちます。

  • 話す前に注意を引く
  • しっかりと真正面で話す
  • ゆっくり丁寧に伝えるようにする
  • 伝わりやすい言い回しを工夫する
  • 身振りを加えたり文字にする

難聴者は、音声による情報だけで話を理解することが困難です。

ほとんどの人は、音声に加えて視覚情報を得られる方法を、複合的に使います。

5つのコツに共通するのは、難聴者の視覚を意識しながら話すという点です。

聴覚と視覚の両方から情報を伝えることで、相手は言葉を理解しやすくなります。

それぞれのコツを、難聴者とのコミュニケーションに役立てましょう。

話す前に注意を引く

音が聞き取りづらい人は、背後から話しかけられても気付けません。

難聴者に話しかける前には肩を叩くなどして、相手の注意を引いてから話し始めるとスムーズです。

人それぞれ聞こえ方は異なりますが、大きな声で話しかけても言葉として耳に届かず、逆に聞き取りづらくなってしまう可能性があります。

補聴器を使用している場合も、大きな音やいくつもの音が重なると、補聴器に音が反響してしまうため、言葉が聞き取りづらくなります。

難聴者は聴力だけに頼らず、口話などと併用して話を理解しているととらえ、相手の視界に入って話すことを心がけましょう。

しっかりと真正面で話す

自分の話す言葉を伝わりやすくするためには、難聴者の真正面で話すほうが良いでしょう。

口の動きから言葉を読み取る口話は、口の動きだけではなく前後の話の流れを加味して言葉を予測しながら聞き取ります。

難聴者の場合は、程度の違いはあっても音も聞こえるため、聴覚と口話を合わせて総合的に話を聞き取っています。

相手の耳に言葉を届けやすくするため、活舌よく話すと同時に、口の動きを意識して話をするようにしましょう。

多くの音が集まる騒がしい場所は、話が聞き取りづらくなるので、できるだけ静かな場所かつ、口元がはっきりと見える明るい場所での会話がおすすめです。

ゆっくり丁寧に伝えるようにする

難聴は音が聞こえづらい障害ですが、人によって聞こえ方はさまざまなので、音量を上げれば聞き取りやすくなる人もいれば、逆に聞き取りづらくなる人もいます。

難聴者の多くは、口話という方法を用いているので、できるだけゆっくりと丁寧に伝えるようにすると言葉を読み取りやすくなります。

特に耳に障害がなくても、相手が早口だと聞き取りづらくなるものです。

聴覚障害者は、音を聞く場合も口の動きを読み取る場合も、早いスピードの会話は苦手です。

できるだけゆっくりと話すように心がけてください。

伝わりやすい言い回しを工夫する

障害の有無に関係なく、聞いたことのない言葉や回りくどい言い回しは、伝わりづらいものです。

効率よく言葉を伝えるためには、言い回しに工夫をして話しましょう。

日常的によく聞く言葉を選びながら、要点だけをまとめて簡潔に伝えることが有効です。

流行り言葉など新しく耳にする言葉の多くは、言葉だけ聞いても理解できないものが多いので、避けたほうがいいでしょう。

仕事関連の会話になると、専門用語を使う機会も増えます。

専門用語を頻繁に使う場合は、主要な用語と意味が記載されている資料などを準備し、手元で確認しながら話すと、聞きなれない言葉があっても理解しやすくなります。

身振りを加えたり文字にする

難聴者のなかには口話を使わない人も多くいます。

自らが発話する言葉だけで伝わらないときは、話しながら身振り手振りを加えると伝わりやすくなります。

身振り手振りでは表現が難しく伝えきれないときは、ペンと紙などを使って文字化したり図に書いて説明する筆談もひとつの方法です。

筆談も、できるだけ簡潔にまとめて伝えるようにしましょう。

また、筆記する道具がその場にない場合は、手のひらに指で書いたり空書きをするだけでも伝わりやすくなります。

そのほかにも、聴覚障害者へのコミュニケーション時にできる配慮があります。

配慮について詳しく書いた記事がありますので、そちらも参考にしてください。

関連記事:聴覚障害者へのコミュニケーション時の配慮とは?私たちにできること

複数人でもリアルタイムに文字化できる「Pekoe」

仕事関連の会議やセミナーなど、複数人が参加する音声文字変換アプリでは、正確な文字変換と使い勝手の良さが求められます。

「Pekoe(ペコ)」は、チームで使うことに特化した聴覚障害者向けのコミュニケーションサービスです。

一般的なWeb会議ツールのように、お手持ちのパソコンにダウンロードするだけで始められます。

複数人での会話をリアルタイムで文字化できるうえ、問題視される誤変換に対しても、参加している誰もが即座に修正できる機能によって対応できます。

チャット機能も備わっているため、聴覚障害者もリアルタイムで質問や発言ができ、参加しやすいのがポイントです。

また、通信環境があればどこにいても接続できるため、オンラインでの会議やセミナーにも活用できます。

Pekoeは申し込み後、合計利用時間が100時間、もしくは開始から4週間までの期間、無料で試すことができます。

公式サイトよりアプリがダウンロードできますので、ぜひお試しください。

\聴覚障がい者向け音声認識ツール/

まとめ

難聴者とのコミュニケーションでは、言葉がうまく伝わらなかったり、受け取れなかったりとすれ違いが生まれます。

この記事では、難聴者とのすれ違いの原因やコミュニケーションをとるときのコツをご紹介しました。

うまくコミュニケーションがとれないと、お互いにストレスを感じてしまいます。

難聴者の音の聞こえ方は、個々に違いがあることを理解したうえで、いろいろなコツや方法を取り入れながら、コミュニケーションに活かしていきましょう。