コミュニケーションバリアフリーとは?聴覚障がい者の悩み・困りごとに寄り添える具体例も紹介!
「コミュニケーションバリアフリー」という言葉を耳にしたことはありますか?
障がい者を会社で雇用する際、身体面だけでなく心のバリアフリーにも寄り添うことが大切です。
ですが、具体的なコミュニケーションバリアフリーの内容がわからず、お困りではないでしょうか。
本記事では、コミュニケーションバリアフリーとは何なのか、さらに聴覚障がい者の悩みや困りごとに寄り添える道具もご紹介していくので、障がい者との関わり方を学びたい方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
コミュニケーションバリアフリーとは?
コミュニケーションバリアフリーとは、聴覚や視覚などに障がいをもっている方や高齢者、妊婦の方などのコミュニケーションバリア(障壁)をなくすという意味のある言葉です。
なかでも、周りの景色や文字を見たり音を認識するなど、当たり前と思われていることができない障がい者は、「コミュニケーション障がい」、「情報障がい」ともいわれることがあります。
これらのバリアを取り除いて、障がいをもった方でも不自由なく生活が送れるようにしようという狙いが、この言葉に込められています。
共生社会推進のために大切な心のバリアフリー
心のバリアフリーは、共生社会推進のために重要なバリアフリーのひとつです。
エレベーターや点字ブロックなど、道路や建物内にあるバリアフリーとは異なり、バリアを感じている相手の気持ちになって行動をおこすのが心のバリアフリーです。
心のバリアフリーを実践するためには、まずは周りにどのような心のバリアを感じている人がいるのか、どのようなバリアフリーの工夫が施されているのかに意識を向けてみてください。
意外と街中のあらゆる箇所にバリアフリーがあるので、新たな発見につながるかもしれません。
バリアフリーに気が付いたら、障がい者が気持ちよく利用できるように配慮してあげましょう。
心のバリアフリーのためにできる具体例は?
心のバリアフリーのためにできる具体例を、いくつか挙げていきます。
- 道路の段差で車いすの方が困っていたら、声をかけて押してあげる
- 電車でマタニティーマークをつけた人が前に立ったら、声をかけて席を譲る
- バスで杖をもった高齢者が優先席の前に立ったら、声をかけて席を譲る
- エレベーターに乗ったときにベビーカーの利用者が入ってきたら、場所を確保する
バリアがあり困っている人を見かけたら、「何かお困りですか?」「◯◯しましょうか?」と声をかけてみましょう。
いきなり行動に移されると驚いてしまったり不審に思う方もいるので、必ず声かけが大切です。
なかには、手伝おうと声をかけても断る人もいるかもしれませんが、がっかりせず相手の気持ちを尊重してあげてください。
聴覚障がい者のために私たちができること
聴覚障がい者のために私たちができることは何でしょうか。
まずは、聴覚障がいの特徴や、聴覚障がい者が抱える悩みや困りごとへの理解が大切です。
耳が聞こえない状態での生活は、耳が聞こえる人には想像しづらく、想像以上にバリアが多いです。
どのような悩みをもっているのかを理解すれば、状況に合わせた対応ができます。
もうひとつは、聴覚障がい者とのコミュニケーション方法を知り実践することです。
耳の聞こえない相手とコミュニケーションをとるのは難しいと思うかもしれませんが、簡単に意思疎通できる方法はあります。
積極的にコミュニケーションをとろうとする姿を見れば、聴覚障がい者の方も心が温かくなるかもしれないので、ぜひ実践してみましょう。
聴覚障がい者がコミュニケーションで抱えやすい悩みは?
聴覚障がい者は、コミュニケーション時に以下のような悩みを抱える方も多いです。
- 呼びかけに気付かないことがある
- 確認や質問がしづらい
- 複数人での会話に参加しづらい
- 会話に割り込んでしまうことがある
名前を呼ばれても気が付かない、会話の内容がわかりづらいなど、耳が聞こえる人には何の問題もないことが、聴覚障がい者にとっては悩みの種となります。
聴覚障がい者が抱えるコミュニケーションの悩みは以下の関連記事で詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
関連記事:聴覚障害者が職場で抱えるコミュニケーションの悩みは?理解しておきたい3つのポイントも解説!
聴覚障がい者が生活で困ることは?
聴覚障がい者は生活するなかで、以下のようなさまざまな困りごとがあります。
- 周りの情報を捉えるのが難しい
- 生活音が聞き取りづらい
- 緊急時の判断が難しい
- 外見から障がいがあることに気付いてもらえない
外見だけでは障がいがあると判断されづらい聴覚障がい者は、「無視された」「言動がおかしい」などと余計に誤解されやすいのが現実です。
聴覚障がい者が困っていたら、何に困っているのか、どのような手助けをすればよいのかを聞いてみてください。
聴覚障がい者が困ることは、以下の関連記事も併せてご覧ください。
関連記事:耳が不自由な人が困ることとは?聴覚障害者への必要な配慮も詳しく解説!
聴覚障がい者とコミュニケーションをとる工夫は?
「手話はできないし、聴覚障がい者とコミュニケーションがとれるか心配」
と思うかもしれません。
ですが、聴覚障がい者とコミュニケーションをとる方法は、手話以外にも以下のものがあります。
- 口話
- 筆談
- 指文字
相手の聴覚障がいの特徴や、コミュニケーションをとる場面などに合わせて使い分けてみてください。
聴覚障がい者とのコミュニケーション方法は、以下の関連記事でも詳しくご紹介しています。
関連記事:耳が不自由な人とのコミュニケーションは?大切ポイントを押さえ便利なツールも活用しよう!
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コミュニケーションバリアフリーの具体例は?
コミュニケーションバリアフリーの実現に向けて、さまざまな動きがみられています。
- 対話型AI手話コミュニケーションシステム
- 相手の口元が見える透明マスク
- 視覚障がい者がより情報を読み取りやすい腕時計
など、聴覚障がい者や視覚障がい者のためのバリアフリー機能が搭載された道具は年々増加しています。
さらに、コミュニケーションバリアフリーの推進事業を進める企業も出てきました。
コミュニケーションバリアフリーがさらに広がれば、障がい者や高齢者、妊婦など誰もが暮らしやすい社会を目指せます。
塩野義製薬の「コミュニケーションバリアフリープロジェクト」
塩野義製薬では、「聞こえない人の医療機関の困難をなくす」をテーマにしたコミュニケーションバリアフリープロジェクトをおこなっています。
プロジェクト内容の1部は下記のとおりです。
聴覚障がいをもつ従業員に向けた内容
- 啓発セミナー・アプリ(UDトーク)の導入などを通した聴覚障がい者の従業員も働きやすい環境づくり
- 従業員と一緒に課題に取り組む仕組みづくり
医療従事者に向けた内容
- 聴覚障がい者の特性や困りごとを理解するセミナーの実施
- 啓発資材の制作と配布・配信
聴覚障がいをもつ患者に向けた内容
- 聴覚障がい者それぞれが望むコミュニケーションツールの制作
- 啓発資材の制作と配布・配信
これらのプロジェクト活動は、塩野義製薬の生産性が向上する、医療従事者と聴覚障がいをもつ患者がコミュニケーションをとりやすくなる、患者の内服に関するコミュニケーションバリアを解消するなどを目的としています。
参考記事:コミュニケーションバリアフリープロジェクト – 塩野義製薬
リコーが提供するコミュニケーションバリアフリーのためのツール
次に、リコーが提供するコミュニケーションバリアフリーのためのツール「Pekoe」をご紹介します。
Pekoeは、聴覚障がい者のために開発されたコミュニケーションサービスです。
聴覚障がい者が会議やミーティングに参加する際に困るのが、会話や発言内容をその場ですべて理解するのが難しいことです。
周りの同僚や上司がチャットや筆談でサポートすることも可能ですが、サポート者に負担がかかったり話を聞き逃してしまい、結果チーム全体の生産性が下がるデメリットもあります。
Pekoeは、会議の内容をリアルタイムで文字化しパソコン画面に表示します。
文字起こしだけでなく、誤変換があった場合でもアプリの参加者なら誰でもその場で修正が可能なため、内容を正確に理解できるのがメリットです。
アプリをインストールしてアカウント設定するだけで誰でも気軽に始められるので、聴覚障がい者と働いている方は、ぜひ使用してみてください。
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まとめ
コミュニケーションバリアフリーの内容や具体例を詳しくご紹介しました。
心のバリアフリーは、相手の気持ちを考えて行動することが大切です。
まずは、聴覚障がい者などバリアを感じている人がどのような悩みをもち、どう配慮すればよいのかを理解しましょう。
Pekoeをはじめとするコミュニケーションバリアフリーのためのツールもたくさんあるので、ぜひそちらも活用してみてください。
