マイノリティの種類は?女性と男性だけではない性別を詳しくまとめてみた

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マイノリティの種類のイメージ画像

マイノリティの種類は、どのようなものがあるのか知っていますか?

今回の記事では、マイノリティの種類、女性と男性だけではない性別を詳しく解説します。

なんとなく意味は知っていても、マイノリティを具体的にイメージするのが難しいと感じている方も多いかもしれません。

多様性が求められる社会で、ご自身の理解を深めるきっかけになれば幸いです。

マイノリティの種類

まずは、マイノリティの種類がどのように分類されるのか解説していきます。

マイノリティとは、「社会的少数者」を意味します。

社会的少数者とは、多くの視点から見たときに社会のなかで少数派であるという考え方です。

このことが原因で、周囲から差別や偏見を受けやすい人や集団のことを、マイノリティと呼びます。

私たちの社会には、次のようなマイノリティが存在します。

  • 社会的マイノリティ
  • 性的マイノリティ
  • ノイジーマイノリティ

3つのマイノリティの内容を詳しくご紹介します。

社会的マイノリティ(ソーシャルマイノリティ)

社会的マイノリティとは、広い視点から社会的にマイノリティと判断される人を指します。

例えば、外国人住居者、障がい者、宗教信仰、貧困層などです。

近年では、新型コロナウィルス感染症をめぐった差別・誹謗中傷も確認され、感染者や家族が根拠のない差別を受けた例があります。

性的マイノリティ(セクシュアルマイノリティ)

性的マイノリティ(セクシュアル)は、性のあり方が多数派と異なる人たちのことです。

このような人々は、公共サービスを受けるうえでの困難や、いじめの対象になりやすいなどの不利益を被っています。

日本の法律では、結婚を認められるのは、戸籍上の性別が異なる二人の間のみです。

少しずつ、同性・両性愛者や性別違和について、私たちの理解が深まってきているものの、性のあり方は、引き続き社会全体で取り組む必要があります。

ノイジーマイノリティ

ノイジーマイノリティとは、日本語に直訳すると「声高な少数派」で、声だけ大きい少数派を意味する言葉です。

最近では、目立つが少数である者・少数派は声がでかい、などと悪い意味で使われることが多く、声高からかに騒ぎ立てる影響力が高い集団を意味しています。

ノイジーマイノリティは、一般の人々の意見で、世論のように受け止められてしまいますが、実際には限定的で、社会全体をみた場合には低い比率の集団です。

マイノリティの意味は、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:マイノリティの意味は?種類や使い方の具体例をわかりやすく解説!

身近にある社会的マイノリティの種類

私たちの身近にある社会的マイノリティの種類には、このようなものがあります。

  • 障がいや病気をもっている
  • ハーフの人や外国人
  • 宗教や思想の違い
  • 言語の違い

どのような種類があるのか、注意点を整理しておきましょう。

障がいや病気をかかえる人

身体的・知的・精神的な障がいや病気をかかえる人は、そうでない人に比べ、さまざまな差別や偏見を受ける可能性があります。

障がい者は日常生活に制限があるだけではなく、就労や地域活動などの社会参加をする際にも差別を受けやすい立場にあります。

また病気をかかえる人も差別の対象となりやすく、過去には、ハンセン病やエイズなどの患者・その家族が、根拠のない差別を受けてきたなどの例がありました。

参考記事:ハンセン病患者・元患者やその家族に対する偏見や差別をなくそう

ハーフの人や外国人

ハーフの人や外国人も、差別や偏見を受けやすく、ルーツが原因で生きづらさを感じている人も少なくありません。

多くの場合、言語、文化、宗教、生活習慣の違いやこれらへの無理解から、外国人に対する差別や偏見がみられます。

さらに、外国人という理由で、住宅の賃貸や商店などの入店を断る、就労に関して不合理な扱いをするなどの事例がありました。

このような閉鎖的な態度や差別は、外国人の人権を傷つけることになります。

参考記事:外国人の人権を尊重しましょう

宗教や思想の違い

宗教や思想の違いでもマイノリティが存在します。

日本人にとって、意識することが少ないマイノリティかもしれません。

しかし、特定の宗教を信仰している人にとって日常的な宗教的行動である、寺社への参拝や礼拝への参加が、偏見や差別の対象とされてしまう可能性があると考えられます。

特に、国内ではイスラム教信者への差別も確認されています。

言語の違い

言語の違いによるマイノリティは、こちらの2つに分けられます。

  • 日本国有の言語

日本には、いわゆる標準語のほかに、方言や琉球語、アイヌ語などの言語があり、これらはマイノリティ言語と呼ばれることもあります。

明治時代には、アイヌの同化政策、琉球語の方言札の活用など、標準語への統一がはかられた時代がありました。

この結果、各地の独自の文化衰退にもつながったといわれています。

  • 外国から日本にきた、日本語が不自由な人たち

日本では、世界中の国や地域の人が生活しています。

日本の暮らしの中では、その人たちの多くが言語的なマイノリティであり、不自由を感じることがあります。
就学や行政サービスでは、多言語、やさしい日本語での情報提供などの、情報格差の是正が進められています。

参考記事:マイノリティとマジョリティの違いは?日常での使い方や具体例も徹底解説!

性的マイノリティ(セクシュアルマイノリティ)の種類

性的マイノリティの種類のイメージ画像

性的マイノリティ(セクシュアルマイノリティ)の種類を解説していきます。

性の多様化と、それに対する認識が広まってきたことにより、性的マイノリティは増え続けています。

これまで、性的マイノリティであることを自認できなかった人が、自身がそうであると理解できるような社会になってきました。

世界では、LGBTを含む、多様化する性的マイノリティへの対応が進められています。

日本でもこのようなマイノリティへの対応や配慮が課題で、法整備などが必要不可欠です。

LGBT

LGBTは、性的マイノリティを表す1つの言葉として使われています。

性的マイノリティは、大きくこの2種類に分けることができます。

  • 性的指向

どのような性別の人を好きになるか

  • 性自認

自分の性をどのように認識しているのか

LGBTは、この2つが一致していても恋愛対象が一般とは異なる、または身体の性と心の性が一致せず、違和感を抱いている人が該当します。

L(レズビアン)

L(レズビアン)とは性的指向の1つです。

身体の性と心の性は女性ですが、恋愛対象が男性ではなく女性である、女性の同性愛者を表す言葉です。

G(ゲイ)

G(ゲイ)とは性的指向の1つです。

身体の性と心の性が男性ですが、恋愛対象が女性ではなく男性である、男性の同性愛者を表す言葉です。

B(バイセクシャル)

B(バイセクシャル)は、レズやゲイと同じく性的指向の1つですが、異なる点があります。

それは、身体と心の性は一致しているものの、恋愛対象が女性にも男性にも向いている、両性愛者を表す言葉です。

T(トランスジェンダー)

T(トランスジェンダー)は性自認の1つです。

身体の性は男性でも心の性は女性、または身体の性が女性であっても心の性は男性というように、身体と心の性が一致しないため、身体の性に違和感を持つ人を表します。

このような人々の多くは、心の性に沿って生きたいと望んでいることが多いとされます。

性別の種類は女性や男性だけではない

性別の種類は女性や男性だけではないと考えられます。

性自認と身体構造上の性は関係がなく、身体が男性で性自認が男性もいれば、身体が男性で性自認が女性もいます。

男性でも女性でもある、場合によっては男性・女性、どちらでもある・ないなど、性別は2種類だけには分けられません。

性や愛の形を正しく知って、一人ひとりが自分らしく生きられ、他者を認め合える社会を目指していくためにも、マイノリティの正しい理解が必要です。

性を決める4つの要素

性別の種類は、男性・女性の2種類だけではありません。

組み合わせによって、多様な性のあり方が存在し、セクシュアリティが異なります。

性を決める4つの要素は、このようなものがあります。

  • 身体的性
  • 性自認
  • 性的指向
  • 性表現

それぞれを詳しく解説します。

身体的性

生まれ持っての身体的性は、性を決める要素の一つです。

生物学的に決まっている性の要素で、いちばん分かりやすいかもしれません。

性自認

性自認とは、本人が自分の性をどう認識しているかです。

身体は男性でも自分のことを女性と認識していたり、身体は女性でも自分のことを男性と認識しているなど、身体的性と性自認が異なる場合もあります。

性的指向

性的指向とは、どのような相手に恋愛感情や性的感情を抱くかということです。

例えば、身体的性や性自認が女性の場合、性的指向の対象は男性の場合が多数ですが、この対象が女性という場合もあります。

性的マイノリティのなかでも、性的指向は、一般的にイメージしやすいものかもしれません。

性表現

自らをどのような性表現したいのかも、性を決める要素です。

学生の制服では、男性はスラックス、女性はスカートなどの校則が変わりつつあります。

多様性を認めて、どちらでも好きな方を選べるような性表現が採用されるようになってきました。

参考記事:性の多様性についての基礎知識

58種類の性別の選択肢があるアメリカ企業

性別の選択肢があるアメリカ企業のイメージ画像

日本で、LGBTは広まりつつあるものの、多種多様なマイノリティの認識はアメリカほど進んでいるとはいえません。

実は58種類の性別の選択肢があるアメリカ企業も存在します。

58種類が多いと感じてしまう方がいるかもしれませんが、さらにこれから増えていく可能性もあるかもしれません。

ここでは、その中の一部をご紹介します。

  • Agender 無性別者と呼ばれるセクシュアリティ
  • Androgyne 両性で、男性・女性の身体的区別ができないセクシュアリティ
  • Bigender 両方のジェンダーを自認しており、男性・女性を切り替えているセクシュアリティ

アメリカでは、それぞれ自らのマイノリティにプライドを持っていて、性を選択できるというあり方は素晴らしいことだと考えられます。

参考記事:アメリカのFacebookの性別選択は58種類

マイノリティが抱える社会問題

マイノリティが抱える社会問題は、小さなことから、世界問題になるほどのものまでさまざまです。

正確な知識を持たずにマイノリティの人と接すると、自分は意識していなくても、いつの間にか人を傷付けてしまうこともあるかもしれません。

マイノリティは少数派ですが、生活している身のまわりにも少なからず存在します。

しかし、ひと言で片づけられないほど種類が多く、マイノリティが抱える問題も異なります。
それぞれのマイノリティへの正しい知識を身につけることが、課題解決への大きな一歩となるはずです。

差別や偏見

マイノリティが抱える大きな社会問題には、差別や偏見があります。

世界の歴史を振り返ると、第二次世界大戦中にナチスドイツがユダヤ人に対しておこなった大量虐殺・絶滅政策がその例です。

国内でも、ヘイトスピーチやヘイトクライムなどの問題が現在でも起きています。

難民研究フォーラムの調査では、世界70以上の国で同性愛に関連する行為が、いまだに違法とされており、厳しく罰せられる国もあるとされる国もあります。

参考記事:難民とLGBT:世界における人権侵害の状況

人権侵害

日本国内のみならず、世界中でマイノリティへの人権侵害や抑圧は、あとを絶ちません。

例えば、職場の同僚が同性愛者だとわかった途端に、無視やいじめを受けるなどの事例も少なくありません。

マイノリティに対し、周囲がどれだけ理解して受け入れるかが重要です。

まとめ

今回の記事では、マイノリティの種類にはどのようなものがあるのかを解説しました。

マイノリティが抱える社会問題には多くの課題があり、無意識に身近な人を傷つけてしまう可能性もあります。
日本は、マイノリティの認識が欧米ほど進んでいるとはいえません。

障がいをもつ方や性別の多様性・LGBTなど、今後私たち一人ひとりのマイノリティに対する正しい理解が求められています。