マイノリティの意味は?種類や具体例をわかりやすく解説!

この記事では、マイノリティの意味、種類や具体例を分かりやすく解説していきます。
近年耳にすることが増えているマイノリティという言葉。
言葉の意味はなんとなく理解していても、具体的にどのような人のことを指すのか、イメージはつくでしょうか?
「少数派」を意味するマイノリティは、差別用語として使われるイメージがありますが、実は誰にでも該当する可能性があります。
マイノリティの知識を正しく身につければ、現代の社会問題に関する理解も深められますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マイノリティの意味
マイノリティの意味は、「少数者、少数派」を表す言葉で、ある社会を占める人々と異なる属性をもつ個人、その集団を指します。
英語の「minor=少ない」という形容詞から生まれた言葉です。
「minor」には、「あまり重要ではない」「大したことない」という意味が含まれていることから、マイノリティが「社会的に不要」「社会的弱者」と差別を受けている人、といった意味で使用されることも増えています。
近年ではマイノリティも多様化しており、「社会的マイノリティ」、「性的マイノリティ」、「ノイジーマイノリティ」といった言葉もよく聞かれます。
マイノリティの種類と具体例

マイノリティには様々な種類があります。
- 社会的マイノリティ
- 性的マイノリティ
- ノイジーマイノリティ
マイノリティの種類と具体例についてそれぞれ詳しく解説していきます。
社会的マイノリティ
社会的マイノリティとは、幅広い視点から社会的にマイノリティと判断される人を指します。
具体例は、外国人住居者、障がい者、宗教信仰、貧困層などです。
さらに身近な例をあげると、左利きやハーフの人もマイノリティになります。
日本人の左利きの割合は、おおよそ10%です。
ハサミやドアなど、日常生活に使われるもののほとんどが右利きの人用に作られているため、左利きの人は不便を感じることも多いです。
ハーフの人は、肌や目の色が日本人とは異なるという見た目の問題だけで、いじめの対象になってしまうケースも少なくありません。
日本では、社会的マイノリティの解決に向け、日本の外国住居者のための人権相談所を開設するなどの取り組みが進められています。
性的マイノリティ
性的マイノリティとは、異性でなく同性に恋愛感情をもったり、自身の性に違和感を感じる、性同一性障害などの人のことを指します。
L(レズビアン)・G(ゲイ)・B(バイセクシュアル・)T(トランスジェンダー)の頭文字をとり、LGBTとも呼ばれています。
性的マイノリティの人の割合は、おおよそ人口の3〜5%で、学校で例えるとクラスに1〜2人です。
性的マイノリティが「普通」ではないとして、偏見や差別を受ける人は多く、会社での昇進を妨げられたり学校でいじめをうけたりして苦しんでいることもあります。
性的マイノリティによる差別や偏見を減らすために、労働施策総合推進法が令和2年6月に改正され、
- 性的指向に対して侮辱的な言動をおこなうことをパワーハラスメントと捉える
- 性的マイノリティに関する取り組み事例を作成する
など、性的マイノリティへの正しい理解を促進する取り組みが行われています。
ノイジーマイノリティ
ノイジーマイノリティとは、「声のみ大きい少数派」を示す言葉です。
近年では、「目立つけれど少数派」「声のでかい少数派」と悪い意味で使われることも増えています。
店舗の悪口をSNSに書き込んで騒ぎを起こす人は、SNS利用者のうちわずか0.5%で、ノイジーマイノリティということになります。
ノイジーマイノリティによる批判や炎上により、店舗が大々的に取り上げられ、閉店に追い込まれてしまうケースもあるのです。
ノイジーマイノリティが店舗の経営にもたらす影響は、非常に大きいことが分かります。
店舗や企業が被害を受けないようにするためには、ノイジーマイノリティの意見に振り回されないようにしなければなりません。
マイノリティの反対語は?

マイノリティの反対語は、マジョリティで、「多数」「多数派」を意味します。
社会においてマジョリティの声はとても重要で、自社が提供する商品やサービスがマジョリティに支持されることがヒットにつながるといっても、過言ではありません。
物事を決める場合、多数決で決めることが多いように、多数者の意見が尊重されることが多いですが、それが絶対に正しいというわけでもありません。
多数決で決めればよいことを、なぜわざわざ話し合うのかというと、お互いの考え方を知り、物事を判断することが大切だからです。
話すテーマによっては、自分の考えがマイノリティにもマジョリティにもなるため、話し合いでのマイノリティとマジョリティの違いはその時によって変わります。
誰もがマイノリティになる可能性があることを理解しておいてください。
関連記事:マイノリティとマジョリティの違いは?意味や使い方・具体例も徹底解説!
サイレントマジョリティの意味
サイレントマジョリティの意味は、「声なき声」「静かなる多数派」などが含まれます。
マーケティング業界では、「積極的に発言しない大多数の消費者」と言われています。
商品やサービスに不満があっても、大多数の人は直接声をあげることはありません。
- 不満があってもクレームを言わない
- ルールや政治に不満があっても行動に出たり声をあげない
上記のような人を、サイレントマジョリティと呼びます。
顧客の96%がサイレントマジョリティとも言われていますが、これからもより良い経営をしていくには、サイレントマジョリティを意識することは不可欠です。
近年では、TwitterやInstagramなどSNSの普及で、一般人の私的発言も閲覧することができるため、サイレントマジョリティの声も可視化しています。
日本のマイノリティの例は?
先ほども少し例を出しましたが、日本のマイノリティの例をいくつか解説していきます。
「性的マイノリティ」
現在、日本で結婚できるのは性別の異なる二人のみで、同性同士の結婚は認められていません。
オランダ、イギリス、デンマークなど同性婚を認める国が増えている中、日本はこの問題に真っ向から向き合う姿勢をとっていないため、今後どんな対応をしていくのか注目が集められています。
「社会的マイノリティ」
所得が少ない貧困層の人も、マイノリティの一種です。
貧困が深刻な場合、医療や教育が受けられない、まともな食事が取れず健康状態が悪化するなど様々な問題が発生します。
特に、貧困問題は自力で解決することが難しく、世代を超えて連鎖しやすいです。
障がいや病気を抱える人も差別や偏見をもたれやすいため、マイノリティと言えます。
障がいがあるというだけで、就労や社会生活に参加できないこともあるのです。
近年では、新型コロナウイルスをめぐる誹謗中傷や差別が問題となりました。
参考記事:日本会社における社会的マイノリティに対しての差別や偏見の有無
マイノリティの使い方と注意点
最後に、マイノリティの使い方と注意点をご紹介します。
「このチームはマイノリティの方が多数所属しています」
「彼女の意見はマイノリティな考えです」
「マイノリティな考え方も時には必要です」
「あらゆるマイノリティを受け入れる制度を必要とします」
これらのように、少数派の人や考えを表現したい場合にマイノリティを使用することができます。
マイノリティを使う際の注意点は以下の2つです。
- 差別目的で使用しない
- 会話の中での使用に注意する
「差別目的で使用しない」
マイノリティを使用する際、相手を否定する表現になっていないかという点で、慎重にならなければなりません。
「少数派」という意味はあくまでも差別用語でなく、割合を示すものです。
話し相手の事情や状況をよく踏まえた上で、使用することが大切です。
「会話の中での使用に注意する」
マイノリティという言葉の受け方は、人それぞれです。
実際に自分がマイノリティという人は、そのことを公表することはほとんどありません。
相手がどんな受け止め方をするのかまでを考えて、言葉の選択をすることが大切です。
さらにマイノリティの使い方については、以下の記事で紹介しています。
関連記事:マイノリティの使い方は?わかりやすい例文と具体例で簡単解説!
まとめ
今回はマイノリティの意味や使い方について解説しました。
マイノリティは、「少数」「少数派」という意味がありますが、「社会的弱者」といったように否定的に使用されることも少なくありません。
視点によっては、少数派や多数派が正反対になる場合もある曖昧な表現のため、一人ひとりがマイノリティなのです。
使用する際には、相手のことに配慮したり、使い方に注意する必要があります。
マイノリティを「弱さ」と捉えないよう、理解を深めていくことが大切です。