聴覚障害者が災害時に困ることは?必要な支援や役立つパンフレットも紹介!

地震や火事などの災害時、耳の聞こえない聴覚障害者は、避難に苦労することが多くあります。
災害に向けて防災マニュアルを作っている方や、身近に聴覚障害者がいる方のなかには、
「災害時や緊急時に必要な聴覚障害者への支援や備えは、どのように準備をしたらいいのか?」
などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、本記事では聴覚障害者が災害時に困ること、必要な支援や備えを詳しく解説します。
これから防災マニュアルや避難計画を立てる方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
聴覚障害者が災害時に困ることは?
聴覚障害者の方が災害に遭うと、耳が聞こえないことで苦労する場面が多くあります。
- 助けを呼べず存在に気付いてもらえない
- サイレンや放送が聞こえない
- 避難方法や避難場所がわからない
- 避難所で情報が得られない
- 家族などと連絡を取るのが難しい
- コミュニケーションがとれず孤立してしまう
- 補聴器や人工内耳などの電池の入手が困難になる
聴覚障害者が災害時にどのようなことで困るのか理解しておくことで、適切なサポートができます。
助けを呼べず存在に気付いてもらえない
災害時に助けを呼べずに存在に気付いてもらえないことで、緊急時の対応が遅れたり、身の危険が高まる可能性があります。
聴覚障害者は音声を聞き取って、自分の声で応答することが容易ではありません。
例えば、地震で建物の下敷きになったとしても、大きい声を発するのが難しい聴覚障害者は、すぐに助けてもらえないことも考えられます。
緊急時に110番や119番に通報したり、エレベーターの非常停止ボタンを押して音声で状況を伝えるなども難しいでしょう。
家屋に閉じ込められたり、下敷きになってしまった聴覚障害者は、物を叩いて音を出すか、ホイッスルを鳴らすなどして助けを求めます。
サイレンや放送が聞こえない
聴覚障害者はサイレンや放送、緊急速報が聞こえないので、避難が遅れてしまったり正しい状況判断ができないこともあります。
音が聞き取れない聴覚障害者の方は、日常的に視覚からの情報に頼って生活しています。
聴覚障害者を誘導する際には、光での合図や視覚で判断できる文字、身振り手振りでサポートすると伝わりやすいです。
緊急地震速報などの受信がわかるように、できるだけ携帯電話などを身に付けておくようにアナウンスしておくことも大切です。
避難方法や避難場所がわからない
災害が起こり逃げなければいけないと思っても、避難方法や避難場所がわからなくて困ることも多いです。
津波の恐れがあるのに海の方に逃げてしまったり、土砂崩れの危険がある場所に向かってしまうなど、避難経路がわからず危険に近づいてしまう可能性もあります。
災害が起こったときに慌てないように、避難訓練では経路の確認もしておきましょう。
避難所で情報が得られない
避難所で情報が得られず、食料や水の配給が受け取れなかったり、重要な連絡を聞き逃してしまう可能性があります。
多くの場合、避難所では音声情報が中心なので、聴覚障害者には情報が入ってきません。
避難所では、いつでも筆談ができるように筆記用具やコミュニケーションツールを携帯しておくといいでしょう。
避難所の決まりごとや支援情報は毎日のように変更や追加があるので、紙やホワイトボードなど視覚情報で伝えることを徹底するとわかりやすいです。
家族などと連絡を取るのが難しい
離れて暮らす家族などと連絡を取るのが難しいこともあります。
事前に、災害時にはどこに避難するのか、連絡方法などを決めておくことをおすすめします。
「災害用伝言ダイヤル」「災害用ブロードバンド伝言板」などを活用して、自身や家族の安否を確認しておきましょう。
コミュニケーションがとれず孤立してしまう
音が聞こえない状況での緊急事態は、不安な気持ちもあり、他者とコミュニケーションがとれずに孤立してしまうこともあります。
被災によるストレスのほか、情報がわからなかったり、人間関係のストレスも重なります。
避難所では、普段関わることのない人との共同生活で、うまくコミュニケーションがとれない状況もあるかもしれません。
避難先では、知り合いやコミュニケーションをとりやすい人と連携して過ごせるような働きかけも大切です。
補聴器や人工内耳などの電池の入手が困難になる
災害時は、生活用品が品薄になることが予想され、補聴器や人工内耳などの電池の入手も困難になるかもしれません。
聴覚障害者の方にとって、日頃の備えは「自分の命は自分で守る」という観点からとても大切なことです。
災害を想定した避難訓練に参加したり、事前に対策をしておくことで、万が一の有事にも安心して行動できます。
聴覚障害者の方は、日常生活でもサポートが必要な場面も多いので、詳しい内容は以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:耳が不自由な人が困ることとは?聴覚障害者への必要な配慮も詳しく解説!
このように、聴覚障害者は、災害時に情報が入らずに、正しい状況判断ができない場合が多いです。
避難経路や避難所の生活など、具体的なサポート内容を決めておくことで、災害が起こったときに落ち着いて行動できます。
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災害時や緊急時に必要な聴覚障害者への支援とは?

聴覚障害者は、災害が起こったときに、一般的な情報があっても、危険に対して理解や正しい判断をしにくい場合があります。
災害時や緊急時に必要な聴覚障害者への支援は、言葉だけではなく、身振り手振り、ツールを使用するなどコミュニケーション手段を工夫しておこないましょう。
障害の程度は一人ひとり違って、特に聴覚障害者は外見からは判断しにくいので、本人の希望とペースに合わせた対応が必要です。
情報を伝えるときには、筆談や口の動き、手話やジェスチャーなど複数の方法でコミュニケーションをとってみましょう。
その際には、「何が起こっているのか」「これからどこへ、どのように避難・移動するのか」を、具体的にわかりやすい言葉で、ゆっくりと、簡潔に説明すると伝わりやすいです。
聴覚障害者の方を誘導する際には、自分の腕や肩につかまってもらい、曲がる方向や階段の上がり下がりなどを伝えながら少し前を歩きます。
どの経路を通っているのか、周囲の様子が日頃とはどのように変わっているのか、何が危険なのかなど、状況を詳しく伝えながら誘導しましょう。
聴覚障害者のためにできる災害への対策は?
聴覚障害者のためにできる災害への対策として、地域で防災訓練や防災教室を実施して、非常時の行動を確認しておくことが大切です。
町内会の活動を通して地域住民との交流を深め、どのようなサポートが必要なのかあらかじめ共有しておきます。
聴覚障害者は音声の情報が入らないので、的確な状況判断や避難行動ができません。
そのため、災害が起こったことを聴覚障害者にどうやって知らせるか、コミュニケーションの手段、避難所に入ってからの情報の知らせ方、手話通訳の手配などは事前に決めておくようにしましょう。
災害時に役立つコミュニケーションツールのひとつとして「災害時バンダナ」があります。
「耳が聞こえません」「手話ができます」などの言葉が書かれていて、コミュニケーションではこの方法をとってほしいという意思表示ができます。
怪我をしたときに、三角巾や止血帯としても活用できるので、防災バッグに入れておくと役立ちます。
このほかにも、聴覚障害者であることを周囲に知らせる「耳マーク腕章」、電話を代行してもらえるように、緊急の連絡先などを書き留めた「電話お願い手帳」もあるので、専門機関や行政の窓口などでご確認ください。
聴覚障害者本人ができる災害への備えは?

聴覚障害者本人ができる災害への備えは、防災バッグの準備や避難経路の確認などがあります。
避難訓練や防災学習会に積極的に参加して、防災に関する知識や心構えを学んでおくと、災害が起こっても落ち着いて行動できるでしょう。
「災害時要援護者名簿登録制度」に登録しておくと、警察署、市役所関係部署、民生児童委員、防災市民組織などに情報が共有され、災害時の安否確認でも役立ちます。
自治体で配布しているコミュニケーションカードは、指差しで簡単に会話できるカードなので、持っていることで面識のない人ともやり取りが可能です。
聴覚障害者用の緊急メール速報など、視覚で情報を知らせてくれるサービスもあるので、携帯電話やスマートフォンは、寝る時には枕元に置くなど、すぐに持ち出せるようにしておきます。
防災バッグには、筆談器具として筆記用具や磁気ボード、ホイッスル、常備薬、補聴器の電池、聴覚障害であることを知らせる腕章などを忘れずに入れておきましょう。
聴覚障害者を災害時に支援するためのパンフレットがある?
災害時に聴覚障害者を支援するために、一般社団法人全日本ろうあ連盟が発行しているパンフレットがあります。
聴覚障害者が災害時に困ることや、どのような支援が必要なのかがまとめられたリーフレットで、医療専門機関や障害者団体に配布されています。
2011年3月の東日本大震災では、災害時の聴覚障害者への支援として、公費での手話通訳の派遣、医療・メンタル活動などがおこなわれました。
このような、災害時の聴覚障害者への支援や対応について広く知ってもらうためのパンフレットやハンドブックは、多くの自治体でも発行されています。
ホームページでダウンロードできるので、お住まいの地域情報を事前にご確認ください。
参考記事:「災害時・聴覚障害者への支援のためのリーフレット」について
災害時や緊急時には、多くの聴覚障害者が情報がわからないことで、とても不安な気持ちになります。
避難するときや避難所生活でも、コミュニケーションがとれずに孤立してしまう可能性もあります。
コミュニケーションをとる便利なツールもあるので状況に応じて利用するのもおすすめです。
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まとめ
今回の記事では、聴覚障害者が災害時に困ることをご紹介しました。
聴覚障害者は、災害が起こったことがわからずに避難が遅れたり、正しい判断ができずに危険な目にあう可能性もあります。
日頃から、地域で避難訓練や防災学習を実施し、万が一に備えることが大切です。
必要な支援や緊急時に備えて事前にできる対策、役立つパンフレットも解説しているので、災害時に孤立する人がいないように、ぜひ参考にしてください。
