聴覚障害のサポートツールでおすすめは?無料アプリや緊急用ツールもご紹介!

聴覚障害者には、日常生活を送るためにさまざまな支援が必要になるため、現在では多くの種類のサポートツールが存在しています。
この記事では、この聴覚障害者におすすめのサポートツールについてご紹介します。
また、無料で使えるアプリや緊急用のツールについても解説しますので、これらを活用することでぜひ支援に役立ててください。
\聴覚障がい者向け音声認識ツール/
目次
聴覚障害者におすすめのサポートツール
聴覚障害者のためのサポートツールは幅広く存在していて、日常生活で利用できるものから、緊急時に必要なものまであり、どれも大切なツールです。
ここでは、この聴覚障害者向けのサポートツールの中から以下のものをご紹介します。
- 110番への緊急通報システム
- 119番への緊急通報システム
- 電話リレーサービス
- 映画を楽しめるサービス
- 聞こえにくさを伝えられるサポートツール
- 難聴児への関わり方がわかるパンフレット
- これらの内容をぜひ参考にしてください。
110番への緊急通報システム
緊急時には110番に電話をかけて通報する必要がありますが、この通報は音声でおこなう必要があるため、聴覚障害者にとっては困難です。
これを解消するツールとして「110番アプリシステム」があります。
これは、音声で110番通報が困難な人のためのツールで、スマートフォンなどを利用して、文字や画像で警察に通報ができるシステムです。
使い方は簡単で、スマートフォンに専用のアプリをダウンロードし、氏名や電話番号、パスワードなどを登録します。
110番通報は、通報場所を管轄している警察本部に文字のチャットで通報できます。
通報場所の特定にはスマートフォンのGPSを利用し、さらに写真の撮影や送付も可能です。
ただし、ネットワークの状況によっては利用できない場合があります。
参考記事:110番アプリシステム
119番への緊急通報システム
上記の110番通報システムと同様に、119番通報も音声でおこなう必要があるため、聴覚障害者には困難です。
この問題を解消するため、音声による119番通報が困難な人に向けて、FAXやメールによる119番通報が可能になっています。
また、スマートフォンなどからインターネット経由で通報ができる「NET119緊急通報システム」を導入している地域もあります。
このシステムを利用するためには、登録と申請手続きが必要であるため注意が必要です。
また、地域によっては導入されていない場合があるため、お住まいの自治体の消防本部のWebサイトなどで事前に確認するようにしましょう。
電話リレーサービス
「電話リレーサービス」は、聴覚障害者と耳が聞こえる人が電話できるように、文字のチャットや手話の同時通訳を使用して通話するツールです。
このツールは、24時間365日利用できる公共サービスです。
聴覚障害者が利用する場合は、スマートフォンやパソコンから通話が可能で、専用のアプリをダウンロードし、相手の電話番号を指定した後、通話オペレーターを呼び出します。
実際の会話は通話オペレーターが通訳することでおこないます。
耳が聞こえる人が利用する場合は、通常の電話と同様です。
まず電話に着信があり、通話オペレーターから電話リレーサービスであることが伝えられます。
その後は、通話オペレーターを介して会話します。
参考記事:電話リレーサービス
映画を楽しめるサービス
聴覚障害者でも映画が楽しめるサービスとして、DVD用の字幕配信「おと見」があります。
ネット上に登録されている作品であれば、無料で字幕を読み込むことが可能です。
利用する場合は、おと見の公式サイトでユーザー登録をおこない、専用のプレーヤーをダウンロードする必要があります。
登録されている作品数には限りがありますが、邦画から洋画まで幅広いジャンルの作品が登録されています。
専用プレーヤーが必要で、パソコン上でしか再生できませんが、無料で利用できるため、気になる作品があれば気軽に利用してみましょう。
参考記事:NPOメディア・アクセス・サポートセンター|DVD用字幕配信(おと見)
聞こえにくさを伝えられるサポートツール
聴覚障害者であっても、その聞こえ方は個人によって違いがあります。
まったく聞こえない状態は理解されやすいのですが、聞こえにくさの度合いを理解してもらうのは困難なのが現状です。
特に、聴覚障害は見た目では確認できないため、周囲から理解されないという側面があります。
このような伝わりにくい聞こえにくさを理解してもらうために、サポートツールが作成されています。
このサポートツールは、
- 聴覚障害や配慮に関する基礎知識などのマニュアル
- 聞こえにくさを客観的に把握するための聞こえの情報整理シート
- 聞こえにくさを理解してもらうための聞こえの説明書
が基本構成です。
サポートツールについての詳細は以下のサイトを参考にしてみてください。
参考記事:サポートツール紹介ページ
難聴児への関わり方がわかるパンフレット
聴覚障害をもつ子どもにとっては、自分の聞こえ方を伝えることが難しいのが現状です。
そのため、聴覚障害の子どもに接する方法がわからない方も多くなっています。
このような場合に、難聴児への関わり方がわかるパンフレットを、岡山大学病院耳鼻咽喉科が作成しています。
このパンフレットは学校の先生向けの内容となっていて、学校生活で問題になるケースについての具体例が解説されているため、参考になるはずです。
具体的には、
- 全体集会の時、マイクの音量が大きすぎると音が響いて頭が痛い
- 聞こえていないのに、無視したと受け取られる
といった難聴児が困っている事例や、
- 指さし・身振り・ジェスチャーなどを活用する
- 他の子の発言を復唱して伝え直す
などの授業で必要となる配慮について記載されています。
パンフレットの詳細については、以下のサイトを参考にしてみてください。
聴覚障害者をサポートしてくれる便利なアプリもある?

聴覚障害者向けのサポートツールはいくつか存在していますが、聴覚障害者をサポートしてくれる便利なアプリも提供されています。
聴覚障害者をサポートするアプリとしては、音声文字変換アプリがあります。
音声文字変換アプリは、話している言葉をリアルタイムで自動的にテキストに変換するアプリです。
音声文字変換アプリは複数提供されていて、なかには無料で利用できるものもあります。
音声文字変換アプリの詳細については、以下の記事を参照してください。
関連記事:聴覚障害者向けの音声文字変換アプリ(無料)をご紹介!チームのコミュニケーションにもおすすめ!
音声文字変換アプリは、会話などの音声データを、その場でテキストに変換できるため、聴覚障害者であっても内容が理解しやすくなります。
また、テキスト化することで、話の内容を後から確認できるため便利です。
聴覚障害者とスムーズにコミュニケーションを取りたい方は導入してみることをおすすめします。
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聴覚障害者とのコミュニケーションをとる3つのポイント
聴覚障害者と円滑なコミュニケーションをとることは難しいと思われがちですが、うまくコミュニケーションをとるためにはいくつかポイントがあります。
ここでは、このポイントについて、
- 聞こえないことを理解する
- コミュニケーションを工夫する
- 確認する
の3つの点から解説します。
聴覚障害者とうまくコミュニケーションがとれないとお悩みの方は、参考にしてみてください。
聞こえないことを理解する
聴覚障害者とのコミュニケーションでは、聞こえないことを理解することが重要です。
まず、聴覚障害者が「耳が聞こえない」ということを相手に伝えることで、聞こえないことを理解してもらえます。
その結果、相手としても耳が聞こえないことに対して準備ができるようになり、コミュニケーションがとりやすくなります。
聴覚障害者は、耳が聞こえないと伝えることを躊躇しがちですが、相手に伝えたほうがコミュニケーションをスムーズにできるでしょう。
コミュニケーションを工夫する
聴覚障害者とコミュニケーションをとる際には、コミュニケーションを工夫する必要があります。
通常の会話でのコミュニケーションは難しいため、筆談やイラストなど、目で見て理解しやすい方法を利用しましょう。
他にも、コミュニケーションの種類や場面によって適切な方法が異なるため、その場で最適な方法を考えてみるなどの工夫をしてみましょう。
確認する
コミュニケーションにおいては、相手に内容が伝わっていることが重要です。
相手に伝えたつもりでも、内容が理解されていなければコミュニケーションがとれているとはいえません。
特に聴覚障害者とのコミュニケーションは困難な場合が多いため、結果として伝わっていないことがあります。
そのため、コミュニケーションをとった後は、内容が正しく伝わっているかどうか確認をするようにしましょう。
聴覚障害者とのコミュニケーションをサポートする「Pekoe」

ここまで、聴覚障害者のためのサポートツールをご紹介しましたが、会社や学校などでチームでコミュニケーションをとる場合には「Pekoe」がおすすめです。
Pekoeは、株式会社リコーアクセラレータープログラムTRIBUSから聴覚障害者向けコミュニケーションサービスとして提供しています。
聴覚障害者にとっては、会議に出席してもその場で内容をすべて理解することは困難です。
このようなケースでも、Pekoeを利用することで解消することができます。
Pekoeには、
- 会議での会話を字幕で表示
- 誤変換をその場で修正可能
- リアルタイム配信に字幕表示
- 過去の研修動画に字幕表示
といった機能が搭載されています。
Pekoeの機能を利用することで、聴覚障害者の悩みだけでなく、チーム全体の悩みを解消することが可能です。
会議に参加した聴覚障害者も、リアルタイムで内容が理解できるため、業務を他のメンバーと同じタイミングで始めることができます。
業務において聴覚障害者とのコミュニケーションでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
ここまで、聴覚障害者向けのおすすめサポートツールをご紹介しました。
聴覚障害者向けのサポートツールは、110番や119番通報などの緊急時向けのもの、電話リレーサービスやDVD用字幕配信などの日常生活で活用できるものなど、幅広く用意されています。
聴覚障害者とのコミュニケーションは難しい点がありますが、これらのサポートツールをうまく活用し、円滑なコミュニケーションを目指してみてください。