聴覚障害者へのプレゼンテーションでできる配慮は?円滑に進めるためのポイントも解説!
聴覚障害者が参加するプレゼンテーションでは、進行側の細かい準備や配慮が必要です。
しかし、
「具体的にどのような配慮が聴覚障害者に適しているのかわからない」
「何に気をつければいいの?」
などの配慮に関する悩みや疑問もあるのではないでしょうか。
本記事では、聴覚障害者へのプレゼンテーションでできる配慮や円滑に進めるためのポイントを解説していきます。
少しの配慮が聴覚障害者の役に立つので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
聴覚障害者へのプレゼンテーションでできる配慮
聴覚障害者へのプレゼンテーションでできる配慮は、以下の5つです。
- 前方の席を用意する
- 照明を明るくする
- 資料を準備する
- スライドや動画には大きめのフォントで字幕をつける
- 手話通訳者をつける
プレゼンテーションの進行側が少しの配慮をすることで、聴覚障害者も周りの人と同じようにプレゼンテーションに参加できます。
配慮の具体的な方法や注意点を詳しくご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
前方の席を用意する
聴覚障害者は聴覚から情報を入手しづらい分、視覚からの情報を重視します。
プレゼンテーションでスクリーンやパソコンに映る文字を見ようとしても、後方の席に座っていると見えづらくなり、情報がしっかりと伝わってきません。
ですので、聴覚障害者が参加しているプレゼンテーションでは、文字が見やすいように前方の席を用意しましょう。
その際、視界が邪魔されないように、スクリーンやパソコンの周りに障害物がないかを確認しておくのも大事です。
聴覚障害者用の席が用意されていることで、周りの参加者も気を遣いながら接してくれるというメリットもあります。
5つの配慮のなかでも簡単にできるので、すぐに実践できるのではないでしょうか。
照明を明るくする
プレゼンテーション時に、部屋の照明を明るくするのも聴覚障害者への配慮のひとつです。
前出のとおり聴覚障害者は視覚を頼りにしているため、話をしている人の口元の形や手話通訳者の動きなどから情報を得ています。
しかし、部屋が暗いとそれらが確認できません。
一般的なプレゼンテーションは照明を落とした部屋でおこなうイメージがありますが、ホワイトボードをうまく活用したり、映像を流す場合には大型の液晶画面などを使用すれば照明をおとす必要はなくなります。
プレゼンテーション中に、災害などの非常事態が起こったとしても避難しやすいメリットもあります。
こちらもすぐに取り入れられる方法ですので、実践してみてください。
資料を準備する
補聴器や視覚だけでは情報を補いきれない場合もあるので、プレゼンテーション用の資料を準備するのもよい方法です。
一般の人が簡単に聞き取れる言葉でも、聴覚障害者には聞き取ることが困難なため、より細かい説明や文章を加えた資料を作成し、わかりやすくします。
カラーやイラストをつけたり見やすいフォントにしたりして、読みやすい資料にすることも効果があります。
手間のかかる作業ですが、聴覚障害者がプレゼンテーションに参加しやすくするための大切な配慮です。
スライドや動画には大きめのフォントで字幕をつける
プレゼンテーションで流すスライドや動画に、大きめのフォントで字幕をつけることも大切です。
スライドや動画から、ある程度の情報は取り入れられますが、それだけでは読み取れない情報もあるため、テレビの字幕放送のように細かく字幕をつけることを意識します。
具体的には、18ポイントより大きい文字がおすすめです。
一度ヘッドフォンなどをつけ、音の聞き取りにくい状態でスライドや動画を見てみると、もう少し字を大きくした方が見やすいといった改善点が見えてきます。
進行者側が一度聴覚障害者の立場になって参加してみることは、必要な配慮を知るうえで最も重要です。
手話通訳者をつける
プレゼンテーションをおこなう際に、手話通訳者をつけるのもひとつの方法です。
手話通訳者とは、各都道府県で認定を受けた手話通訳をおこなう人です。
発表者の発言を同時に手話で通訳してくれるので、すぐに情報を読み取ることができます。
しかし、言葉のニュアンスや周りの参加者とのやりとりなど、手話だけでは伝えきれない場合もあります。
手話通訳者は各自治体に在籍し、必要に応じて会社や団体への派遣が可能です。
派遣費用が無料の自治体も多いので、まずはご自身の自治体での手話通訳士の派遣制度について確認してみてください。
専門の手話通訳者でなくても、周りのスタッフや知り合いに手話ができる人がいれば通訳係をお願いしてみるのもよいかもしれません。
進行者は、手話通訳者がいると手話通訳者に対して話しかけてしまうこともありますが、普段通り参加者に話しかけることを意識しましょう。
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聴覚障害者へのプレゼンテーションで気をつけたい3つのポイント
下記の3つのポイントに気をつければ聴覚障害者の方もよりプレゼンテーションに参加しやすくなるので、ぜひ取り入れてみてください。
- ゆっくり話す
- 確認しながら進める
- 質問などは繰り返すようにする
どれも一見簡単にできそうな工夫ですが、プレゼンテーションを始めてしまうと意外と意識が抜けてしまいやすいものばかりです。
ゆっくり話す
プレゼンテーション時に特に気を付けたいポイントは、ゆっくり話すことです。
通常の話すスピードだと、聴覚障害者は話の大半の内容を聞き取ることが難しいです。
ゆっくり話そうと意識しても、気が付くと通常のペースで話してしまうことも多いので、小学生に話しかけるような気持ちでゆっくり話してみてください。
聴覚障害者は、話を聞くときに相手の口の動きをよく見て言葉を理解しようとするので、口を大きく動かすことも意識しましょう。
本番前に、練習相手に向かってゆっくり話す練習をするのもおすすめです。
確認しながら進める
聴覚障害者は、プレゼンテーションの内容がしっかりと理解できていなくても周りを気遣ってしまい、なかなか質問や確認ができないことがあります。
そのため、ここまでの流れや内容が理解できているか確認しながら進めることが大切です。
合間に疑問点や内容を確認してくれると、聴覚障害者も安心して参加できます。
共通認識ができていなかったり、質問をされたら、その場で理解できるまで説明します。
プレゼンテーションの時間が少し延びてしまう可能性もあるので、周りの参加者にも事前に理解を得ておく必要があります。
質問などは繰り返すようにする
プレゼンテーション中に、聴覚障害者や周りの参加者から質問などがあれば、繰り返して言葉にするのが大切です。
聴覚障害者は言語障害をもっている場合も多く、質問があっても思うように言葉にできないことがあります。
進行者は、言葉がうまく聞き取れなくても、わかったふりをしてそのままやりとりを進めてしまいがちです。
そうなると、内容の認識にずれが生じていても聴覚障害者の方からは誤りを指摘しにくいです。
共通認識ができていないと、その後の仕事やイベントでトラブルが起こる可能性もあります。
質問などを受けたときは、その内容をもう一度復唱して、間違っていないか確認してから話を進めてみてください。
聴覚障害者とコミュニケーションをとるコツは?
聴覚障害者とコミュニケーションをとるコツは、以下のようなものがあります。
- 筆談や口話、手話などでコミュニケーションをとる
- アプリやツールを利用する
聴覚障害者は、日常生活のなかで以下のような悩みをもちやすいです。
- 音声の情報が入りにくい
- 情報を相手にスムーズに伝えられない
- コミュニケーションがとりにくい
情報が入りにくい、コミュニケーションがとりにくいといった悩みを解決するために、筆談や口話、手話などの方法を活用します。
手話は勉強しないとできないのですぐには実践できませんが、筆談や口話なら簡単に日常のやり取りの際に取り入れられます。
また、聴覚障害者とコミュニケーションをとりやすくするアプリやツールもおすすめです。
聴覚障害者へのコミュニケーション時の配慮については、関連記事で詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
関連記事:聴覚障害者へのコミュニケーション時の配慮とは?私たちにできること
音声を視覚化してプレゼンテーションを円滑にする「Pekoe」
プレゼンテーションを聞いている聴覚障害者の方は、画面や資料の文字からは情報を得られるものの、発表者が話すちょっとした説明や参加者同士の雑談までは正確に聞きとりづらいです。
そのような場面で役に立つ音声認識ツール「Pekoe」をご紹介します。
Pekoeは、プレゼンテーション時の発言だけでなく、このような細かい雑談や会話などの音声も視覚化して円滑に進めることができます。
誤変換があった場合でも、Pekoeを利用している人ならその場で修正が可能なので、より正確な情報が入手できプレゼンテーションを中断させることもありません。
使用人数に制限はなく、始め方もアプリをダウンロードし設定をおこなうだけと非常にシンプルです。
プレゼンテーション以外に会議や研修などでも使用可能な、会社や団体などチーム向けのコミュニケーションツールとなっています。
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まとめ
聴覚障害者へのプレゼンテーションでできる配慮には、前方の席を用意する、照明を明るくする、資料を準備するなど取り入れやすいものがたくさんあります。
少しの工夫が聴覚障害者の配慮になるため、今回ご紹介した方法を理解し実践することが大切です。
プレゼンテーション中の発言や会話が瞬時に視覚化される「Pekoe」も、聴覚障害者やその場にいる方の役に立ち円滑に進められるツールですので、ぜひ導入を検討してみてください。
