聴覚障害者のテレワークに必要な配慮や企業の課題は?メリット・デメリットも解説

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聴覚障害者のテレワークのイメージ画像

これから聴覚障害者のテレワークを実施する企業では、

「どのような配慮や準備をしなければいけないのだろうか?」

と、疑問をお持ちの担当者の方も多いのではないでしょうか。

聴覚障害者のテレワークを導入するには、あらかじめ準備をしたり、気を付けなければいけない点があります。

そこで本記事では、聴覚障害者のテレワークに必要な配慮や企業の課題について詳しく解説します。

メリットやデメリットもご紹介するので、これからのテレワーク導入の参考にしてください。

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聴覚障害者のテレワークを実施する上で必要な配慮とは?

聴覚障害者がテレワークを実施するときの困りごとは、大きく2つに分けられます。

  • 音声情報の取得
  • コミュニケーション

企業は、この2つをスムーズにクリアできるように配慮する必要があります。

音声情報の取得でつまずきやすいポイントは、パソコンなどのエラー音や通知音が聞こえない・マイクの通信状況が確認できない・研修の動画に字幕が付いていないと内容がわからない、などです。

聴覚障害者のパソコンの動作確認やマイクの音声確認、オンライン会議システムの設定などのサポートは、事前におこなう必要があります。

さらに、テレワークで研修を実施する際には、動画やスライド資料に字幕、または手話通訳をつけるなどの対策も必要です。

コミュニケーションのやり取りでスムーズにいかない点は、オンライン会議での他者の発言がわからない・自分の発言が相手に伝わらない、などが考えられます。

聴覚障害者のなかには、発話が困難な人も一定数いるため、オンライン会議では発言ができない場合を想定したチャット機能の使用が効果的です。

会議に参加しやすいよう会議進行のルールを事前に決めたり、各自が発言しやすい場の雰囲気づくりをするなど、コミュ二ケーションの工夫や配慮をおこなう必要があります。

聴覚障害者のテレワークのメリット

聴覚障害者のテレワークのメリットをイメージした画像

聴覚障害者のテレワーク導入は、働く社員にも企業にもメリットがあります。

ここからは、メリットについて以下の4つのポイントで解説します。

  • ストレスを軽減できる
  • コミュニケーションがとりやすくなる
  • 活躍できる場が増える
  • コストを削減できる

それぞれの観点から、テレワーク実施のメリットをご確認ください。

ストレスを軽減できる

障害をもっている方のなかには、通勤や職場環境によってストレスを感じやすい人が多くいます。

このような特性がある人にとって、通勤ストレスがなくなり、対人コミュニケーションが減るテレワークは、ストレスの軽減につながります。

テレワークでは、社員同士のやり取りにチャットを使用する機会が多くなりました。

そのため、指示を聞き返す必要がなくなり、聴覚障害者にとってのストレスの軽減につながっています。

コミュニケーションがとりやすくなる

テレワークではメールやチャットでの連絡が多いため、コミュニケーションがとりやすいこともメリットです。

文字として言語化されて入ってくる情報は、聴覚障害者にとって自分のペースで理解しやすくなり、同時に複数の情報が入ってきても順番に処理できます。

さらに、テレワークでは、事前に打ち合わせの時間が決められているため、情報を受け取る準備ができるので余裕を持つこともできるようになります。

相手のペースに合わせることが苦手な人でも、情報を受け取りやすくなり、スムーズなコ

ミュニケーションができるのがメリットです。

活躍できる場が増える

テレワークは、聴覚障害者にとって働く機会や活躍できる場が増えることにつながります。

これまで、公共交通機関の利用や車の運転が困難などの理由で通勤がネックとなり就職できなかった方にとっても、慣れた環境で仕事ができるのはメリットです。

ここ数年は、障害者雇用に多くの企業が取り組むようになり、特に首都圏などの企業が多い地域では、障害者の採用が増加してきました。

一方で、地域によっては、雇用したくても応募者がいないという状況も少なくありません。

しかし、テレワークによって働く場所が限定されなくなれば、住んでいる場所に関係なく、企業は聴覚障害者を雇用することができます。

今まで募集しても応募がこなかったような優秀な人材と出会える機会を創出できるかもしれません。

テレワーク導入は、企業にとっても、聴覚障害者にとってもメリットになります。

コストを削減できる

テレワークの導入は、企業のコストを削減できるというメリットもあります。

障害者雇用では、働きやすい環境整備や通勤経路の確保など、さまざまな観点から障害の特性に合わせた配慮が必要です。

テレワークであれば、通信環境や機材・使用するソフトなどを揃えれば仕事が始められ、出勤が必要となった際の労働環境の整備についてはリモートで本人と話し合いながら進められるため、無駄なオフィスコストを削減できます。

さらに、通勤にかかる交通費が削減できるのは、企業だけでなく障害者本人にとってもメリットです。

聴覚障害者のテレワークのデメリット

聴覚障害者のテレワークでは、デメリットがあることも忘れてはいけません。

ここからは、デメリットについて以下のポイントで解説します。

  • 体調の変化などに気付きにくい
  • 緊急の対応が取りづらい
  • 業務に支障が出ることがある

聴覚障害者のテレワークの際には、このようなデメリットにも配慮が必要です。

体調の変化などに気付きにくい

テレワークの業務は自己管理に任せることになるため、体調の変化や困りごとに気付きにくい点はデメリットです。

会社では、仕事ぶりや表情などから周囲が体調の変化に気付けるような場面でも、テレワークでは気付きにくくなる可能性があります。

会社に出勤していると、会社の時間に合わせて生活リズムを立てやすくなりますが、テレワークでは時間の管理なども基本的には自己管理です。

業務はもちろんですが、起床、食事、睡眠などの生活リズムができていないと、調子を崩してしまうかもしれません。

オンライン会議などで聞こえないとストレスになる場合もあり、それが原因で食欲不振や睡眠不足につながる可能性もあります。

聴覚障害者のなかには、気候や気圧の変化で目まいや吐き気を起こしやすい人もいるため注意が必要です。

緊急の対応が取りづらい

緊急時に連絡が取りづらくなることもデメリットのひとつです。

聴覚障害者の方は電話での会話が難しいので、緊急時の連絡方法を決めておく必要があります。

業務上のトラブルだけでなく、テレワーク時に利用しているシステムの障害、大規模災害時や停電時を考慮した連絡体制を準備しておくことが大切です。

メールやチャットなど、複数の方法で連絡を取れるようにして緊急時に備えておきましょう。

業務に支障が出ることがある

オンライン会議でコミュニケーションがスムーズにとれず、業務に支障が出る可能性もあります。

聴覚障害者は、オンライン会議で複数人が一気に発言をすると、誰が何を話しているのかがわからなくなり、状況についていけなくなるかもしれません。

テレワークのための便利なツールはたくさんありますが、障害のある社員が同じように利用できているのか、問題なく情報を受け取れているのかをイメージして導入する必要があります。

また、情報を受け取れていないのであれば、どのような方法でフィードバックするのかを考えなければいけません。

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障害者のテレワーク雇用の課題は?

聴覚障害者のテレワークの課題をイメージした画像

障害者のテレワーク雇用でよくみられる課題は、以下の3つが考えられます。

  • 業務内容
  • マネジメント
  • コミュニケーション

このような課題に配慮することは、テレワークで働く障害者の職場への定着率にもつながります。

テレワーク雇用の課題3つを確認し、職場での障害者雇用に役立ててください。

業務内容

障害者のテレワークでは、業務内容に関して悩まれている企業が多く、仕事の幅や量が限られる、仕事を継続的に提供できない、などの課題があります。

今まで障害者が多く活躍してきた仕事は、製造、印刷業務や清掃、接客など、オフィスや店舗、工場があって働ける仕事がほとんどでした。

企業のなかには、どのような業務を任せられるのか判断がつかず、テレワーク推進が進んでいない業界もあるようです。

障害者雇用のスタートとして、まずは業務のタスクを見直し、書類のデジタル化・コミュニケーションツールの導入などの検討が必要です。

そうすることで、業種に関わらず、障害者のリモートワーク化ができる業務を見つけられる可能性があります。

マネジメント

マネジメントでは、業務指示や報告・連絡・相談がスムーズにできない、労務管理や評価ができないなど、お互いの勤怠状況を把握しにくいことも課題としてあげられます。

テレワークで障害者へのマネジメントをどのようにおこなえるのかわからない、という不安の声もあるようです。

勤怠状況が見えにくいテレワークでは、業務管理やマネジメント量が増えることで、配属先の管理者や同僚への負担が増えることも懸念されます。

テレワークのマネジメントの課題の多くは、「見えない」ことに起因します。

働く側と管理する側のどちらも、テレワークの様子が見えないことが不安要素となるため、ITツールをうまく利用すると解消できるかもしれません。

コミュニケーション

テレワークでは、働く障害者、企業のどちらも、コミュニケーションへの課題が大きく懸念されます。

ミーティングや雑談が減り、業務に集中しすぎることで、知らず知らずに疲労が蓄積してしまうかもしれません。

企業側も、コミュニケーションがとれないと、仕事の進捗の確認や状況を把握できないため、仕事が滞ることもあります。

頻度の高いコミュニケーションを心がけ、一人ではなく、部署やチームとともに会社の一員として働いているという意識を持ってもらい、孤立感を与えないようにすることも大切です。

さらに、多くの人が出席するオンライン会議は、聴覚障害者の方にとって困難な場面が多くあります。

発言している人の声の聞き分けができず、誰が何を話し、どのような議論に発展しているのかがとてもわかりにくくなるので、音声ツールの導入などを検討することが必要です。

聴覚障害者のテレワークもサポートする「Pekoe」

聴覚障害者のテレワークでは、コミュニケーションサービス「Pekoe(ペコ)」がおすすめです。

テレワークを導入する企業が増える中、聴覚障害者には、音声中心のオンライン会議に参加するのが難しいという課題があります。

それに加えて、対面の会議でもマスクをしていると、口の動きを読む口話が困難となり、コミュニケーションに困るケースが増えてきました。

Pekoeは、これらの課題を解決するべく生まれた、聴覚障害者向けコミュニケーションツールアプリです。

音声認識AIによる自動音声認識や、誤変換をその場で修正できる機能など、双方向コミュニケーション機能を搭載していて、定例会議の会話やリアルタイムイベントでも使用できます。

Pekoeは、聴覚障害者の悩みだけでなくチームの悩みを取り除くことを大事にしています。

発話をリアルタイムにテキストにし、コメントやリアクションができるので、会議やミーティングで活発にコミュニケーションをとることが可能になりました。

聴覚障害者を雇用している会社、これから採用を考えている企業の皆様におすすめのアプリです。

Pekoeのアプリをダウンロードすると、無料トライアルが利用できるので、ぜひお気軽にお試しください。

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まとめ

今回は、聴覚障害者のテレワークで企業がすべき配慮や、メリット・デメリットを解説しました。

テレワークを導入する際には、聴覚障害者がスムーズに業務をおこなえるように、あらかじめ職場環境を整える必要があります。

音声情報の取得やコミュニケーションの方法、緊急時の連絡方法、会議の進め方などのルールを決めることも大切です。

便利なコミュニケーションツールを効率よく活用することで、テレワークで活躍する障害者の職場定着へつながる可能性も高まります。

今回の記事が、企業の聴覚障害者のテレワーク導入のきっかけになれば幸いです。