障害者雇用の助成金一覧!金額と種類・条件や申請方法など目的別に詳しく解説!

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障害者雇用率制度のイメージ画像

日本では、法律において障害者雇用率制度を定めるなど、障害者が民間企業で働くための環境づくりを推進しています。

その一環として、事業主が申請できる障害者雇用助成金制度がありますが、対象となる条件によって受給内容が異なります。

障害者雇用助成金の金額や種類には、どのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、障害者雇用助成金の受給条件や、申請方法などを目的別にご紹介します。

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障害者雇用の助成金とは

障害者雇用の助成金は、民間企業の障害者の雇用率を上げることを目的として設けられた制度です。

民間企業の障害者の雇用率は、法律(障害者雇用促進法)によって定められています。

事業主は、定められた雇用率に準じて障害者を雇用する義務がありますが、そのための環境整備を目的に受給できるのが、「障害者雇用納付金関係助成金」です。

事業主は、障害者を単純に受け入れるだけでなく、安全に働けるように、職場のバリアフリー化などの環境づくりをする必要があります。

また、さまざまなタイプの障害者の受け入れに備え、介助者を配置するなど、サポート体制を十分に整えることも重要です。

ハローワークからの紹介により障害者を継続的に雇い入れた場合は、特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用助成金なども受給できます。

その他にも、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金など、障害者雇用のための助成金があり、それぞれの助成金を受け取るにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。

次の章では、障害者雇用助成金の対象となるには、どのような条件があるのかを具体的にご紹介します。

参考記事:(厚生労働省)障害者を雇い入れた場合などの助成

障害者雇用の助成金の対象は?

助成金の対象には、障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を持った障害者を受け入れていることが条件になります。

しかし、近年はそれらの手帳を持たない精神的障害者(統合失調症・そう病・うつ病・てんかんなど)を受け入れる場合も助成の対象になります。

また、障害の種類や程度によって、定められた職場定着に関わる措置が必要です。

措置をおこなったうえで、支給対象障害者を6ヵ月以上職場に定着させた場合、助成金の対象になります。

さらに、支給の対象となる事業主の要件も全10項目あり、要件すべてに該当しなければなりません。

雇用保険適用事業所の事業主であることも要件のひとつです。

雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、職場定着支援計画を作成する必要があり、管轄労働局長の受給資格認定を受けることなども要件に含まれます。

その他の要件の詳細については、厚生労働省の障害者雇用安定助成金をご覧ください。

参考記事:(厚生労働省)障害者雇用安定助成金

障害者雇用の助成金の種類と条件

民間企業の事業者は、障害者を雇用するために、安全に働ける環境を整えるなど、さまざまな条件をクリアすることで助成が受けられます。

助成金は、対象労働者の障害の種類や程度をはじめ、雇用形態や就業内容によって、種類が分かれています。

ここでは、障害者雇用の助成金の種類とそれぞれの条件を詳しくご紹介します。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者開発助成金は、就職困難者(障害者・高齢者・母子家庭の母など)を採用した場合に受けることができます。

特定求職者開発助成金は、頻繁に対象者や条件などの見直しがおこなわれる助成金制度で、現在、5つのコースがあります。

コース名対象労働者
成長分野等人材確保・育成コース(成長分野等の業務に従事させる事業主への助成)
未経験者のみ(経験1年未満も可)
このコース以外の4コースの対象労働者に該当していること
特定就職困難者コース60歳以上の高年齢者、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者および精神障害者、父子・母子家の父母、ウクライナ難民など社会的事情により安定した職業に就いていない方で、雇入れ日現在における満年齢が45歳以上の方
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース発達障害者・難治性疾患患者
就職氷河期世代安定雇用実現コース1968年4月2日から1988年4月1日までの間に生まれた方で、過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、かつ過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない方正規雇用労働者として雇用されることを希望している方
生活保護受給者等雇用開発コース生活保護受給者・生活困窮者・被就労支援者

参考記事:(厚生労働省)雇用関係助成金支給要領

障害者トライアル雇用助成金

労働者の適性を確認したうえで、継続雇用につなげることを目的とした助成制度です。

障害者の適性や能力が気になる場合、事業者は障害者トライアル雇用助成金を受給し、障害者を試行的に雇用できます。

通常の障害者トライアル雇用のほかに、短時間であれば働ける障害者(精神障害者・発達障害者)を雇用するための、障害者短時間トライアル雇用もあります。

精神障害者以外の障害者をトライアル雇用する場合の助成期間は、最長3ヵ月で、期間中に月額4万円を受給できます。

助成金を受給しながらトライアルし、助成期間終了後に、適正によって、継続雇用するかどうか判断できるのがメリットです。

また、精神障害者をトライアルで受け入れる場合は、助成期間を最大6ヵ月まで延長できます。

受け取れる助成金は、最初の3ヵ月は月額8万円で、あとの3ヵ月は月額4万円です。

障害者短時間トライアル雇用の場合も、精神障害者以外の障害者が対象のトライアル雇用期間は原則3ヵ月ですが、精神障害者は、最長12ヵ月まで設定できます。

参考記事:(厚生労働省)障害者トライアル雇用に関する助成内容

障害者雇用納付金制度に基づく助成金

障害者雇用納付金制度に基づく助成金は、事業者が障害者を雇用するにあたって、施設・設備の整備など適切な雇用管理をおこなうために受給できます。

特別な措置をおこなわなければ、対象者の新規雇用や雇用の継続が困難である場合に認められる制度です。

この助成金の目的は、環境整備にかかる金額の一部が助成されることで、事業主の金銭的負担を軽減し、障害者の雇用の促進や継続を図ることです。

職場のバリアフリー化や、介助が必要な対象者を雇用する場合に、障害者介助等助成金が適用されます。

障害者介助等助成金は、聴覚障害者のための遠隔手話をはじめとするICT(情報通信技術)サービスにも活用できます。

また、障害に応じて、職場に介助者や手話通訳担当者を配置する場合にも申請が可能です。

障害者介助等助成金の限度額は、障害の種類や等級などによって異なるので、詳しくは下記のリンク先をご覧ください。

参考記事:障害者介助等助成金

人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)

以下の2つの要件を満たす場合には、人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)を受給できます。

  • 訓練対象者に対し障害者職業能力開発訓練事業をおこなう場合
  • 訓練の施設または設備の設置・整備または更新する場合

訓練対象者とは、ハローワークに求職の申込みをおこない、障害特性・能力・労働市場の状況に応じて、ハローワーク所長が職業訓練が必要と認める障害者です。

人材開発支援助成金の受給対象者は、職業訓練受講通知書によって通知された事業者です。

人材開発支援助成金の対象となる障害者職業能力開発訓練事業は、厚生労働大臣が定める基準に適合する教育訓練とし、必要な要件が掲げられています。

運営管理者の要件をはじめ、教育訓練に関するさまざまな要件が定められ、それらの要件をすべて満たさなければなりません。

訓練の施設または設備の設置・整備または更新においても、細かい要件があるのでご確認ください。

参考記事:(厚生労働省)人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、障害者雇用の定着を図ることを目的としています。

助成対象となるのは、以下の2つの措置をおこなった場合です。

  • 有期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)または無期雇用労働者に転換する措置
  • 無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する措置

上記の措置を継続的に講じた場合、支給対象者の障害の種類と措置内容によって決められた金額が支給されます。

無期雇用や正規雇用への転換期から1年間が支給対象期間です。

転換期から最初の6ヵ月を1期、その次の6ヵ月を2期とし、2期分が支給されます。

キャリアアップ助成金には正社員化コースもあり、こちらは事業所あたりの支給申請上限人数が決まっています。

障害者正社員化コースで助成を受ける場合は、正社員化コースの支給申請上限人数には含まれません。

参考記事:(厚生労働省)キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)

障害者雇用の助成金は月いくらもらえる?

月にもらえる障害者雇用の助成金をイメージした画像

ここまで、障害者雇用に関する助成金の種類や条件をご紹介してきました。

助成金にはさまざまな種類があり、障害者を雇用する際には、いろいろな条件を満たしたうえで、該当する助成金に申請する必要があります。

助成金の月額は、支給の対象となる障害者やその働き方によって変わるので、一概にはいえません。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、障害の程度や助成の対象期間などの違いによって、最低30万円〜最高240万円が支給されます。

受給開始から最初の6ヵ月を1期、次の6ヵ月を2期とし、受給期間が2年間の場合は、次の年を3期、4期と数え、月額ではなく各期ごとに支給される形式です。

障害者を雇用する場合、通常の有給休暇のほかに、通院または入院のための有給休暇を与える措置をおこなうことで支給される助成金もあります。

柔軟な時間管理や休暇取得措置に対する支給期間は1年で、最大支給金額は8万円です。

障害者雇用には、さまざまな環境整備が必須ですが、状況に応じて受給できる助成金があり、事業主の負担を減らせます。

参考記事:(厚生労働省)特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

もらえる期間はいつまで?

特定求職者雇用開発助成金をもらえる期間は、最短で1年です。

短時間労働以外では、重度障害者が対象の場合の3年が最長で、重度障害者等を除く身体・知的障害者は2年になります。

対象の障害者が労働するにあたって、介助者などの配置が必要な場合に使える障害者介助等助成金の受給期間は、5年または10年です。

障害者介助等助成金を受給できる対象者は、3級または2級以上の障害者で、等級によって受給期間が異なります。

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)の受給期間は1年です。

\聴覚障がい者向け音声認識ツール/

障害者雇用の助成金の申請方法

障害者雇用の助成金の申請方法を表でご紹介します。

助成金の種類申請方法
特定求職者雇用開発助成金支給申請期間に、特定求職者雇用開発助成金支給申請書に必要書類を添えて、都道府県の労働局へ支給申請をおこなう。
トライアル雇用助成金職業紹介を受けた機関に障害者トライアル雇用等実施計画書を提出する。トライアル雇用終了後、2ヵ月以内に指定の支給申請書を管轄のハローワーク経由で労働局に提出する。
障害者雇用納付金制度に基づく助成金障害者を雇用するための措置として講じる内容について受給資格認定申請の手続きをおこない、認定を受ける。
認定後、障害者助成金支給請求書(支給申請書)に必要な書類を添えて都道府県支部に提出する。
人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)訓練施設や設備事業に着手する前に、管轄である労働局に助成金受給資格の認定申請をおこなう。指定期間内に、人材開発支援助成金受給資格認定申請書、人材開発支援助成金認定申請明細書、障害者職業能力開発訓練事業計画書を労働局に提出する。
キャリアアップ助成金コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を労働局やハローワークに提出する。正社員等へ転換後、6ヵ月の賃金を支払ったあと、支給申請をおこなう。

どの助成金も、オンライン上で電子申請が可能です。

障害者雇用の助成金はパートやアルバイトも対象?

障害者雇用の助成金はパートやアルバイトも対象になりますが、いくつかの条件があります。

助成金の共通事項として、対象労働者をハローワークまたは民間の有料・無料職業紹介事業者などの紹介により雇用します。

特定求職者雇用開発助成金の場合は、正社員ではなくても、継続して雇用することが条件です。

有期雇用者の場合でも、本人が希望すれば更新できる雇用形態にする必要があります。

勤務成績などで継続を判断する場合は、継続して雇用しているとは認められないので受給対象にはなりません。

継続雇用に迷う場合は、トライアル雇用助成金制度を利用して、助成金を受給できます。

障害者雇用の助成金は親族も対象?

障害者雇用の助成金は、親族は対象になりません。

支給対象となる対象者は、条件として掲げられた4つの項目すべてに該当する必要があります。

条件のなかで、親族のことに該当する記載は以下の通りです。

  • 法人の代表者若しくは役員等、それらの家事使用人、事業主と同居の親族または学生(昼間において授業を受ける方に限る)のいずれにも該当しないこと(ただし、雇用保険の適用を受ける方についてはこの限りではありません)。

事業者と同居する親や学生などは対象者に該当しないことが条件にあげられています。

また、会社の役員や家事使用人なども対象者としては認められていません。

参考記事:障害者雇用助成金のごあんない

障害者を雇用するメリット

障害者を雇用するためには、環境整備など、さまざまな準備が必要です。

障害者雇用の助成金は、民間企業の障害者の雇用率を上げることを目的として設けられた制度ですが、雇用率アップだけがメリットではありません。

障害者を雇用することで、その他にもさまざまなメリットが生まれます。

ここからは、障害者を雇用したことによって得られる事業主にとってのメリットを、詳しくご紹介します。

生産性や業績アップ

現在、日本では全体的な労働人口が減少しているため、慢性的な人手不足におちいっています。

人手不足の解消は、企業を継続させていくために重要な課題ですが、労働人口自体が減少しているので、容易ではありません。

そこで、人手不足を解消する方法として、多くの企業が障害者を積極的に雇用する傾向にあります。

障害によって、できることとできないことがありますが、障害の種類や程度に応じて、できる仕事を洗い出すことで、適所に配置することができます。

障害者を雇用することによって、雇い入れる企業の生産性を上げられたり、業績アップを図れるのが、最大のメリットです。

ダイバーシティ経営の推進

近年は、世界的にダイバーシティ(Diversity)を推進する傾向にあります。

ダイバーシティは、日本語に訳すと「多様性」という意味になり、日本の企業でもダイバーシティ経営が活発化しています。

具体的には、障害者だけに限らず、国籍・性別・学歴・価値観などにとらわれることなく、すべての個性を受け入れて活かせる環境を整えていく経営方法です。

ダイバーシティ経営は、現在、世界的に取り組んでいる「誰一人取り残さない」という原則に基づくSDGsにも直結しています。

障害者雇用は、多様性を受け入れて活かすという経営方針の一環といえ、今後さらに活発化していく傾向です。

社会的責任の遂行

深刻化する環境問題や人権侵害が問題視される近年、企業でも社会的責任に取り組む企業経営が求められています。

企業経営において、社会的責任を遂行するなかで大切なのが、トリプル・ボトムラインというの3つの事柄を意識することです。

  • 経済的側面(経済的業績、配当や内部留保、利益配分のあり方)
  • 環境的側面(環境経営、環境に配慮した商品開発他)
  • 社会的側面(人権問題、地域社会との共生、製品の安全性、従業員の福利厚生他)

社会的責任を遂行するなかで、障害者雇用も積極的におこなう必要があります。

参考記事:(独立行政法人中小企業基盤整備機構)企業の社会的責任(CSR)とは

障害者を雇用する手順

障害者を雇用する手順をイメージした画像

ここからは、障害者を雇用する手順をご紹介します。

障害者を雇用する手順は、次の4つのステップに分けられます。

1.障害者雇用の基礎を知って理解する

さまざまな障害への基礎知識を深め、特性や配慮すべき点を理解します。

そのうえで、障害者雇用制度や障害者就労支援についても学び、社内研修をおこなうなど社員にも周知するなど、受け入れ体制を整えます。

2.採用計画と準備

障害者を雇用するにあたって、その目的と自社の状況も踏まえたうえで、採用計画をたてます。

採用計画とは、職務内容・採用人数・採用時期・労働条件などです。

3.募集および採用後に必要になる支援の準備

ハローワークまたは民間の有料・無料職業紹介事業者などを通して、募集をおこないます。

面接をおこなったうえで、採用し、職場定着させるための支援を準備します。

4.職場定着させるための支援をおこなう

職場定着を目指し、対象者がもつ障害への理解を深め、必要な支援や方法を講じます。

また、対象者のキャリアップも含めた支援をおこないます。

上記のステップは、ハローワークや地域障害者職業センターなどの支援機関と連携しながら進めます。

参考記事:(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)障害者雇用のステップ

障害者雇用はハローワーク以外でも相談できる?

障害者雇用のための求人はハローワーク以外にも、特定のスキルの学習や、訓練を積んだ障害者が多くいる就労継続支援事業所への求人も可能です。

障害者雇用関連の助成を受けるには、ハローワークまたは民間の有料・無料職業紹介事業者などの紹介により雇用する必要があります。

ハローワーク以外で雇用管理のアドバイスやサポートを受けられるのは、地域障害者職業センターです。

障害者を雇用する際の注意点

障害者を雇用する際の注意点として、次にあげる3つの項目を意識する必要があります。

  • 差別を防止する
  • 合理的配慮の提供
  • 相談窓口やサポート体制を整える

障害者が働くためには、さまざまなサポートが必要になりますが、本来、この3つの項目は一般の雇用においても必要な事柄です。

それぞれの注意点を詳しくご紹介するので、参考にしてください。

差別を防止する

障害者に限らず、差別は防止しなければなりません。

差別とは、周囲と差をつけることを指しますが、職場における差別には、どのようなことが含まれるのでしょうか。

たとえば、理不尽な理由でプロジェクトから排除したり、不利になる条件をわざわざつけたりするのは、差別行為です。

障害者雇用では、求人募集・採用・賃金・昇進・教育などにおいて、障害者であることを理由に排除したり不利益を講じたりすることは差別にあたります。

障害者専用求人は、積極的な差別是正になるので差別行為には該当しません。

障害者の継続的な雇用を考えるのであれば、他者とおなじようにキャリアアップや賃金アップを図れるような環境づくりが必要です。

合理的配慮の提供

障害者雇用における合理的配慮とは、仕事をするうえで障害者とそれ以外の人とで差を付けず、均等に機会を与えるための措置です。

障害があっても、環境を改善することで能力を発揮できる可能性があるならば、支障となることを積極的に改善する必要があります。

事業者は、障害の有無に関わらず、誰でも均等に能力を発揮する機会を与え、それに見合った評価をしなければなりません。

そのために、対象となる障害者に合理的配慮の提供をおこないます。

例えば、視覚障害者への採用試験には、点字テキストや音声を使うなどの配慮が必要です。

身体に障害がある場合には、作業しやすいように机の高さを調整したり、働きやすい設備を取り入れたりします。

また、通院や体調に応じた休暇に配慮するなどの措置をおこないます。

相談窓口やサポート体制を整える

事業主は、障害者が相談できる窓口を設置するなど、サポート体制を整えます。

相談者のプライバシーを守ると同時に、相談したことによって相談者が不当な扱いを受けるようなことは禁止されています。

単に相談を聞くだけに留まらず、相談内容に対して解決することが前提です。

事業主は、障害者に対する差別禁止や合理的配慮の提供に関する事項について、障害者からの苦情を自主的に解決することが努力義務とされています。

もし、障害者と事業主との話合いで、自主的な解決が難しい場合は、都道府県労働局の職業安定部に相談できます。

相談内容の解決にあたって、都道府県労働局長による助言・指導・勧告や、障害者雇用調停会議による調停がおこなわれます。

参考記事:(厚生労働省)改正障害者雇用促進法が施行されました

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まとめ

この記事では、障害者雇用助成金の種類をはじめ、受給するための条件や申請方法などを中心にご紹介しました。

障害者雇用は、対象となる障害者のメリットばかりに注目しがちですが、受け入れる企業にとっても大きなメリットが見込めます。

ダイバーシティ経営や人手不足解消にも直結しているので、障害者雇用を正しく知り、積極的に取り組んでいきましょう。