ADHDのライフハックや便利グッズを紹介!大人の対策アプリや子供の支援グッズも

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ADHDの子どもをイメージした画像

ADHDとは、不注意・多動性・衝動性などの行動障害がある状態をいいます。

近年注目されている発達障害のひとつで、障害の出かたは人それぞれで異なり、複合的な行動障害を抱えている人も少なくありません。

「整理整頓ができない」「忘れものが多い」など、ADHDによって生活に支障を感じているという人も多いのではないでしょうか?

今回は、ADHDの人が生活で困ることをはじめ、それを解消するために役立つグッズやライフハックをご紹介します。

ここでご紹介するグッズやライフハックは、ADHDの生活をサポートしてくれますので、ぜひ参考にしてください。

ADHDの人が生活で困ることは?

ADHDは、脳の神経伝達物質の出方が不安定なことによって、不注意・多動性・衝動性などの行動面に障害があることをいいます。

見た目からは障害の有無がわかりづらいため、普通に社会生活を送っている人も少なくありません。

しかし、ADHDは生活レベルで苦手なことも多く、日常的に生きづらさを感じている人もいます。

ここからは、ADHDの人が生活するうえで困ることを具体的にご紹介します。

整理整頓や片付けが苦手

ADHDは、見た目などのはっきりとした特徴がないため、大人になってからADHDと診断されるケースも増えています。

子供の頃に片付けがうまくできない子だった人はわりといますが、成長すると勉強や仕事がしやすいよう、自分で書棚や机を整理整頓できるようになります。

しかし、ADHDの人は大人になっても整理整頓や部屋の片付けが苦手なままです。

単にだらしがないという人もいますが、ADHDの場合は、どのようにして片付けたらいいのかを順序だてて考えるのが苦手なため、整理整頓ができない傾向があります。

忘れものや失くしものが多い

机の上や身のまわりを片付けられないため、忘れものや失くしものが多くなります。

また、ついさっきまで持っていたものを不意に置いてしまって、どこに置いたのか所在がわからなくなるパターンもあります。

部屋を片付けたときに「同じものが何個も出てきた」という経験をする人も少なくないのではないのでしょうか。

外出時なども順序だてて持ちものを用意したり、整理して荷造りするのが苦手なので、忘れものが多くなりがちです。

気が散りやすくミスが多い

ADHDは周りの音や刺激に敏感なため、気が散りやすくミスが多いという特性があります。

また、逆に静かすぎる環境下でも気が散ってしまうパターンがあるようです。

仕事中は状況によって、集中力が保てないことも多いため、指示を聞き逃してしまうこともあります。

気が散りやすいという特性は、普段の生活をはじめ、ミーティングやあらゆる仕事に大きく影響するため、多くのADHDの人が悩む問題です。

段取りが苦手

仕事をスムーズに進めるために、納期を把握して段取りを決めることは重要ですが、ADHDの人はそれが苦手です。

ADHDの「整理整頓や片付けが苦手」という特性が、この「段取りが苦手」ということにもつながっています。

せっかくがんばって段取りを決めても「気が散りやすい」という特性もあるため、段取りどおりに作業を進めることも苦手です。

睡眠障害や体調不良がある

ADHDの人は、自分の興味があるものに熱中してしまう傾向があり、夢中になると夜遅くまで起きていてしまいます。

その結果、睡眠のリズムが乱れてしまうため、「なかなか眠れない」「眠っても何度も目が覚めてしまう」など、さまざまな睡眠障害を抱える人が少なくありません。

睡眠障害があると、朝きちんと起きられなかったり、日中にはげしい眠気に悩まされることも多くなります。

睡眠不足は、倦怠感や体調不良にも直結しているため、改善する必要があります。

聴覚過敏や自律神経の乱れがある

ADHDの人のなかには、聴覚過敏や自律神経の乱れを感じる人もいます。

聴覚過敏とは、周囲の音に対して不快感やストレスを感じたりする症状で、人によっては不安感や痛みがあらわれるケースもあります。

また、不快感やストレスを感じる音の種類や大きさは人それぞれです。

聴覚過敏の原因は、聴覚機能障害によるもの、脳の機能障害によるもの、精神的なストレスなどによるものが考えられます。

原因によって、カウンセリングや投薬によって症状が改善される場合があるので、気になるときは病院を受診するようにしましょう。

大人のADHDに役立つライフハックや便利グッズはある?

ADHDに役立つグッズをイメージした画像

仕事上のトラブルや対人関係での悩みが多く、大人になってから生きづらさを感じたり、体の不調により病院を受診したらADHDと診断されるケースも増えています。

ADHDは、「昨日は難なくできたことなのに今日はできない」ということも多く、症状の強さは体調の変化によっても左右されます。

大人のADHDに役立つライフハックや便利グッズを取り入れることで、生活のなかの苦手を改善できるのでお役立てください。

整理整頓・片付け術

ADHDの人は、部屋が散らかりがちで、いざ片付けようと思っても気が散ってしまって、一向に片付けられない場合があります。

整理整頓や片付けを一気にしたい気持ちもありますが、ADHDに有用な片付け術は、一気にやらずに「今日はここだけ」と場所をしぼって片付けるようにします。

また、集中力が続かない場合は、毎日「10分だけ片付ける」と時間を決めて片付けるのもおすすめです。

テレビやスマートフォンはできるだけ遠くに置くなど、気が散ってしまう可能性がある要素は排除します。

ものは意識して片付けないと増えてしまうので、整理整頓は使用頻度によって置く場所を工夫するなどの配慮も必要です。

1年間使用しなかったものは捨て、捨てるのを悩むときは、使いやすさを考慮して置き場所を決めるようにしましょう。

忘れもの・失くしもの対策

部屋の整理整頓ばかりではなく、日頃持ち歩く荷物の整理整頓も苦手なADHDの人は、忘れものや失くしものが多い傾向です。

忘れものや失くしものを減らす対策としては、仕切りの多いバッグを使うのがおすすめです。

バッグに仕切りがない場合は、バッグインバッグなどを活用しましょう。

バッグインバッグは、必ずいつも持ち歩かなければならないものを小さめのバッグにまとめられるものです。

それを本体のバッグに入れるだけなので、バッグを変えたときなどに起きやすい入れ忘れの対策にもなります。

決められた場所に決められたものをしまうことで、失くしものも避けられ、使いたいときにもすぐに取り出せます。

集中力を上げる方法

ADHDの人が集中力を維持できないのは、外部からのさまざまな刺激に左右されやすかったり、イレギュラーなことが起こるとパニックにおちいりやすいためです。

集中力を上げるためには、刺激になる原因を排除するのが有効です。

例えば、必要なければスマートフォンやパソコンの通知は切るようにします。

また、周囲にものがあると気が散りやすくなるため、作業スペースやデスクの上は整理整頓を心がけ、不必要なものは片付ける習慣をつけます。

ストレスやトラブルが原因で、心の中をなかなか整理できない状態のときは、一旦その場を離れて気分転換したり深呼吸をするなど、リラックス方法を取り入れましょう。

情報整理術

仕事をするうえで、タスク管理はとても重要です。

デスクの上を整理整頓するのと同じで、仕事の納期や内容などの情報もわかりやすく整理する時間を設けるよう心がけましょう。

作業ベースに合わせて行動するべき内容を書き出し、その通りに動けば納期に間に合う形に整理したうえで、見えやすい場所に貼ります。

終了したものからすぐに剥がせるようにしておくと、達成感が生まれるのと同時に、仕事の残量を可視化できるので便利です。

書類は、紛失防止と見つけやすさを兼ねて、仕事ごとに仕分けできるバインダーなどを使って一括管理するのがおすすめです。

また、パソコン上のデータも、仕事ごとにフォルダー分けして保存すると見つけやすくなります。

おすすめのサプリメント

ADHDは、幼少期から10代に多くあらわれる障害で、生まれつき脳に何らかの機能異常があり、それが原因ではないかといわれています。

一般的な治療としては、中枢神経刺激薬を用いますが、ADHDの症状を緩和するためのサプリメントを使った補完療法も研究されています。

対象となっている栄養素は、オメガ3脂肪酸・メラトニン・ピクノジェノール・イチョウ葉・セントジョーンズワートなどがありますが、明らかな効果は確認されていません。

サプリメントのなかには、ほかの医薬品に有害な相互作用を引き起こすものもあるため、安易に取り入れるのは危険です。

使用する際は、必ず医師に相談するようにしましょう。

参考記事:(厚生労働省)ADHDに対する補完療法について知っておくべき9つのこと

子供のADHDに役立つグッズやおもちゃは?

ADHDの子供は、周りからのさまざまな刺激が気になるため、集中することが苦手です。

特に小学校に通い始めると、ADHDであるがゆえの「じっと座ってられない」などの困りごとが顕著にあらわれます。

また、「時間割どおりに持ちものをそろえられない」「忘れものが多い」などの苦手が気になり始める時期です。

そんな子供のADHDの悩みを解消するのに役立つグッズやおもちゃがあります。

時間割ボード

時間割ボードというと、学校の時間割が書かれたものを思い浮かべます。

翌日の持ちものをそろえるときに、時間割表が目の前にあるととても便利です。

それと同じように、起きる時間から始まりその日にやるべきことを時間割ボードで可視化しておくと、それを見ながら行動に移せます。

子供と相談しながらやるべきことと時間を決めて、できるだけ細かく設定するのがおすすめです。

時間割ボードを子供が自分で見ながら行動できるため、自立サポートとしても有効です。

忘れものチェッカー

忘れものをしないためには、必要なものをリスト化して、用意したらチェックするなどの工夫が必要です。

子供たちが通学する際に、毎日必ず学校に持っていくものがあると思います。

例えば、宿題・ハンカチ・ティッシュ・学校の帽子・水筒などで、人によってはスマートフォンや家の鍵などが加わる場合もあるでしょう。

それらの持ちものをリスト化したのが、忘れものチェッカーです。

子供用の忘れものチェッカーは、キーホルダー式などに商品化されたものもありますが、自分で作ることも可能です。

メモバンド

メモバンドはリストバンドタイプのメモで、看護師などが利用するアイテムでもあります。

特に忘れものをしたくないときに、自分の手の甲などに油性ペンを使って書き込んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。

メモ帳や手帳にメモをとっても、メモしたもの自体を忘れてしまったらどうにもなりません。

身につけられるメモバンドなら、必要なときにすぐに書き込めていつでも見られるため、忘れものをしがちなADHDにはおすすめのアイテムです。

ウェットティッシュなどで簡単に消せて繰り返し使えるため、手首に巻いておくと便利に使えます。

ソーシャルスキルかるた

かるたといえば、読み札と取り札がセットになっていて、子供が遊びながら言葉も学べるアイテムです。

ソーシャルスキルかるたも、基本的な遊び方は一緒ですが、遊びながら小学校でのマナーやルールなどを習得できる内容になっています。

子供は、言葉を並べて説明されても、理解できないこともあります。

ADHDの子供の場合は、集中することも苦手なので、長い説明は最後まで聞けません。

ソーシャルスキルかるたは、かるた遊びをするなかで楽しみながらマナーやルールを学ぶことができるのがポイントです。

参考記事:TOSSオリジナル教材|五色ソーシャルスキルかるた

イヤーマフ

イヤーマフは、もともと工事現場や飛行場などの騒音が激しい場所で、耳を守るために使用されるアイテムです。

ADHDのなかには聴覚過敏によって、日頃のさまざまな音に悩まされている人がいます。

人によって不快に感じる音はさまざまで、周囲の話し声なども騒音に感じてしまう場合があります。

また、聴覚が過敏すぎると、耳のなかで音が響いたりエコーがかかったように聞こえ、それが原因で頭痛やめまいなどの不調を感じる人も少なくありません。

イヤーマフは、周囲の音を遮断することによって、聴覚過敏による不快感や不調をサポートしてくれるアイテムです。

気持ちが落ち着く良触感グッズ

赤ちゃんや小さな子供が、ハンカチやぬいぐるみなど、お気に入りのものを持つと泣き止んだり落ち着くということがあります。

手に持ったときに感触がよいグッズは、気持ちを落ち着かせるのに役立ちます。

手の神経は敏感なうえ、特にADHDはさまざまな神経が過敏なケースが多いため、良触感グッズを持つことによって、パニックになっても気持ちを紛らすのに有効です。

良触感グッズは、手触りのよいものからおもしろい感触を繰り返し楽しめるものまでバリエーションが豊かなので、お気に入りの触感を探してみましょう。

結ばなくていい靴紐

ADHDの子供は、一般的に靴紐を結ぶのが苦手だといわれます。

うまく靴紐を結べないと苛立ちも増えますし、途中で紐がほどけると危険です。

靴紐結びが苦手な場合は、そもそも結ばなくていい靴紐のスニーカーなどを選ぶのがおすすめです。

近年は、ダイヤル式でサイズを微調整できるタイプもありますし、既存のスニーカーの靴紐を別売りの伸縮する紐に取り替える方法もあります。

手作りできる支援グッズはある?

支援グッズを手作りしてるイメージの画像

身のまわりで手に入りやすいアイテムで、簡単に手作りできる支援グッズがあります。

ADHDの場合は、五感に働きかけるようなグッズがあると遊びながら学べます。

指先を使った細かな作業が苦手な場合は、ボタンのかけはずしの練習ができるグッズがおすすめです。

例えば、少しハリ感のある布やフェルトをお皿に見立て、そのお皿の上に野菜や果物を並べるグッズを作ります。

お皿側には適当にあいだを空けてボタンを縫い付け、野菜や果物にはボタンホールをつくり、お皿のボタンにかけながら付けていくおもちゃです。

野菜や果物は、フェルト素材を使えばハサミで切り込みを入れるだけでボタンホールができますし、布の端を処理する手間もかかりません。

お皿ではなく、水槽に見立てた部分に魚やカニを入れるなどのイメージでも作れます。

ADHDに役立つアプリがある?

ADHDは、一度にいくつものことをするのが苦手です。

例えば、数時間後に出かけることが決まっていたとしても、ほかのことに気を取られてしまい、時間に合わせて準備することができません。

ADHDの「スケジュールどおりに動けない」「時間を守れない」などの悩みをサポートするアプリをご紹介します。

タスク管理アプリ

タスク管理アプリは、仕事だけに限らず「やらなければいけないこと」を整理するのに便利です。

いつも持ち歩くスマートフォンにダウンロードして管理すれば、予定が近づくと通知でお知らせしてくれます。

「いつまでに何をやらなければいけない」を記録し、いつでも見られるようにしておくことで、約束や期限が守れるだけでなく、無理がないように予定を入れられるようになります。

表示方法や通知方法などの細かな機能は、アプリによって異なるため、使いやすいものを選ぶのがおすすめです。

時間管理アプリ

時間管理アプリは、ルーチンタイマーとも呼ばれるアイテムです。

タスク管理アプリは「やるべきこと」を日単位で管理するアプリですが、時間管理アプリは、「その日にやるべきこと」を時間単位で管理できるものです。

1日のはじまりに、その日の行動に合わせた時間割をたて、予定ごとの時間をあらかじめセットしておけば、タイマー音でお知らせしてくれます。

時間を守ることが苦手な人は、タスク管理アプリと時間管理アプリを併用することで、スケジュールを予定どおりに進めやすくなります。

悩みや困りごとを共有できるアプリ

同じ悩みをもった相手に相談すると、より深く理解されるのと同時に、いいアドバイスをもらえることがあります。

身近な人には相談しづらい悩みや困りごとも、見えない相手になら相談できる場合もありますよね。

スマートフォンなどのアプリには、ADHD専用の悩みを共有できるものがあります。

一般的なSNSでも相談はできますが、不特定多数の人が参加するため、誹謗中傷される可能性を否定することはできません。

ADHD同士が交流するための専用アプリなら、登録には本人確認が必要なので安心です。

参考記事:モッチ – 発達障害の友達作りアプリ

ADHDのグレーゾーンとは?

ADHDは、診断がとても難しい発達障害です。

ADHDと似たような特性が出る別の発達障害もありますし、脳の機能という見えない部分の障害のため、単独検査では診断できないのが特徴です。

問診・行動観察・心理検査など、さまざまな観点から総合的に診断します。

その結果、はっきり診断できず「グレーゾーン」と診断される場合があります。

ADHDのグレーゾーンとは、症状や特性は見られるものの、確定診断をする基準を満たしていないため、確定には到らないという状態です。

ADHDなど発達障害と確定された場合は「精神障害者保健福祉手帳」の取得ができ、公的なサポートを受けられるメリットがありますが、グレーゾーンだと手帳の取得はできません。

ADHDの人のためにできる配慮は?

ADHDは、医学的に数値などで重さや軽さを判断できるものではありません。

忘れものや時間を守れないことは、ADHDでなくても起こりうることなので、「だらしがない」「しつけができていない」などと周りから指摘されがちです。

日常的に指摘されることが多いと、それがストレスとなり精神疾患に罹患してしまう場合もあります。

身近にADHDやグレーゾーンを疑われる人がいても、きつく指摘したり大きな声で叱責することは避けましょう。

ADHDは、自分でさまざまなことをコントロールするのが苦手な障害です。

例えば、身近に時間を忘れがちな人がいたら「時間を知らせる」などの配慮をおこなうこともサポートになります。

まとめ

ADHDはその特性から、日常的な生活においてさまざまな不自由を感じる障害です。

周りに迷惑をかけたり、理解をえられないため、日常的に傷つく人もいると思います。

たとえグレーゾーンであっても、気になる特性がなくなるわけではありません。

ここで紹介したグッズやライフハックは、スムーズな生活を送れるように苦手な部分をサポートしてくれるものです。

自分の特性に合ったものを取り入れて、快適な生活をめざしましょう。