聴覚障がいを知るセミナーを実施──知ることで理解が深まり行動が変わる

「聴覚障がいを知る」セミナーを受講いただいたNTTデータMSE様の事例をご紹介します。

株式会社NTTデータMSE様は、1979年に設立され、神奈川県横浜市に本社を構えるNTTデータグループのシステムインテグレーターです。 多様な人財が活躍できる職場づくりと働き方の変革を推進しており、障がいのある社員への情報保障や、現場でのコミュニケーション支援を通じて、インクルーシブな環境の実現に取り組んでいます。

株式会社NTTデータMSE 様

URL: https://www.nttd-mse.com

設立:1979年7月5日

所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目1番地9 アリーナタワー

資本金:  3億2,000万円

従業員数:約1,950名(単体:1,800名)

主な業務:

IoTサービス、モバイル・情報家電・医療機器向けのソフトウェア開発、車載プラットフォームやスマートフォン連携ソリューションなど、幅広い分野で先進的な技術を提供

お客様紹介

人財開発部の皆様(竹村様:右から1人目、田中様:左から2人目、池森様:中央)

インタビューイー
竹村 恭平様 人財開発部 人財育成企画課 部長 兼 課長
田中 駿 様 人財開発部 人財育成企画課 課長代理
池森 愛梨様 人財開発部 人財育成企画課


「聴覚障がいを知る」セミナーとは?
「聞こえにくさを理解し、共に働く職場づくりへ。」
セミナーは、聴覚障がいのある方とのコミュニケーションをより円滑にし、誰もが安心して働ける職場環境を目指すための実践型プログラムです。手話通訳士の資格を持つ講師とともに、実際の事例や体験を通じて、理解と気づきを深める構成となっています。
※詳しくはこちら ( https://pekoe.ricoh/seminar )
 

 セミナー受講のきっかけ──
「聞こえない」から見えた課題

― さまざまな取り組みに加えて、今回セミナーを受講いただいた背景をお聞かせください

池森様(NTTデータMSE)
聴覚障がいのある社員は全社で16名ほどいます。先輩方が築いてくださったおかげで、情報保障の環境は比較的整っていて、周囲の方もチャットなどでサポートしてくださります。しかし、日常業務の中では、当事者と健聴者の間で気づきにくい、ちょっとしたコミュニケーションの課題があると感じていました。

そういった細かな課題を解決するために、専門的な知識を持つ講師が実施するセミナーを受講させていただきました。

今も実践していること──
業務の進め方と個別支援の工夫

聴覚障がいの方は普段どのように働いているのでしょうか?

竹村様(NTTデータMSE)
業務の遂行にあたっては、個々の特性に応じて必要なサポートを柔軟に提供しています。たとえば、コミュニケーションが得意な方には通常通り業務を任せ、そうでない方にはデジタル技術の力とアナログの両面でサポートを行うことにより、状況に応じた対応を心がけています。

田中様(NTTデータMSE)
聴覚障がいの社員に限りませんが、1on1を実施しています。聴覚障がいのある社員には、配属後のフォロー体制や人間関係の状況などを、より丁寧に確認しています。また、採用部門では聴覚障がい者へのヒアリングを実施し、特性に応じたフォロー方法を上司に共有しています。

池森様(NTTデータMSE)
普段の業務では、音声認識アプリやWeb会議のトランスクリプション機能、ブギーボードなどを活用しています。テクノロジーは日々進歩しているので、上司や先輩と相談しながら新しいものも積極的に取り入れています。

受講後の変化──
“知ること”が行動を変える第一歩に

セミナーを受講されたことで気づきや何か良かった点はありましたか?

池森様(NTTデータMSE)
はい。研修の前後でアンケートを取ったのですが、健聴の社員の方々も「普段どれくらい相手の意図を理解できているのか」や「打合せの進め方」に関する具体的なニーズが明らかになりました。セミナーでは、これらのニーズに応える形で、「特性に応じたコミュニケーション方法」や「会議での具体的なアドバイス」をいただいたため、そうした不安も和らいだのではないかと思います。

田中様(NTTデータMSE)
私たち健聴者も、聴覚障がいのある方がどんなことで困っているのか、前提条件がずれていたり、理解しきれていない部分が多かったと気づかされました。今回のセミナーで、障がいの種類など基礎から学ぶことができ、理解が深まりました。2022年度から、聴覚障がいのある新卒社員の受け入れを継続的に行ってきました。手話通訳の配置や、支援ツールの導入は進めてきたものの、それでも我々が求める情報保障レベルを実現するには運営面で解決すべき課題を感じていました。今回のセミナーを通じて、支援の質をさらに高め、社内の理解や体制をレベルアップできたことを強く感じています。

ー 新入社員研修で受講された方の反響もあった?

池森様(NTTデータMSE)
健聴の社員が個人に寄り添って対応してくれていて、グループでのコミュニケーションも丁寧に取られていた印象です。セミナーの内容がしっかり落とし込まれていたと思います。

田中様(NTTデータMSE)
過去の新人研修でも、聴覚障がいのある社員とのコミュニケーション方法について我々運営側から伝えてきましたが、今回のセミナーを通じて、1時間しっかりと学ぶ機会を設けたことで、グループディスカッションなどでも工夫して対応する姿が多く見られました。聴覚障がいのある社員からも“やりやすかった”という声が届いています。

セミナーの感想──
”知る”に加えて”体感する”ことの重要さ

セミナーの中で印象に残ったことはありますか?

池森様(NTTデータMSE)
「情報障害」という言葉が取り上げられていて、情報の取りこぼしが知らず知らずのうちにストレスになり、モチベーションの低下にもつながる可能性があるという話が印象的でした。こうした気づきが、職場の中での配慮や対話のきっかけになればと願っています。

音声を完全に遮断して手話だけで進行した場面がありました。あのときは、まさに「聞こえない世界」を体験するような感覚で、非常にインパクトがありました。アンケートでも「聴覚障がいのある方がどんな世界を見ているのかが少しわかった」といった声が多く寄せられていて、私自身も「こういう体験があると理解を深めるきっかけになる」と実感しました。

継続的な学びへ──
現場にも広げたいインクルーシブな対話

セミナー後、新たな取り組みにつながったことはありますか?

田中様(NTTデータMSE)
はい。池森がセミナー後にアンケート結果をまとめ、健聴者側の疑問と聴覚障がい者側の課題を照らし合わせながら、対応案を整理しました。それをガイドライン的な資料として社内に展開してくれたんです。

池森様(NTTデータMSE)
聴覚障がい者自身が「こういう場面ではこうしてもらえると助かる」といった視点で対応案を考え、健聴者にもわかりやすく伝えるよう工夫しました。これによって、現場でも「どうすれば良いか」が共有しやすくなったと思います。

今後も継続していきたいことがあるとお聞きしました

池森様(NTTデータMSE)
コーポレート本部ではセミナーの効果が広がっていますが、現場のエンジニアまではまだ十分に届いていないと感じています。今後は現場にもセミナーを展開し、理解を深めていきたいです。

田中様(NTTデータMSE)
私も同じ課題意識を持っています。今回のセミナーを通じて、コーポレート部門では一定の理解が進みましたが、現場ではまだ「スピード重視」の会議運営などにより、聴覚障がいのある社員が発言しづらい場面も残っています。だからこそ、こうしたインプットの機会を一過性のものにせず、第2弾、第3弾と継続することが重要だと考えています。

竹村様(NTTデータMSE)
私たちの目指すべきゴールは、すべての社員が自身の特性を活かしながら安心して働ける職場を実現することです。多様な視点とニーズに応えられる環境を整備し続けることで、全ての社員が持てる力を最大限に発揮できるようになると信じています。

インタビューを終えて

今回のインタビューを通じて印象的だったことは、「知ること」が職場の空気を変える力を持っているということでした。 セミナーを受講いただいた皆様からの評価も良く、効果的だと感じて頂いた様です。

新人研修にて受講いただいた皆様のアンケート結果抜粋(回答率 100%)

アンケート回答にも表れているように、健聴者側の理解がさらに深まり、より良いコミュニケーションを考えるきっかけとなりグループワークや日常業務の中でのコミュニケーションにも変化が生まれたようでした。さらに、当事者でもある池森様が対応案を考え、ガイドラインとして社内に展開するという動きも生まれ、インクルーシブな職場づくりが“理解”を通じて継続的に進化していることを感じました。

「聞こえないこと」を“理解”し、体感”し“共有”することで、誰もが働きやすい職場へ。NTTデータMSE様の取り組みが、今後さらに広がっていくことを心から願っています。

(インタビュー日:2025年7月14日)

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